2023/11/20 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」に夏虎さんが現れました。
■夏虎 > 一攫千金を夢見て、得る者、敗れる者。賭けのスリルを楽しむ者に、賭場の雰囲気やそこで働くバニー目当ての者まで、十人十色の客たちが各々の熱意で賑やかさに拍車をかけるカジノ――
溢れんばかりの、場合によっては溢れている、乳房や臀部に秘部まで見せびらかすバニーの一人からグラスを受け取ってから、
バーカウンターに片肘かけながら酒を一口煽ると酒気を帯びた吐息を憂鬱そうに零している桃髪は傍から見ると夢破れた方か。
「皆よくやるよ」
湾岸都市へ訪れる度に同胞達はこぞって目を輝かせて賭け事に興じるものだが己はどうにも性に合わない。
付き添いでやってきては多少遊んであとは彼等が素寒貧になるか諦めるかするまで時間を潰すのが常になっている。
「……ん~……ふふっ。まったく、そろそろ諦めりゃ良いのに」
丁度、同胞の一人が、随分と白熱した声を上げながら当たりを望むルーレットのほうに目を向けて……
ありゃ外れるな。
と、ぼそり零していたら案の定外れて知人も知人じゃない人も崩れ落ちているのに軽く笑気を溢した。
「しかしまぁ……今日は皆一段と……ぁー」
今日大勝ちすると別嬪バニーお持ち帰りし放題?
と、近くで飲んでいる人から話を聞いてみれば、白熱具合も成る程と頷いて。
■夏虎 > お持ち帰りし放題……お好きにし放題……と、なると、そこかしこでお楽しみを提供している彼女たちに目は向く、悪くないなと興も向く。そんじゃちょっポーカーでもやってみるか! とは、ならなかったが。本日その栄光にあやかれるであろう極々数少ない内の一人に選ばれる自信はないし手持ちのチップも少ない。そう、貧乏である。
「面で勝負ってんなら負けるこたないけどね?
金と運の勝負は……ふふふ。はぁ……」
湿気たこと言わず物は試しに一興どう?
何て誘うお隣さんに首は横に、No!
「お仕事大変ね」
お前実は客じゃねぇだろ。
的な台詞を零すとお隣さんの笑顔が引き攣ったのを見遣って肩を竦める。
グラスの酒を飲み干すとバーカウンターの向こうへとお返しし、肘を退ける。
「さて……」
皆、今日は自分の事忘れてそうだしこっそり帰ってもバレやしないだろう。
そういう目算の下、くるりと踵を返せばあくびを零しながら出口へ向かってすたすた歩いて行った。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」から夏虎さんが去りました。