2024/06/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にアキアスさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にガルルさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からガルルさんが去りました。
アキアス > 王都からハイブラゼールまでの護衛依頼でまとまった報酬を得て、
そのままカジノで散財し、運よく利益を出しての夜。

気分良く暖かい懐押さえて酒場で祝杯を挙げていれば、
自分と同じくカウンターで飲んでいる女性の愚痴が聞こえてきて。
暫く聞き耳立てつつグラスを傾けながら、
相手のゆったりとした衣服に包まれた豊かな胸がテーブルで潰れるところなどを盗み見しつつ。

「よぅお嬢ちゃん、商談でも失敗したのか?
 ここは金のことはシビアなところだからなぁ」

幾つか空いていた席を詰めて相手の隣へ移動し、
へらへらと浮かべた軽薄そうな緩い笑顔を見せながら探るように声をかける。

この街には珍しくどこか野暮ったい風貌の相手に逆に興味を持ったというところで。
相手も酔いが進んでいれば、うまく話を進められるだろうかという意図が周囲からは見え見えで。

カナーン > 「おー……?」

 カウンターに頬を乗せたまま、声をかけてくれた男を見上げる。見上げきれなくて少し転がる。眼鏡のレンズ越しにへにゃっと目をゆるめると、カナーンは空いている方の手をついて、だいぶたどたどしく体を起こした。

「しょーだん、しょーだんですよぉー……。シビアとかじゃないっすよ。あれっす、あのー。あれっす、遠景……? えーと。長い目、最後にはお得なんだっていうのが、だーれもわかってないんすよ!」

 言っているうちに自分でも興奮してきたのか、カナーンはカウンターを叩く。酔っぱらっているのか、そもそも力が弱いのか、ぺっちん、と、言う情けない音がした。その拍子にぽよんと胸元が揺れ、皿から木の実が一つこぼれ落ちる。それを拾い上げてぽりぽりと噛んでから、カナーンは転がしていた小さな輪をつまんで、彼のほうにずいっと差し出た。

「ほら! どうすか! どうすかこれ! 壊れるまで使えて銀貨で2枚っすよ! お得じゃないれすか!」

アキアス > 席に腰を下ろしてもなお露骨な身長差に、顔を見上げるも辟易するような相手の様子。
その仕草自体は幼げでもありながら、酒が入って赤い目元のせいか愛らしくも見え。

テーブルと小柄な体で潰された重たげな胸元が解放されるのをしっかり視界の端に捉えつつ。
カウンターを可愛らしく叩き、また胸元を揺らしと、そんな仕草を碧眼緩めながらに眺めては。

「長期的視点ってやつか。そりゃあ、一番難しいって知り合いもいっつも言ってるやつだなぁ」

相手の言葉を受けながらにグラスを口元に寄せようとすれば、差し出される小さな輪。
指輪かなにかかと思ったが、壊れるまで使える、と聞いて僅かに首をかしげる。

「落ち着けお嬢ちゃん。そいつは壊れる代物なのか?
 ってこた、その輪っかは魔導具かなんかか? どういう代物か解らねぇと得かも判断つかねぇよ」

頭に浮かんだのは回数制限付きの魔導具類。
明確に使えなくなったのがわかるよう自壊する仕込みの代物も聞いたことはある。
けれどそもそも用途も解らないから、困ったように眉尻下げながら聞き返していく。

カナーン > 「そう、それっす! ちょーきてき!」

 ぱっと笑顔になると、胸の前で手を合わせてカナーンはうれしそうに言った。
 そして続く言葉を聞くと男の顔をまじまじと見て、くせっ毛を揺らしながら小さく首をかしげる。

「お兄さん、おっきいから肉体派かと思ったら、結構頭がいいひとっすね……? っく。よくぞ聞いてくれたっす」

 上体を少々ふらつかせながらたゆんと胸を張ると、カナーンはしゃっくりをひとつしてから得意げな表情を作り、再び輪を差し出す。細くて頼りないうえ、指輪には大きすぎ、腕輪には小さすぎる微妙なサイズのそれを見せつけて、カナーンは言った。

