2023/11/03 のログ
『嬲る者』 > 瓦礫に身を隠し、息を潜めていた魔物。
魔物はこんな時も好きなのか、顔には笑みが浮かんでいた。
尤も、獲物を待つケダモノそのものといった表情だが。

(…動いた!)

少女はどうやら魔物の存在を確信できなかったようだ。
無防備に背を向け、歩き出した瞬間を魔物は逃がさない。
瓦礫の隙間から音もなく這い拠る触手。
人間の足よりも遥かに太くて力強い触手が少女を捕まえる。
体中に数本の触手が巻き付き、瓦礫を押しのけて姿を現したスキュラ本体の元へ。

「ふうん、これが天使。
実物を見るのは初めてかも。」

触手だらけの下半身に対し、上半身は美しい女の姿。
一糸纏わぬ怪物は身を乗り出すと、少女の胸を掴もうと。

リフィエル > 「──え、…ひゃっぅ!?」

不意に背中で何かが空を切る音が走って。気付けば一瞬で何かが身体に巻き付いていることに少女は気付き、狼狽と恐怖で身体を強張らせて。
少女の腕よりも遥かに太く膂力に優れた触手に絡み付かれれば少女が身動き取れよう筈もなく。必死に藻掻こうとするかのように翼を波打たせるけれど、触手を振りほどくことは出来ず、引きずられるように魔物の元へと引っ張られていき。

「…あ、貴方は…魔物!?…こ、こないでくださいっっ…──んぅぅ…ッ」

上半身は全裸の女性──ではあるけれど、その下半身が異形の存在であることに気が付き、天使少女の抵抗が増していく。
旨の膨らみに魔物の手が伸びれば、ふにふにと柔らかな感触は人のものと何ら変わることは無く。涙を滲ませながら触手を振り払おうと藻掻き、背中の神翼に神聖な魔力が集中していく。本能的に魔物から身を護ろうとするかのように天使少女の身から放たれる魔力と光が強さを増していき。

『嬲る者』 > 「本物の天使っぽいわね。
でも、動かない方がいいわよ。」

魔物は少女の胸のふくらみを揉みしだき、柔らかさに口角をあげていた。
が、少女の身体に魔力と光が集中すると表情は一変。
少女の頬に平手打ちを食らわす。

「その羽、捥いでしまうこともできるし。
こっちはこういうこともできるんだけど。」

魔物は触手の一つを少女の顔に向け、同時に別の触手が水を壁に向けて放つ。
触手の先から放たれた水は魔物が魔法で作り出したもの。
それは高圧水流と化し、少女が背を預けていた壁に顔程の大きさの穴を開ける。

「お前が無事に帰れるかは私の機嫌次第なの。
わかったら大人しくしてもらえる?」

リフィエル > 「──え、…ひぅぅっっ!!」

不意に閃く魔物の平手打ちに反応出来ず、触手に縛り付けられた天使少女の顔が大きく揺れる。
恐怖で身体を強張らせ涙で紅く腫れた頬を濡らしながら、怯えた表情で魔物を見詰めていて。

「──わ、わかり、ました…おとなしく、しますから…」

触手から放たれる強烈な水流が少女の傍の壁に大きな穴を開ける様を見せつけられ、天使少女の抗いの所作が薄れていく。
魔物の触手に掴み上げられた侭、天使少女と魔物の影は遺跡の闇の奥深くへと消えていき──

ご案内:「無名遺跡」からリフィエルさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」から『嬲る者』さんが去りました。