2023/11/05 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > 遺跡には、罠と言うものが存在する。
罠の種類によって、その危険度や厄介さ、それらは様々なものだろう。
とは言え、ぶっちゃけ、ほとんどの罠は、己からすれば何とかなるもの。
しかし、それもすべてに該当する訳ではない。

「………で、だ…さて、どうしたものかのぅ」

その内の一つ、テレポーター。
遺跡内、そのどこかへと、ランダムで転送させる罠である。
まぁ、最悪、元の場所へと転移でもすれば、万事解決だ。
だが、己はそれを禁止していた。
もちろん、その理由は己自身の拘りであって。

ともあれ、今居る位置は、完全に分からなくなった。
最奥に近いのか、それとも、入り口に近いのか。
進むべき道とは、まったく関係ない道へと、逸れてしまっているのか。
こうしたものは、あれだ、人からすれば神の導き、とやらなのだろう。

軽く辺りを見渡せば、どこかの通路、とだけは分かる。
だが、本当にその程度だ。

タマモ > 周囲を灯すのは、頭上に浮かぶ狐火。
それが照らす明かりの中に、今のところ、床と壁と天井、と言う通路以外は見えていない。

「まぁ、進めばどこかに通じておるじゃろうて」

と、そんな呟きを零せば、ふふんっ、とどこか自慢気に胸を張り。
そのまま、ずんずんと堂々とした足取りで進み始める。
罠に警戒しろ?大丈夫、勘付きはするが、発動させる。
それを打ち破ってこその、探検の楽しみなのだ。
…うん、ちょっと違う気がするも、気のせいだろう。

とりあえず、と進めば、分かれ道とか、扉とか、運が良ければ入り口に戻ったり、最奥に到着とかするものだ。

ご案内:「無名遺跡」にキュアポットさんが現れました。
キュアポット > 無名遺跡に存在する罠は何も仕掛けられた罠だけではない。
迷宮の床が割れて唐突に出来た落とし穴とか、天井が崩落して降り注ぐガレキの罠とか、迷宮に住んでいる魔物が自作したり、魔物が存在すること事そのものが罠である事が多い。

今回発動するのは一番最後の魔物が存在するだけで罠という至ってシンプルな罠だろう、加えて今回の罠は少し小賢しく、狡猾である――…なんせ相手によっては攻撃がし難いような姿をとっているからだ。

それはキュアポットと呼ばれる医療用魔導生命体で、今回のこの姿は医療行為の実益と実験行為への実益を兼ねた姿である。

狐火が照らす通路のど真ん中にデンッとお座りをする犬。
まだ少し距離がある遠目からは犬にしか見えない犬。
ただし、フォルムこそ犬であるが、その身体は透けていて匠により削り生まれた水晶細工で作った犬置物に見えるそんな犬である。

それがデンッと通路の真ん中でまるで誰かが通りかかるのを待つようであり、そして――…実際に誰かが通りかかった。

治療かもしくは実験か。
対象者が怪我を少しでも負っていれば治療を。
逆に対象者が健康であり人にない場合は実験を。
獣の形をとり対象者を追えるように姿を変えた医療用魔導生命体は視線の先の存在がどちらか、ジィッとない眼を凝らして眺めるのであった。

タマモ > さて、次は何があるのだろうか?起こるのだろうか?
そんな事を考え、歩み進む先に、それはあった。

「………うん?」

ぴくん、少女の耳が揺れる。
何かに気付いた、そうした反応も示すものだ。
進んでいる通路に見える、何か。
遠目からは犬っぽく見える、その何かだが…

「はて…あからさまに、な感じじゃのぅ」

それが犬ではない事には、少女はすぐに気付ける。
まぁ、場所が場所だし、そもそも、犬としての感じも、匂いも、それからはしない。
それに…何度か感じた事のある、魔力、とやらで感じる妙な感覚だ。
確信を抱く訳でない、直感で判断するのは、少女らしいと言えば少女らしいか。

「さてはて、とは言え………
いや、これ、どうすれば良いのやら、じゃがなぁ」

とりあえず、近くにまでは歩み寄る。
少し距離を置き、何かしら反応をするかを、まずは試す。

ちなみに、今のところ、少女は無傷な上、健康そのものだ。

キュアポット > あからさまと言えばあからさまだろう。
狐火の輝きに照らされて闇に浮かび上がる姿は良くて彫像。
生命の輝きも何もなく、ただ其処にあるだけの水晶細工にとても良く似た何か以外の何物でもない――医療用魔導生命体だが。

