九頭龍山脈の奥地、この国の先住民であるミレー族が住む隠れ里が幾つか存在する。
そこではミレー族が仲間とともに暮らしており、この国でミレー族が唯一公然と安らげる場所である。
しかし、これらの隠れ里も王国の人間や魔物に見つけられることがある。
そうなれば、ミレーの者たちは奴隷としての扱いを受けてしまうことになるだろう。
ミレー族の隠れ里は一つだけではなく、一つ見つかったとしても、他の隠れ里がともに見つかるわけではない。
彼らの魔術によって隠されていることが多いためだ。
参加者(0):ROM(1)
Time:21:15:28 更新
ご案内:「ミレーの隠れ里」からウィンターさんが去りました。
■ウィンター > 「ん、撤収の合図した……戻らないと……」
(よいしょ、よいしょ、と籠に枯枝を詰め込んでいって。
今回の枝拾いのリーダーから、もう十分集まったから撤収、の合図が聞こえてきたので、夜闇の中、銀色の髪を月明かりに光らせながら村へと帰っていく)
■ウィンター > (日が暮れて夜闇が辺りを包むころ、籠を背負って火付けに使う木切れや小さな枝を拾う為に森の中へ入ってる。
どうしても煮炊きには火を使うので、そういうものを集めなくてはならず、これくらいならお手伝いできると、幸い夜目が効くので手を挙げて参加をしてる)
「ん、これ、いい。乾いてるから大丈夫……あ、これも良さそう」
(自分以外にもミレー族の中でも夜目が効く者が参加しての枯枝拾い。
自分達を狩るミレー狩りというのが出ることもあるから気を付けてと言われていて、ときどき目線を上げて周辺にミレー族以外がいないことを確認しながら作業をしている)
ご案内:「ミレーの隠れ里」にウィンターさんが現れました。
ご案内:「ミレーの隠れ里」からウィンターさんが去りました。
■ウィンター > 「ん、とにかく、力が戻るように一から修行しなおすつもりで頑張る。
村のお手伝いも頑張る……」
(呟いて振り返って村の中に戻っていく。
自分が神格を得たときのように、また修行を積めばきっと、元通りになるはず、と。
時間が掛かってもそれに掛けるしかないから、と決意を新たにして、村のお手伝いをしに向かっていって)
■ウィンター > 「んー……んっ、はぁっ、はぁっ、駄目。全然、力、出てこない……」
(隠れ里の外れで一人、両手に力を入れて集中をしてみて。
元の世界に居た頃なら両手から光が放たれていたのに、全然、そんな光は出なくて。
目を閉じて自分の身体の中を視るようにしても、かつての神力は全く感じ取れなくなっていることに肩を落とす)
「この世界に来てから、ぜんぜん、力が戻らない。ううん、力が無くなってる……どうしよう。帰りたいのにどうやって帰ったらいいか分からない。……ここの人達にはお世話になってるけど……私がいたら迷惑だし……」
(この世界に迷い込んで、右も左も分からない自分を容姿が似ているということから招き入れてくれた、ミレーと言われている人達。
気にしなくて良いよ、と言ってくれているものの、生活が苦しいのは見て取れるから。
自分一人でも食い扶持が増えてしまったら大変で、この小さな体では働いて返すことも出来ず、忸怩たる思いばかりが募っていって)
ご案内:「ミレーの隠れ里」にウィンターさんが現れました。
ご案内:「ミレーの隠れ里」からゼノ さんが去りました。
■ゼノ > 迷彩能力に長けた異形の魔物の姿無き侵入と、内部からの仔個体による攪乱により次々とミレー族達は犠牲となり、その後の末路はいっそ男や老人のほうがまだマシと言える悲惨なものに。
幸いであったのは、犠牲となったのは里一つで済んだということ。
不幸であったのは、他の里にこの事態を報せる者がいなかったということ。
■ゼノ > 迫害の対象、差別の対象であるミレー族が逃れる為に隠れ潜み、身を寄せ合うミレーの隠れ里。
一つではなく分散化しているのはそれだけミレー族が存在するということもあるが、万が一隠れ里の位置がばれた場合全滅するよりも一つが何かしら犠牲になっても他が生き延びる事ができるようにとリスクをこそ分散化している節があるその隠れ里の一つに最近になって不安の種が芽生えていた。
それは、最近になって他のミレーの隠れ里と連絡を取り合う為に外出していた里に住まうミレー族の一人がいつもなら帰って来ないという事。
