2023/11/09 のログ
ご案内:「無名遺跡」にミア・コレットさんが現れました。
ミア・コレット >  
遺跡でダンジョンアタックだ。
フォワードは私、バックアップは私、マッパーも私。
つまりソロで攻略している。

まずは簡単な通路から。
壁に触ると妙に柔らかかった。
わ、ズボッと手が埋まる。

とか考えていると壁が両サイドから狭まってきた。
そう、シフティングウォールの罠。

「おっあっあっああああぁ!!」

ミリも可愛くない声を出しながら逃げているのは、私。
柔らかい壁に挟まると、後で魔族に囚われるという感じなんだろうね。

…帰り道どうしよ。

ミア・コレット >  
ここには財宝があるという……見込み。
本当に財宝があるという確証はない。
あったら知った人が全部持っていっているだろう。

だから、冒険は面白いのかも知れない。
鋼の探究心が切り開くものを信じて。
私は蔦で覆われた通路を手斧で切って進んだ。

いかにも怪しい石畳のフロア。
ここは慎重に進むべきだろう。
こういう場所にトラップがなかったら逆に性格が悪い魔族がいるということ。
余計、慎重に進まなければならない。

ミア・コレット >  
この石畳はどうやら沈むようだ。
そして……この匂い、トリモチトラップ。
踏んだらどこかから粘性の物体が射出され、動けなくなる。

というところだろう。
なるほど、趣向を凝らしている。
……財宝目当ての人間を捕らえようという工夫が。

慎重に石畳を歩いて渡る。
大丈夫、大丈夫。探究心はまだ働いている。

ミア・コレット >  
そして数々のトラップを切り抜け、遺跡の中腹に来た。
どうして中間地点とわかるかって?
吹き抜けみたいに空いた天井の穴から、空が見えているから。

なんとなくそう思っただけ。

遺跡の中に花が咲き乱れている。
土が真上から落ちて、そこに花の種が落ちたようだ。
綺麗。神々しくすらある。

ミア・コレット >  
………!
この花、薄く光っている……?
まさか、これ、全部………

「精霊花………!」

これは紛れもないお宝。
天然の精霊花、葉は薬草で、種は宝石に等しい。
花自体も高価で、これだけあったらどんな価格になるだろう。

ふと、花を一本摘むと。

後方の岩塊が動き出した………ゴ、ゴーレム!?

ゴーレム >  
「ガオォォォォン!!」

体中に蔦を這わせ、悠久の時を庭園に沈ませていた巨体が。
吠えた。

ミア・コレット >  
マズいね!?
今までのトラップは人を捕まえようという意志が感じ取れたけど!!

こいつは違う。
花盗人を叩きのめすまで止まることはないッ!!

ナイフを鞘に収める。
こんなものもう何の役にも立たない。
ぐ、と拳を握って遺跡から覗く空に向けて突き出した。

「エトランゼーッ!!」

叫ぶと同時に、心の形が戦う形象を作り出す。

血のように紅い、貴族の高級既成服(プレタポルテ)にも似た衣装。
夕陽のように赤い馬に乗った悪魔。

「汝の名は悪魔、ベリトッ!!」

ゴーレム >  
体を支えるように脚部と腕部で近づく。
ゴウン。一歩ごとに遺跡を揺らす。
巨大なる拳を振り上げ、侵入者と自分の間にいる悪魔に振り下ろした。

ミア・コレット >  
ベリトが騎上のまま、槍でゴーレムの巨大な拳を受ける。
負荷が精神にダイレクトにかかり、鼻血が出た。

まずい、ちょっと勝てるかわからない。
ゴーレムと戦うなんて初めてで、相手を上回る出力を出せるかどうか。

「削り取れ、ベリトッ!!」

悪魔は高速で槍を突き出す。
ゴーレムの岩のボディが削り取られていくけど……!!

ゴーレム >  
槍を全身に受けながら。
それでも前に出ることを止めない。
悪魔に左腕を振るい、弾き飛ばす。

侵入者まで一直線上。
右拳を振り上げ、襲いかかる。

ミア・コレット >  
しまっ…!!
護衛の悪魔が壁際に叩き出され。
私の元へゴーレムが来るッ!!

その瞬間、胸元に摘んだ精霊花を掲げた。

ゴーレム >  
拳を叩き込もうとした瞬間。
相手の胸元の花を見て静止した。

違う、花を潰すことを絶対にしないのだ。
そういう仕組みになっている。

ミア・コレット >  
「エ………!」

両目が金色に染まる。
精神が完全に戦うことを肯定した時。
私はエトランゼ能力を完全に使えるようになる。

「エトランゼ!!」

二体目のエトランゼ、美しい天女であるアプサラーを召喚した。

アプサラーがゴーレムに水弾を連射し、
悪魔ベリトが槍で波状攻撃を仕掛ける。

これで勝てなかったら完全に打つ手なし!!

ゴーレム >  
槍と水弾の連続攻撃を受け、ジワジワと壁際に追い詰められ。
そのまま核を槍に貫かれ。
活動を停止した。

ミア・コレット >  
怖かった。
終わってしまうかと思った。

それでも、目の前にあるのは。
花盗人を咎めようとした。
守護者の哀れな遺骸だった。

「ごめんね」

両目が元の色に戻りながら、胸に携えていた一本の精霊花を。
ゴーレムに手向けた。

それから私は精霊花を半分だけ摘んで帰った。
またあの場所に咲くこともあるだろう。

報酬は得た。でも……少しだけ。
あの守護者のことを思い出すことがある。

今でも。

ご案内:「無名遺跡」からミア・コレットさんが去りました。