2024/02/24 のログ
フォグ > 「……こっちはこっちで、バフートよりも大変みたいだ」

喉を鳴らし、ごくごくとウイスキーを飲んで色んな宣伝用のチラシを眺める。
王都の娼館では富裕地区でなら余裕で客を独占できそうな美女が、使い捨て同然の過激なパフォーマンスに出演するのだとか。
ハイレベルな性的サービスともなれば、女同士の生存競争も比べ物にならない。

性奉仕のテクニックはもちろんだが、同業のコンパニオン同士の陰湿な競争を生きぬくだけの機転が求められる。

「飼われてる女の子同士が、”みんな仲良く”ってところじゃないのが玉に瑕だよね」

常識や倫理が壊れた世界で過ごし続けていれば、みんなその世界に染まるために壊れていく。
大金持ちの男を取り合ったり必死に経営陣に気に入られようとしたり……

その為ならば無数にいる同じような女は手を取り合う相手ではなく蹴落とし合う競争相手と化すのだ。

「あっ、お代わりもらえるかい?」

グラスの空き具合を見つめてやってきた女性コンパニオンに酒を要求すれば、ツマミをマイペースに頬張って
周辺で賑わう豪商や大貴族、彼らをもてなす女たちに視線を向けつつ聞き耳を立てる。

フォグ > 「……少し飲み過ぎたかな?お手洗いは…っと」

しばしツマミと酒を味わっていると、尿意を催してきた男。
ひとまず手元のウイスキーを空にすれば、席を立って店内の看板を頼りに各種施設に繋がる通路へ向かう。

酒場の中はともかく、外も煌びやかであちこち用心棒や案内人が立っている。
お手洗いどこ? と聞けば、掌で方向を指し示され「どうもどうも」軽いノリで礼を告げる。

そして、訪れた先のお手洗いは、大人数を想定してかいくつも個室が並んでいる。
不思議なのは、一部屋一部屋が妙に広い。

「こんなのだったっけ……、おっと」

男は不意に歩みを止める。トイレと案内された場所、無数に並ぶ個室からは……人の声が聞こえてくる。

『んぐっ、んちゅっ、はふっ……♡』
『お、おぉ……気持ちがいい……もっと奥まで咥えて……よし、そのまま……』

あちこちから、卑猥な水音が繰り返し聞こえてくる。
ここの客同士はやり取りが丸聞こえになってなることが気にならないのだろうか。

「ははーん、おおかた人間便器ってところか」

男の察しは的を得ていたようで、扉の目の前には『VIP用』『指名用個室』『共用個室』と書かれた札が。
指名 の意味はその通りだろう。そして、恐らく中で繰り広げられるのが、用を足すだけで終わるはずもない。
肉同士がぶつかり合う音がリズミカルに繰り返し響いて来る。

フォグ > 普通のお手洗いはない事はないのだが、貧民地区の娼館よりはよほど女も奉仕の質も違ってくる。
苦笑いしながら、入口で立ち往生していた男だったが、トイレの使用状況をプレート上に表示する魔導機械を眺め一考。

待機中、使用中……そして一通りのプレイを終えた後の後始末であろう『洗浄中』という状態表示。
奴隷市場のように商人や調教師が手洗いで掃除しているのではなく、恐らく便所特有の機構が存在するのだろう。
莫大な資産と技術力を投じて作られた富豪の享楽は、金と技術力……そして生贄となった男女で容易く成り立つ。

どうしようかな と考え事をしていた矢先、ギィィ…と扉を開けてやってくる一人の男性。

『あっ、お前こんなところに!』

「やあ、奇遇だね」

『7番おススメだぜ、どうだ?』

「キミがさっき使ったばっかりじゃないか、流石に違う子にするよ」

知り合いと穴兄弟……なんてもはや珍しい話でもなんでもないのだが、便所として使ったばかりの女……
それも知人が使ってた相手となると流石にためらいが出て来る。

しばらくすれば、久方ぶりの顔ぶれでも見つけたか、『指名用個室』の扉を開けて中に入っていくのだった。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からフォグさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にサフィルさんが現れました。
サフィル > ハイブラゼールのとある会員制バーで防音、気配遮断、認識施錠の防護結界施術の依頼を終えて、
せめてお礼にとお酒をいただいてほっと一息。

依頼自体はいつもの内容。会員の外へ出さない会談等の漏洩防止を主旨としたもの。
併せて、そういった技術を持つステイシス家とのパイプ作り。

……途中、バーテンダーが何か仕込もうとしていたが、元締めが肩を叩いて店の奥へと追いやっていく。
大方制裁でもするのだろうかと、元締めに声をかけて不問にするように一言述べて。

