2023/09/19 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエルトシャンさんが現れました。
■エルトシャン > 棍棒を手に襲いかかってくる小鬼の群れを、その得物を奪い取って蹴散らす女。
この手のモンスターはすぐに襲いかかって来るが、危険とみればすぐ逃げ去っていく。
「全く、ゲンキンですわねえ」
その変わり身の早さに、呆れた様な溜め息を漏らす。
血と、よくわからないものが付着した棍棒を見下ろし、それをポイと放り捨てる。
武器は必要に応じて調達すればよい。
獣人の膂力と、膂力を活かす体術を軸に戦うほうが、身軽だ。
ダンジョンでは、武器が使えなくなったら手も足も出ない、という状況が怖くもある。
体の動かし方を知っている者特有の、体幹が左右にブレず、ほとんど足音が立たない歩みで、再び先に進み始めた。
今日はどこまで行こうか──
折角幾つも階層を降ったのだから、何か成果を見付けて帰りたいところだが。
■エルトシャン > 「徒党を組む必要は無いとはいえ、いつもながら退屈ですわぁ」
独りごちる女の、言葉の語尾は半分あくびになっていた。
経験を積めば、単独で探検可能な階層は匂いでわかる。
嗅覚でわかるというよりは感覚であって感覚でない……第六感のようなものか。
あるいは単に勘か。
とは言っても、いつも想定通り安全とは限らないのが、ダンジョンというもの。
油断は禁物なのだが、話し相手がいないと退屈だ。
ダンジョン探索の大半は地味な移動と調査である。
そういう時、いつも、やっぱり単独で来るんじゃなかったかなとは思うのだが、
他人に合わせる必要のない気楽さも魅力的ではある。
女はその考え事で時間を潰しながら、ダンジョンを進んでいく。
ご案内:「無名遺跡」からエルトシャンさんが去りました。