2023/12/26 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にラッツィオさんが現れました。
ラッツィオ > ハイブラゼールの巨大カジノの一角にあるバーコーナーで、2人の男が向かい合っていた。
片方はいわゆる "黒服" などと呼ばれる、黒いスーツ姿の男。
おそらくカジノの関係者なのだろう。
その黒服の前へ、男は4つ折りになった紙を差し出した。

「マグメールの貧民地区、誰も寄り付かないような安宿の部屋に泊まってた。
 ひっ捕らえてここまで連れてきてもよかったんだけどよ、
 処理は他人の手を借りずに、自分たちでやりたいんだろ?
 宿屋の主人に金を渡して、部屋から出れないように細工をしてもらってる。
 だから逃げられる心配はねェだろうが、飲まず食わずで餓死しないように早く捕まえに行くことをオススメするぜェ」

黒服は受け取った紙を開いて中を確認し、何も言わずに足元に置いていた革鞄をカウンターに乗せた。
スツールから立ち上がると、「よくやった」と一言だけを残して足早に立ち去っていく。
いくらでも捏造のできる報告だが、こういった仕事は信頼第一だ。

「しっかし売上金を持って逃走なんざ、分の悪ィ賭けをしたもんだ。――さて」

事前の交渉通りなら、それなりの報酬が鞄には入っているはずだ。
カジノで少し遊ぶぐらいどうということはないし、酒や女に使ってもいい。
グラスのなかの強い酒を傾けながら、賑やかなカジノを行き交う客や従業員を眺めた。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からラッツィオさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にイグナスさんが現れました。
イグナス > もう夜で冬で、外ともなればひどく、さむい。
ひゅう、と凍える風が吹き抜けて、ぶる、っと身体を震わせた。
カジノの前、たくさん行き来する楽し気な人々を尻目に大きな大きな大男が、ベンチに座ってうつろな目をしていた。

「ぐう。………かけごとなんて嫌いだ。」

ぼそりと呻いた。いや、賭け事もお酒もなんだって大好きなんだが。
ギャンブルは、酷く弱い。たいへん弱い。LUCK値は高いはずなのに。
賭け事だけはたいそう弱くて、熱くなって、今日もすってんてんなワケである。

「ぐう。」

もっかい呻いた。
宿代も飯代も使ってしまった。いやはてどうしたものか――。