「これは『孕み避けの輪』と言う新開発の魔道具っす。これさえあれば、どんな絶倫男と子宝娘の組み合わせでも、ぜーったい子供ができることのない画期的な一品っす! ここにっすね、そのー、アレを通してするだけの簡単な使い方で、使えなくなったら壊れるからまぐれ当たりもないっす!」

 輪っかの中に人差し指を入れたり抜いたり、得意満面で品のない動きをしながら、カナーンは男に熱弁する。

アキアス > アキアスの言葉を繰り返し嬉しそうにしながら、レンズ越しの視線を遠慮なく向けてくる。
そして小首をかしげる様子などは、その小柄さも相まって童女かとも思えるほど。
けれど胸を張る様子とそれに合わせて弾むような柔肉の様子は、
幼さどころかその成熟した肢体を見せつけるようで、つい指を伸ばしそうになるほどの光景で。

「冒険者はホントの馬鹿じゃ、おれくらいの年まではやってけねぇよ。
 で、そりゃ避妊道具か……ふぅん?」

したり顔で商品説明を始めた相手に、そりゃ初見じゃ売れないだろうなと内心では思い浮かべる。
彼女は恐らく避妊の一点を押し出したのだろうけれど、
避妊の薬、魔術はこの街の真っ当な娼婦であればすでに手段を得ていても不思議ではないから。
あるいは、彼女が名の売れた魔導具作成者であれば別かもしれないが。
売れなかったのだから、そういうわけでもなかったのだろう。

「……そうだなぁ。買ってやってもいいぜ。
 けどそいつの効能を言葉だけじゃ信用できねぇからな。
 お嬢ちゃんが自分の身体で、自慢の商品の実演させてくれる、ってのはどうだ?」

熱弁続ける相手に、にやにやと厭らしい笑みで。
彼女がする指で作った輪に指を出し入れする仕草を真似て、からかうように告げる。
孕まないという効能の実演をして、結果が分かるのがいつになることやらと。
普通に考えれば解ることだが、酔った彼女なら、あるいは売りたい一心で引っかかるかもしれないと。
その豊かな胸元や、肉付き良く椅子に乗る尻肉を無遠慮に眺めながら反応を見て。

カナーン > 「ひにんどうぐ……? えっ。そ、それは、もしかすると……」

 その一言を聞いて、カナーンはまじまじと自分の手元を見つめる。
 ひにんどうぐ。そんな言葉があると言う事は、つまり。

「……新発明だったっすけど、新概念ではなくて、同じ機能のものがすでに世の中にあるってことっすね……。ううう、売れないはずっす……」

 がっくりと肩を落とすカナーン。だが、買ってもいい、という言葉を聞くと、ばっと顔を上げて眼鏡越しに彼を見上げる。

「買ってくれるっす!? ……お、お試しっすか。いいっすよ。使い心地抜群だっていうのを、お兄さんに味わわせてあげるっす!」

 彼のにやにや笑いにもひるむことなく、あるいは酔った勢いなのか、もしくは生来の性格か、わずかなためらいを含むものの威勢よく言うと、していた指輪を掲げて唱える。

「【知らんふりの結界環】! ……よ、よし。これでだいじょぶっす。そんじゃ、早速……!」

 自分と彼の席を囲うように、淡い光の環が現れると、カナーンは椅子から床に小さく飛び降りて、彼のほうに数歩歩み寄り、ズボンに若干ためらいがちながらも手を伸ばす。

アキアス > 【移動いたします】
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からアキアスさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からカナーンさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にイグナスさんが現れました。
イグナス > もう夜で、まだこの時期なのにうだるような熱帯夜。
じわり、と浮かび上がる汗の嫌な感覚にうめく。
カジノの前、たくさん行き来する楽し気な人々を尻目に大きな大きな大男が、ベンチに座ってうつろな目をしていた。

「ぐう。………かけごとなんて嫌いだ。」

ぼそりと呻いた。いや、賭け事もお酒もなんだって大好きなんだが。
ギャンブルは、酷く弱い。たいへん弱い。LUCK値は高いはずなのに。
賭け事だけはたいそう弱くて、熱くなって、今日もすってんてんなワケである。

「ぐう。」

もっかい呻いた。
宿代も飯代も使ってしまった。いやはてどうしたものか――。