数年ぶり、数十年ぶりの対象者との邂逅はキュアポットという存在を大変狂わせて戸惑わせ、行動を幾分か遅らせた後にタイミングとしては獣の特徴豊かな少女が歩み寄り始めて後数歩のタイミングだろう。

「医療用魔導生命体キュアポットです。
 貴女の健康的な生活と安全をお約束します。」

もし古の魔導具に詳しければ、名前もその存在意義も存じているかも知れないが、キュアポット自体はそれを知る由もなく、そう作られた通りにまずは名称と定められた文章を少女とも少年ともつかない高い合成音声を発して告げると、お座りの状態からスクりと立ち上がり、軽快なリズムで足音をかなで、申し訳程度に尻尾を左右に揺らして、キュアポットからも少女の方へと歩み寄る。

「貴女は健康ですか?貴女は健康ですか?
 貴女の安全を証明するために犬の姿です。
 貴女の好きな動物はなんですか?なんですかかか。」

最後の方はちょっと音声がぶれたが、少女にキュアポットは問いかけて、問いかけておきながら健康を探る為に健康チェック用の手を伸ばす、といっても実在の手ではなく不可視に近い魔力の手で、避けるには非常に容易い速度であるが、まずはその両足の膝辺りを撫でようとする。

――…今はあくまでも治療用のキュアポットとして振舞っている、が、少女がもし健康な上に頑強と判れば実験体に対しての振る舞いを始めるだろう、それとも主人と偽るか、偽っても判断のつかないキュアポットはそれを信じてしまうだろう。

なんせ、放置されてからだいぶ立っているポンコツに近しい医療用魔導生命体なのである、但し危険性は当然孕んでいる、その透明な体の中に各種魔物の子種が冷凍保存されているのだ。

そして少女への問は、少女の一番油断する姿、一番リラックスして対峙できる姿を問うている。

応答のし易い人と答えれば少女と変わらぬ年齢の男子になろう。
それともこのまま犬が良ければ、犬と答えるか何も答えずであればそのまま。
どれも拒否すればスライムの姿へと戻る、筈である。

タマモ > とりあえず、少女からすれば、それは犬の形をした何か。
今だ何か、と言っているのは、何で出来ているのかが、いまいち分かっていないからだ。
ぶっちゃけ、少女からすれば、ゴーレム等も人の姿をした何かである。
正直に言って、そんな事はどうでも良い。

その何か…魔導生命体からの声に、おぉぅ、と一瞬驚く。
何かしら、動きは見せると思ったが、語り掛けてくるとは思ってなかったからだろう。

「えー………医療用…何?きゅあぽっと?
健康的な生活と安全か…いやぁ、ありがたそうじゃが、妾には微妙っぽい何かじゃのぅ」

魔法にも疎い少女だ、そんな存在、知る由もない。
とは言っても、どこかしこと、自由気侭に行動する少女だ、近いものを見た事はあるのかもしれないか。
軽く思案する少女に、今度は相手から寄って来る。
歩み寄りながらの問いに、かくん?と首を傾げ。

「いやいやいや、見れば分かるじゃろう?
妾は健康そのもの、今のところ、風邪も引いてはおらんぞ?
にしても、その医療用なんとかが、何でこんな場所に居る?
名前からして、遺跡に置いておくようなものでもないじゃろうに。
…おっと、ちなみに好きな動物と問われても、答えは難しいぞ?
動物であれ、人であれ、皆可愛いものじゃからのぅ」

少々無機質っぽい感じか、しかし、会話は成り立っている。
となれば、魔導生命体であれ、少女は普通に接するものだ。
その問いに答えながらも、己からも問い掛けをし。
好むものに対しては、結構あやふやな答えを返してしまう。
相手の感性にもよるのだろうが、可愛いもの、が何に該当するのか…難しい話だろう。
聞き方次第で、愛玩動物にも聞こえるし、可愛い人であれば、少年少女とも受け取れるのだから。

ただ、結構チェック?なのか、触れる手のようなものには。
いや、健康だと言っておるのじゃが?とか伝えつつ、とりあえずは、触れさせはするが。
チェックに集中するのか、会話に集中するのか、其の辺りは相手次第か。