大方、気を利かせて自分を篭絡してこの辺りの集まりの傀儡にでもしようとしたのだろうが、
そういうのは慣れている。
本当にしていたら、色々面白かったのだけれど、今日は相手の誠意を見られただけでも良しとして。

「ふぇー……、いいぃー、気持ちですねぇー……」

ほろりほろりと、長身がバーを後にして、ゆったりとした歩調で歩いていく。
今日は色々気分がいい。色々と、羽目を外してしまいそうだ。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にアーディスさんが現れました。
アーディス > (結局、あれから色々とほっつき歩いている訳だが。
 今日やってきたのは、港湾都市のカジノ近辺。
 普通にやってきたならば冷やかし位はやったのだろう。
 ……賭けは弱いのでやらないのだけれど。

 だが悲しいかな、今回は仕事であった。
 先程まで暴れていたカジノの客を引き渡し、終業。

 後は取り敢えず宿に帰るか、となったところで――見覚えのある人影を見つけた。

 これが自分の様なチンピラ騎士ならともかく、逢ったイメージと違う、違……ごめん普通に自衛出来るから大丈夫そうな気がしなくもない。

 ただまぁ、それでも彼女は貴人である。
 幾ら腕に覚えがあっても、不意を突かれる事もあろう。
 そう思えば、ゆったりと歩いている彼女の少し遠くから)

「不用心だとは思わないが、無防備だと思うぜ」

(そう言いながら、彼女に手を挙げて挨拶。
 仕事は無事退勤したのでこのまま直帰、後日ギルドで金を貰えば問題ない。

 そんな訳で良い気分の彼女へ、彼にしてみれば比較的穏やかな形で声をかけてみたのだ。)

サフィル > 「んふぇー……? あらぁー、アーディスさんですかぁー。
 先日ぶりですねぇー。んふふー、いけない人ですねぇー。
 ここはわるぅい人とか、たぁーくさんいるんですよーぅ?」

 ふらりふらりと歩みを進めていれば、聞こえるのは覚えのある声。
 国外よりの騎士。この国の騎士とは趣の違う、作法を上辺ではなく在り方で示せる稀有な人種。

「……アーディスさん、声をかけてくれましたけどぉー。
 あ、こいつなら大丈夫だぁー、って思いながら声かけましたぁー……?」

 長身の女性が、そも中堅以上の、修羅場鉄火場を潜り抜けた手合であれば
 手籠めにしようとは思わないような”圧”が伴う術師は
 貴方の視線に気づいたように唇を尖らせてふらりふらりと。

「今日はこちらでお仕事ですかぁー? んふふぅー。
 エッチなお仕事とかぁー、したんですかぁー?」

 見知った顔に王都から離れたところで出会ったのが嬉しいのか、絡んでくるように頬を突いてくる。
 酒癖が悪いこいつ。

アーディス > (ゆるっとした雰囲気は相変わらず、と言うか。
 寧ろ酒でもっと間延びしている感じがする。

 尤も、それで彼女の力が鈍っているかと言われれば否と答えよう。

 術師でこそないが、彼女の力の一端を知っていて。
 かつ、その力を迷いなく使える相手だと知っているのだから。)

「ま、知り合いもいないからどっちかってーとギルドの仕事だよ。
 カジノで暴れたりする客捕まえる奴。
 定期的に出てるみてえだしな、折角だから受けてただけだ。」

(彼女の言うようなえっちなお仕事とは程遠い、寧ろむくつけき男同士が必死で絡み合って鎬を削る仕事である。
 何せカジノの中で光り物は抜けない、となれば素手で追撃。
 そして制圧しなければならない。

 そうして、問われた言葉には沈黙していたものの頬を突かれて)

「……うん、正直護衛要らんだろうな、とは思いました。
 寧ろ酔ってても肝心な部分だけはきっちり機能してるだろうし。」

(まるで酔っぱらった姉に弱い部分を責められて白状した弟の様な状態である。
 微妙に敬語じみた言葉が混ざってる辺り、心情が伺えよう。
 隠し事はどうにも苦手で、かつ唯一まともな知り合いである。
 酔っぱらった彼女だが、肩を貸す程の泥酔はしていない。

 つまり、自分の稚拙な嘘で誤魔化し切れないので素直に吐いた)

「しかし、それはそれとして王都にも酒位飲める場所はあんだろうに。
 どうしてこんなとこに?」

(で、当初疑問に思った事を彼女に問いかけてみた)