2024/09/03 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にシグルズさんが現れました。
シグルズ > 眠らない不夜城の酒場に、銀髪の男はフラリと現れた。
普通の街なら奇異の目で見られることも多い頭の角も、ここではコスプレの一部だとでも思われているのか、注意を向けられている感覚はない。
その自然な扱いが故郷である魔界を思い出させるので、薄暗い空気も併せて気に入っている街だった。

「ン~~……。『獄卒の胆汁』を1杯もらおっかな」

カウンターの席に着くと、音もなく目の前に立ったバーテンに告げる。
間もなくカクテルグラスに入った、赤く煮えたぎったようなお酒が運ばれてきて。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にシグルズさんが現れました。
シグルズ > 運ばれてきたカクテルを一気に半分ほど飲み干す。
灼熱の赤い液体が喉を流れ落ち、食道を焼かれるような強烈な刺激が昇ってくる。
並の人間は身体を壊してしまうためメニューには載っていない、いわゆる裏メニューというやつだ。

「くゥ~~~。これこれ。オレも自分で作って飲みたいのに、レシピ教えてくれないんだもんなァ」

わざとバーテンに聞こえる音量でぼやくが、店内の喧騒をいいことに素知らぬ顔だ。
満悦したところでカウンターに腕を乗せて店内を振り返り、面白そうな客がいないかと視線を巡らせる。

シグルズ > 残りのカクテルを飲み干した青年は、来たときと同じようにフラリと酒場を出ていった。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からシグルズさんが去りました。