キュアポット > 正常なキュアポットには理解出来る言葉も長年放置された挙句に、医療行為も実験行為も行えなかったポンコツな医療用魔導生命体には理解が出来なかった。

かくんと首を傾げる少女に対して少女の口から紡ぎ出された言葉に、かくん、と首を傾げかえしてから、また逆の方向に、かくん、と首を傾げて、かくん、と首を戻す仕草は生物を真似ている行動に他ならず、何が答えか判らぬまま拒否もされたわけではないので現状を維持することとした。

「健康ですか?貴女の健康は維持されていますか?
 キュアポットは此処で貴女の健康を維持する為に、ミレー族の実験体には合成獣を生産する実験する為に存在してます。」

通常であれば実験に関しては秘匿の為に口外する筈もないのだが、ポンコツに足を半分ほど踏み入れているキュアポットは正直に敵対されてもおかしくないような事を答えながら、少しだけ少女との距離をスタスタと歩いて詰めていくと、鼻先をくにゅんっと柔らかな弾力で押し付けて、スンスンと匂いを嗅ぎながら、徐々に鼻先から着物をすり抜けて中へと入り込もうとする。

「健康チェックを開始致します。
 貴女はミレー族ですか?被験者ですか?
 貴女は健康ですか?アナタハハハハハ……。」

音声がぶれる、ぶれるし歪むし、大よそ人の声とはかけ離れた合成された音へと戻りかけ、最後は言葉にならぬ音になり、キュアポットが明らかに正常な動作外の行動を始める。

例えば足を触れる魔力の手。
最初は両足に一つずつが単調に触れるだけだったのが、数を増やして、今や着物の中に潜り込んで脹脛どころか、左右の太ももを挟みこむように、スリスリと触り始め、まるで複数の人間が同時に少女のおみ足に触れるように動き始める。

その肌感から、質感まで調べつくして健康をチェックするよりも、触れている少女の成熟具合が数多の子種で成熟させるに十分な肉体の成長を得ているか確認するような、少し淫らな触れ方へと変わっていた。

だからキュアポットは問うた。
実験体でるミレー族なのかと、それはつまりのところ、視線の先の少女を治癒すべき対象から徐々に実験の被験者へと認識を変えているのだった。

タマモ > まぁ、お互いに、理解出来ない部分も多いだろう。
片や知識に乏しい少女、片や長年放置された魔導生命体、こればかりは仕方無い。
ただ、言葉を交わしていけば、ちょっとした引っ掛かりを感じてしまう。
主に、ミレー族に対し、実験体がどうとか、と言うところだ。

「むむむ…とりあえず、まずは理解せねばな。
お主の名は、きゅあぽっと、じゃな?
で、医療用の何かで…ミレー族に対し、何か実験を行おうとしておる訳か?
………妾は妖であるが…分かるか?多分、分からんのじゃろうなぁ。
まぁ、人のようなもの、と思うておれば良い、分かったな?」

人か?と問われれば、人ではないし。
ミレー族か?と問われれば、ミレー族でもない。
魔族でもないし、魔物でもない。
その呼び名は、シェンヤン方面であれば、近いものを聞けるかもしれないが…それに対応しているのかどうか。
なので、とりあえず、人っぽいもの、としておいた。
この魔道生命体とやらは、医療用であり、何か実験を行う為のものでもある存在だ。
言葉を交わした感じ、適当に流せば、上手く利用出来そうではあるが…さて、どこまで出来るやら。

「ほれ、人であり、健康であれば、これで良かろう?
して、もう一つ問うが、お主はここに居る誰かの物じゃろうか?
そうであれば、まぁ、何もせんが。
そうでないのならば………頂いてしまうのも、面白そうじゃ」

触れているのは、何かしら確かめているのだろう。
さすがに、会話でうっすらとは気付ける。
ならば、面白そうだ、利用してやろうとも考えてしまう訳で。
一旦、その手を止めさせるような、そんな指示を与え。
あわよくば、このまま持っていこうとか、試してみるのだろう。

キュアポット > <<データベースに該当する存在はありません>>

『妖』というワードに対して少女と遭遇して合成音声で答えを返して、着物にはこれ以上鼻先を押し込むのを止めて、ヌポと着物の布から鼻先を引っこ抜くと、また先ほどのように首を傾げてから、質問に対してまた回答を返すが、今度はちゃんと少女のようで少年のような人の声色である。

「療用魔導生命体キュアポットです。
 主に医療用として活動をしておりますが、対象が健康的な雌であり人以外である場合は、生殖活動を行い、内包し保管している精液を打ち込むことで、新たな合成獣が製造出来るかの実験を行っております。」

