2025/01/20 のログ
ご案内:「高級娼館『ファタール』」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > 王都の方は宜しいのですか? と、従業員の一人が問うてきた。
支店の話かな、と問い返せば、そうでは無いと首を横に振る
故に、嗚呼成程、と納得しながら、屋上より階下の街並みへと視線を落とした
ハイブラゼールは、何時もと変わらぬ様相だ。
人が行き交い、欲望が渦巻く中でも、街としての、歓楽街としての体裁は表面上保たれて居る
時折小さな騒ぎが起きる位は日常茶飯事、其の様子を静かに眺めつつ
ワイングラスを運んで来た彼女から、グラスを受け取り。
「――――私の本業は、あくまで此処だからね。
副業に精を出し過ぎても本末転倒だろう?
学院には、あくまで、きまぐれに、教えに向かって居るだけなのでね。」
――講師としての肩書も得たとはいえ、其方につきっきりになる訳では無い。
あくまで臨時講師だ、自らの活動に幅が広がると言う利点があるだけで
自らが、娼館の館主であると言う立場に変化がある訳では無い
グラスを揺らし、くい、と酒精を煽れば、屋上の鉄柵に背を凭れさせ乍ら
彼女へと視線を戻して、ふ、と微笑み。
「それに、あんまりにも留守が過ぎると、君達も不安だろう?」
―――其れはそうかも知れません。 なんて、彼女もまた笑顔を返す。
其の後で、階下から、彼女を呼ぶ声が響いたなら
ではまた、と挨拶を向けて、小走りで下りて行った。
頑張って、と、一声かけながら、其の背を見送れば。
また、のんびりと、眼下に広がる街並みを、何か愉快な事でも起きては居ないかと眺めるのだ。
■ルヴィエラ > 時節が変わった事で、人の流れにも変化が起きている。
娼館では、娼婦や従業員が生活を変えたり、独立、或いは身請けなどで"卒業"して行く者が増え
逆に、働き口を求めて何処かからこの街へ訪れた、新たな娘達が娼館の門を叩くのだ
そして、其れは、このファタールも同じ。
従業員の大半が己が娘たちとは言え、外から雇った娘達も多く在籍して居る。
今も、表立っての、目立つような形での雇用活動はしていないが
街の掲示板には、ひっそりとファタールの求人広告が張り出されて居る
雇用条件はただ一つ。 ――己が気に入るか否か、ただ、其れだけ。
「……とは言え、王都に従業員を割いた分、此方も少し増やさなければねぇ。」
ファタールの支店を置いた王都側には、信頼出来る娘達を選抜して送り込んで居る。
本店の運営に影響が出る程では無いが、雇用を増やした方が良いのは事実だろう
とは言え、誰もかれもを集めれば良い訳では無いから
其の辺りは、確りとした見極めが必要だ。 ――まぁ、とは言え。
余程性格に難が在ったり、余程悪意を持った娘でなければ。
そう無下にする事は無いの、だが。
――時折、居ない事も無いのだ。
他の娼館からの間諜として送り込まれてくる娘が。
その場合は、判明次第、丁重に”歓迎”する必要が出て来ると言う物。
ご案内:「高級娼館『ファタール』」からルヴィエラさんが去りました。