2024/02/23 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にフォグさんが現れました。
■フォグ > ダイラスに存在する地上の楽園――
至福の島 なんて名で知られている大金持ちたちが刹那的快楽に浸る複合娯楽施設。
華美な装飾や無数の光源で眩く彩られたこの場は、縁がなければその場にいるだけで緊張する。
あちこちでは露出の激しい衣装で客人をもてなす女性コンパニオンや微動だにせず会場を睨んでいる用心棒らしき男。
異様な雰囲気で満たされた施設の、飲食区画で酒を静かに味わう男が一人。
「あまり慣れない賑わいだねえ」
グラスに注いだ氷入りのウイスキーを揺らしながら、生ハムや炙り肉、燻製の数々を前に周辺一帯を眺めている。
今回は優待券の使用期限が迫っていたので、顔見知りと出会うか淡い期待も込めて退屈しのぎに訪れた。
裏の仲介業を生業としていることから、ある程度ここの経営者や勤務者とは顔見知りである。
男が勧誘、時には脅迫してこの施設に送り込んだ子女は大勢いる。
よほど恐ろしい調教や脅迫でもされているのか、己にハメられたと知った女もいざここで再会してみれば営業スマイルは完璧である。
ここのオーナーの不興を買えば、ちょっと腕が立つ程度では決して逃れられない地獄が待っているのは、
表だって話題にはされないものの誰もが肌で感じている闇の深い現実だ。