2023/10/22 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にレイン・レジネスさんが現れました。
レイン・レジネス > 巨大歓楽街の一角、ダンスステージの併設された酒場。
ここで言うダンスステージとは──いかがわしい服装の見目良い女達が、ダンスと称して淫蕩な行為を見せびらかすものである。
当然ながら観客は、好色な男ばかり。……が、その中に一人、踊る女達にもひけを取らぬ容姿の女がいた。
長身、痩躯、無気力な表情だが整った顔立ち。既に幾つか酒杯を重ねているようで、おそらく酔いも回り始めている。
こういう店を好んで訪れるからには、きっと性的な物事への抵抗感も薄い──いや、むしろ好物であろう。
が、周囲の男達が、その女に声を掛ける様子も無いのは、

「あぁ、ありがとう。……持ってきてもらった矢先に済まないけど、同じお酒をグラスもう一つで」

給仕の少女が持ってきたグラスを受け取ったのが、女の手ではなく、袖口から伸びている触手であったからだろう。
触手、である。
明らかに魔物の身体としか思えないものが、ズボンやシャツの裾から幾本も伸びている。それがグラスを受け取ったり、フォークやナイフを器用に扱って食べ物を口に運んだりしているのだ。
尚、本人の手は動いていない。だらーり、テーブルの上に力を抜いて投げ出されている。

「マースター。あの右端で踊ってる子っておいくらー? ……売り物じゃない? ……そっかぁー」

声の調子も幾分か、酔っ払いに特有の、どこかふわふわとしたもの。

レイン・レジネス > 「……じゃあ、いいや。個人的に口説いてこよう……」

〝商談〟では話が進まないと知った女の選択は、ある意味で正攻法なものであった。
ダンサーがステージから降りるのを待って近づいて行く。この時は、触手ではなく自分の手足で。
やがて始まった問答の末に、一夜の慰めを得られるかどうかは──はて、さて。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からレイン・レジネスさんが去りました。