また、それを心配して見回りに行った者も帰って来ないという事。
明らかに何か良からぬ事が起きているが、里自体は平穏である。今はまだ、だが。
外部へ連絡が取れない以上自分達で対処をしないといけないが、一体何が起きているのか原因さえ不明の為男衆が武装を常に用意し、女子供も警戒し簡易的なバリケードを設置する手伝いをしながら里を隠す隠蔽の魔術に綻びがないかを確認してと備えて。
だが、そんな不安を打ち消すような朗報がやってくる。
行方不明となっていた見回りに向かっていた女ミレーが帰ってきたのだ。
何があったのか、無事だったのかと衣服一つ纏わぬ裸体で帰ってきた彼女を慌てて里の者達は介抱するが、体調そのものや外傷は特に問題ないと分かればほっと胸を撫でおろすことに。
ただ、女ミレーは何があったか思い出せない、と肩を抱いて怯えるのだけは気がかりであったが、命があっただけマシと言える、落ち着いたら改めて何があったか聞こうと女ミレーを部屋で寝かせ他の者達は外へ。
その夜――女ミレーは異形の赤子を産み落とし、助けを呼ぶこともできず気絶。
生まれた赤子はすぐに移動を開始し、成長し、母胎から得た知識で隠蔽の魔術の要を闇夜に紛れて破り。
そうして、秘匿を暴かれた里を外で待っていた親たる黒甲殻の異形の魔物は隠蔽が破られた事に里の者が気付き警戒態勢に入る前に即座に行動。里へと侵入を果たして。
里の者が成す術なく犠牲となるか、はたまた偶々ミレーの里に滞在していた誰かが立ち向かうか、外の者が助けに駆けつける奇跡を祈るか。どのような結末を辿るにせよ、誰もかが無事でいられることは望めまい。
ご案内:「ミレーの隠れ里」にゼノ さんが現れました。
ご案内:「ミレーの隠れ里」からグァ・ジャミルさんが去りました。
■グァ・ジャミル > (縛り上げられてもがもが騒いでるのはどうやら迷子のように紛れ込んだ山賊らしい。
がりがりと頭を掻きながらその襟首をつかんで。)
「これはどーにかしとくわ。ついでに飯も採ってくるから、アンタらは気にすんなよ」
(ジャミルは男衆にそう言って里の外へと引きずっていく。
「アンタにとっちゃ宝の山だよなあ」と引きずる男にそう言って、その金の目は細められて笑う。
────その山賊がどうなったかは、誰も知る由もない。)
■グァ・ジャミル > (九頭龍山脈の各地に点在する魔力の結界で隠されたミレー族の里。
普段から耳を隠し、尾を隠してる青年もまたこの場ではそのミレーの証を露わにし、のびのびと滞在させて貰っている。
報酬は王国の話。知識。近隣の魔物や山賊退治。
対価として貰うのは金銭などではなく、人間である相棒の滞在許可だ。
こうして無事に隠れ住んでいるミレー族は人間に良い感情を持たない者が多いが、
人間の姿を知らないで好奇心旺盛な若者が悪い人間に攫われることもある。
それを防ぐ意味も兼ねて、ちょっとした講義的なものや防衛策、子供たちの訓練の相手などもした。
それともう一つ。
その隠れ里の奥には、小さな泉がある。
澄んだ水が滾々と湧き続けて、里の巫女的な役割を持つ娘や少年が、禊を行う場としてあるのだと。
魔の穢れを払い、身を清める場所の利用許可を得るのは少々骨が折れた。)
「ほら、さっさと行ってこいよ」
(滞在して何日目か、許可が下りてその泉で禊を行うのはジャミル自身ではなく、相棒だ。
何の因果か悪魔に呪われて、日に日に"染まり"かけている。
己の相棒が、こんな体たらくでは困るのだ。
すまない、と憂う顔をする美形をいーから、と送り、禊が終わるまでの間暇になるなあと大きく伸びをする。)
「さーて……晩飯にそこらの魔物でも狩ってくるかね」
(規模としては大きくはない。子供の数もそう多くはない。
大きくなるほど人間に見つかる確率が上がるというのだから、わかる。
ジャミルの故郷などは魔族の国と近い位置なので侵入してくる魔族たちをガンガン捕まえては、
嬲って犯して喰らって、とするために規模はそれなりに大きかったが。
"普通"とは、きっとこういう里のことを言うのだろうなぁとしみじみと思った。
ふとそんなことを考えていたら、里の男衆が集まって相談してるところに出くわした。
尾を揺らしながら近づいていけば、どうやら里の者ではない何者かを捕まえたのだとか。
迷い込んだのか誰かが連れ込んだのか、なんにせよ魔力の縄でがんじがらめに縛られている侵入者をジャミルは覗き込んだ。)