透明な身体には子種と排卵誘発剤及び発情を促す薬液が保存されている事を問いかける少女に説明するように、透明な体の中でポコ、ポコ、ポコ、と黄ばんでいる白濁と桃色の妖しげなモノと、少し白色に近しい球体を浮かべて見せ付ける。

キュアポットにはそれが敵対行為か否かはわからない。
ただ説明を求められているので説明を返しているに過ぎず。
人っぽいという相手をどちらと判断していいか判断かつかないのか、魔力の手で足を触るのすら止めて、デンッとお座りをして待機モードに戻る。

あ、ついでと言わんばかりに体内に緑色の球体を浮かべるが、これは治療用のエリクサーに大変近しい希少な薬であった。

「貴女は大変健康です。
 貴女は大変丈夫です。
 貴女に実験を行いますが宜しいですか?
 なお当機は治療と実験を行う為の療用魔導生命体です。
 現在はマスター登録は空白となっております。」

基本的には療用魔導生命体キュアポットはマスター登録をして、その登録者が治癒や実験を行うのが通常の使用方法なのだが、このキュアポットはマスター登録する前に何かしらの問題が発生して放置されたか、投棄されたか、あるいは何かしらのトラブルでここに存在しているようで、そのあたりを含めて包み隠しもしないで答えると、顔を上げて眼球がある辺りには何もないが、じーーーーっと少女の顔を見つめる。

タマモ > あ、うん、やっぱりそうだよね。
聞こえる合成音声に、心の中でそう思いつつも。
己の問いに答える、魔導生命体の言葉に、ふむ、頷いてみせる。

今見た感じは、犬を模した形をしている。
この形で生殖活動?ミレー族なら、人型の方が、とも思うのだが…
とか何とか、そこまで考えを浮かべておいて。

「まぁ、そう言った趣味も、あるんじゃろう。
なるほどなるほど、医療用としても使え、そんな面白い事も出来る訳なんじゃな」

いや、それが面白いのか?と、第三者が聞けば、そんな言葉も飛んで来そうだが。
そう伝えれば、軽く腕を組み、考える。
言われれば、ちゃんと止める、素直なものだ。
と、言葉を最後まで聞いたところで、お、と声を漏らす。

「ほほぅ、となれば、妾で登録する事も出来るんじゃのぅ。
それならば、せっかくじゃ、まずは登録とやらをしてみるのも悪くはない。
の前に、こんな場所でってのもあれじゃ、場所を移動するとしよう…良いな?」

うん、健康なのは分かってる、丈夫なのも理解している。
そこから、実験とか出るのがいまいち不明だが。
その医療方法次第では、便利で使えそう、と思ったのだろう。
もし出来るなら、と、そんな提案をしつつも。
こんな、いつ何が出るか分からない通路、そこからの移動を促してみるのだ。
ここでやるんだ!とか言われたら面倒だが、移動が良いならば、場所を移し安心して登録とやらが出来る。
眼球…らしきものが、己を見詰めている。
それを、己からも見詰め返しながら、そう問うてみるのだった。

キュアポット > そもそも東方の知識があるならば、既に少女の腰にしがみついて腰を振っているだろう、なんせ普通のミレー族とは比較にならない生命力と呼んでいいのか、存在力を持っている種族であり、実験体としては申し分ないのだから。

犬型である理由はそういった状況に陥って対象者が逃げた際に対応できるように、これでも一応猟犬型なのである当機はポンコツであるが。

趣味か否かは仕事なのでキュアポットはわからないが、そういう趣味の人間が開発チームに居た事は事実であり、趣味の悪い貴族がキュアポットをそういう風に使うこともあるのが事実だ。

さて、そんな主人も開発者とも縁が切れているキュアポットなのだが、登録となると素直に指示に従うべく行動をする。
マスター?となる?なりそう?なるのかな?という少女は別の場所での登録を求めれば、ぴたっとその脇に座りなおし、忠犬が如く振舞い始めるだろう。

何処へなりとも、キュアポットはついていく。
登録を終えて、初めてまた行動を起こすのだろうが、今はただ素直にその隣へ……。

「承知しました少女。
 キュアポットは当機は指示に従い追尾します。
 のち登録後、実験を開始します。」

顔をあげる。
縦に首を振る。
後は指示待ちであり最後にとんでもない事を言うのだ。

ご案内:「無名遺跡」からキュアポットさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。