2025/05/23 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジャッキーさんが現れました。
ジャッキー >  
「うっわ」

ぽつり、ぽつり。――あっという間に、ざあざあ。
降り始めたなと思って間もなく大雨降りしきる山中。

「山の天気は変わりやすいたぁ言うけどさぁ……」

街道から横に逸れると、逞しい幹と大きな葉のでっかい樹木を天然の傘代わりに避難してぼやく。
背負っていた得物を降ろす。担いでいた荷物も降ろす。その上にどかっと尻を落として溜息一つ。

九頭龍山脈その麓。
俗に『山賊街道』と呼ばれる場所は山賊の塒で有名だが温泉地・温泉宿も少々名が通っている。
そのお宿の一つにお届け物を持って訪れたその帰り。
王都からここまで長く険しい道程の往路をやっとこさこなした帰路で雨に見舞われ足止め食らったらぼやきも溜息も出る。

あんまり足止めされると日が暮れて帰るのが億劫だし、山賊出そうで怖いし、かといって、回れ右して宿に泊まる金もねぇ。

「……まあ山賊ってもこんな成りから盗ろうとも思わねぇにして……」

何なら同情されるかもしらんがそれはそれで腹が立つので何にしても御免被りたいところ。
雨足の強い曇天を見上げながら、また一つ、でっかい溜息。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からジャッキーさんが去りました。