2023/10/03 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にグァ・ジャミルさんが現れました。
グァ・ジャミル > (九頭龍山脈の各地に点在する魔力の結界で隠されたミレー族の里。
 普段から耳を隠し、尾を隠してる青年もまたこの場ではそのミレーの証を露わにし、のびのびと滞在させて貰っている。
 報酬は王国の話。知識。近隣の魔物や山賊退治。
 対価として貰うのは金銭などではなく、人間である相棒の滞在許可だ。
 こうして無事に隠れ住んでいるミレー族は人間に良い感情を持たない者が多いが、
 人間の姿を知らないで好奇心旺盛な若者が悪い人間に攫われることもある。
 それを防ぐ意味も兼ねて、ちょっとした講義的なものや防衛策、子供たちの訓練の相手などもした。
 それともう一つ。
 その隠れ里の奥には、小さな泉がある。
 澄んだ水が滾々と湧き続けて、里の巫女的な役割を持つ娘や少年が、禊を行う場としてあるのだと。
 魔の穢れを払い、身を清める場所の利用許可を得るのは少々骨が折れた。)

「ほら、さっさと行ってこいよ」

(滞在して何日目か、許可が下りてその泉で禊を行うのはジャミル自身ではなく、相棒だ。
 何の因果か悪魔に呪われて、日に日に"染まり"かけている。
 己の相棒が、こんな体たらくでは困るのだ。
 すまない、と憂う顔をする美形をいーから、と送り、禊が終わるまでの間暇になるなあと大きく伸びをする。)

「さーて……晩飯にそこらの魔物でも狩ってくるかね」

(規模としては大きくはない。子供の数もそう多くはない。
 大きくなるほど人間に見つかる確率が上がるというのだから、わかる。
 ジャミルの故郷などは魔族の国と近い位置なので侵入してくる魔族たちをガンガン捕まえては、
 嬲って犯して喰らって、とするために規模はそれなりに大きかったが。
 "普通"とは、きっとこういう里のことを言うのだろうなぁとしみじみと思った。

 ふとそんなことを考えていたら、里の男衆が集まって相談してるところに出くわした。
 尾を揺らしながら近づいていけば、どうやら里の者ではない何者かを捕まえたのだとか。
 迷い込んだのか誰かが連れ込んだのか、なんにせよ魔力の縄でがんじがらめに縛られている侵入者をジャミルは覗き込んだ。)

グァ・ジャミル > (縛り上げられてもがもが騒いでるのはどうやら迷子のように紛れ込んだ山賊らしい。
 がりがりと頭を掻きながらその襟首をつかんで。)

「これはどーにかしとくわ。ついでに飯も採ってくるから、アンタらは気にすんなよ」

(ジャミルは男衆にそう言って里の外へと引きずっていく。
 「アンタにとっちゃ宝の山だよなあ」と引きずる男にそう言って、その金の目は細められて笑う。
 ────その山賊がどうなったかは、誰も知る由もない。)

ご案内:「ミレーの隠れ里」からグァ・ジャミルさんが去りました。