2023/09/05 のログ
ドロレス > アスピダは城塞都市であり、堅牢な防壁の内部には当然、街がある。
かつては王国軍を支える一大軍事都市であり、厳格な秩序がもたらす清潔さに満ちていたそこは、
血の旅団による占領によって今は見る影もない。
今のアスピダは街路はロクに掃除もされず塵や血で汚れ、街灯には逃亡を図った者や反逆者が吊るされ、
殺気立ったならず者が行き交う、バフートの数倍は危ない街である。
酒場や娼館など、血の旅団が来る前より賑やかになった場所はあるも、
連日乱痴気騒ぎと流血騒ぎが絶えなかった。

「オラ、どけどけ!血塗れサラザール様のお通りだ!」

城塞の門が開き、その街路に血の旅団の兵士達や荷馬車がなだれ込む。
先頭を歩くのは傭兵隊長(コンドッティエーレ)ドロレス・サラザール。
その後ろからは彼女の配下の傭兵が意気揚々と歩き、更に続く馬車は荷台が檻となっていた。
閉じ込められているのは、戦で捕虜になった王国軍兵士か、あるいは奴隷として捕らえられた罪なき人々か…。
更には、略奪品を満載した荷馬車もそれに続く。

「……よし、それじゃあ今から戦利品の分配を始める。
まずは連中の置いてった鎧や剣とかからだ。捕虜は後!!」

そして、街中のある広場に一行はたどり着くと、ドロレスはそこで今回の戦利品を広げるよう部下に命じる。
街に残った者達にそれらを見せびらかしながら、傭兵たちへの分配作業が始まった。

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からドロレスさんが去りました。