2023/10/09 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 宿」にグライドさんが現れました。
■グライド > (闘技場での騒動から一夜明ける
傭兵として、虚仮にされた儘で終わる訳には行かぬと
依頼人を散々に追及しては、所定以上の報酬を支払わせたのは上々だ
其処から酒場に乗り込み、さんざに飯と酒をかっ喰らって
宿の、自らの部屋へと戻ったのは、果たして何時頃であったか。)
「――――――……あァ…?」
(ふと、目覚めれば寝台の上。
僅か、腰元にシーツだけが掛かった裸身で、目を覚ます
起き抜けの、少々ぼうっとした頭で、一先ず目に付いた酒瓶を手に取れば
朝、水を飲む様な調子で、酒精を咽頭に流し込んだ
基本的に、どれだけ飲んでも、余り酔わぬと言う体質のせいもある、が
酒場に突撃して、宿に戻って。 ……果て、何か忘れて居る様な。
誰かとさんざ喋って居た様な、ずっとついて来て居た様な
そんな記憶が、寝起きでは少々、あやふやに)。
■グライド > 「……あー…、……何時の話だよ。」
(違う。 それは、今の話では無い。
何時かの、過去の話だ。 もう、随分と以前の。
懐かしい物を思い出したものだと、そう思いながら
また、寝台に横たわるのだ――)。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 宿」からグライドさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にシェティさんが現れました。
■シェティ > 夜の帳が落ちても尚眠る事を知らず、煌々と燈る照明と人々の活気に包まれた街並みを、侍女風貌の女が一人歩いて行く。
視界に映る建物の看板はカジノに酒場、劇場、娼館――何れも人間が遊興に耽り己の欲望を満たす為のもの。
似たような街並みは大なり小なり魔族領の中でも見て来た女であったが、
それらと比較しても規格外と呼ぶに相応しい不夜城の街並みにはさしもの女も舌を巻かざるを得なかった。
「――――……人間の欲望と云うものは……案外私共よりも深いものなのやも知れません、ね………。」
胸の内に沸き上がったそんな感想を、誰に聞かせるでもない小さな声で呟いて。
さて何処から見て廻るべきか――軒を連ねる遊興施設の数々を順番に一瞥しては、思案するような面持ちの侭歩んで行く。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にレイン・レジネスさんが現れました。
■レイン・レジネス > 今宵の宿を何処に定めようか。目移りしながら夜の街を歩いていた。
寝床には一夜の恋人が欲しい、ならば娼館が良かろうか──と、看板から看板へ視線を飛ばす、その過程。
「……おや、ほほう」
何やら自分と同じように視線をうつろわせる、だが自分と目的が異なりそうな影を目に留めた。
欲望を満たすために歩き回る者らしからぬ表情、姿。……容姿も、目を引く。
我欲の街に慣れた女は、瞬時にこう考えた。
世間知らずのご令嬢の扮装か、それともたまにいる奇人の類いか──いずれにせよ。
粉を掛けてみるのは、娼館に足を運ぶより愉しいやもしれないと。
「……もし、お嬢さん。あまり方々を見ていると、君が見られる側になるよ。……主に足下などを」
近づいて行き、呼びかけた。歩く姿も声音も覇気は無いが。
■シェティ > 蒼銀の瞳が向ける視線は移ろいながら、行き交う人の波に逆らう事無く緩やかに歩みを進め。
されど不意に、己が近くへと歩み寄って来る人の気配と、掛けられた声にその足を止める。
「………はい………。」
此処へ来てから声を掛けられたのはこれが初めてでは無い。
下心を隠そうともしない笑みを浮かべた者に、女の服装を変わった趣向の娼婦を勘違いし買おうとした者。
今回も同様であればまた適当にあしらうだけと考えながら振り返るのだが、掛けられた言葉はそれらとは違っていた。
「――――?其れは……ご忠告、痛み入ります。………貴女様は?」
その先に見据えた声の主と思しき人物――長身の、しかし何処か覇気に掛けた相手の姿を蒼銀の瞳が見つめ。
少し遅れてから、優雅な所作で小さく一礼すると共にその忠告の言の葉に対する謝辞を投げ掛ける。
されど、相手の真意が掴み切れぬ侭、侍女風貌の女は怪訝そうな視線を向けながら、抑揚の薄い声で尋ねかけた。
■レイン・レジネス > 「あぁ……私はねぇ、通りすがりの……なんだろう……暇人……?
少なくとも時間とお金は、うん……余裕があるほうだ。だから時間を使おうかなー、と」
颯爽と──とは言えない、ヒールの高い靴だというのに〝ペタペタ〟という足音が似合いそうな歩様。
長身の女は、貴女の傍らにまでやってくると、さも当然のように隣に並ぶよう立った。
それから少しだけ膝を曲げ、背中を曲げて、頭の位置を低くする。
ちょうど真っ正面から──加えて些か近すぎる距離から、貴女の顔を覗き込むように。
「なにかお探し? ……そういう顔に見えた。ちょうど私は、この街には詳しいんだ。
知ってる限りは教えてあげるよ。お酒を飲む場でも遊び場でも、宿でもなんでも……。
……そこに君を伴っていけるなら、尚更張り切る、うん」
■シェティ > 「………?つまり、退屈凌ぎの遊興を求めて来られた方で御座いましょうか?」
何やら要領を得ない相手の回答には小首を傾げながらも、この街に足を運んだ者の目的は他に考えられず。
二人並び立てば余計に目立つ身長の差を縮める様に相手が頭を下げて来るのであれば、蒼銀と色鮮やかな碧が互いに合って。
「――――……探し物、という程のものでは御座いませんが。
……そうですね、ではこの辺りで貴女様にとってお薦めの酒場か、遊び場などは御座いますか?」
投げ掛けられた彼女の提案には、暫し考え込む素振りを見せながらも、やがて言葉を選ぶ様にそう尋ねかける。
少なくとも、先程声を掛けてきた男達よりもまともな答えが得られそうだと判断したのは相手が年頃の同性という理由が大きいか。
■レイン・レジネス > 表情の薄い女の顔が、にぃっ、と笑みを見せた。生来の整った顔立ちを存分に活かす形で。
それから片手を、掌を上に向けて差し出し──
「……ではレディ、どうぞお手を。そのご要望には一手でお答えしようかなぁ。
素敵な遊び場で、ついでにお酒も飲めるようなところ。……私のお気に入り。
ついておいで。なんなら、中も確かめて……遊んで行くといいよ」
と誘いを掛け、貴女が応じるならば案内人の役割を務めるだろう。
……とは言え。薄い表情に隠して、邪な企てを秘めた女のことである。
「……そういえば、名乗るのは忘れてたかも。
レイン、レイン・レジネス。……君みたいにかわいい子を見ると、つい声をかけちゃう。
……君は? ……こういうところで遊ぶの、抵抗は無いほう?」
その案内する先は、大きな通りから路地の方へ外れた、一層いかがわしい雰囲気の方角。
男女、或いは男同士、女同士、さまざまな組み合わせの二人組が身を寄せ合い、睦言を交わしながら歩く通りである。
目的の建物は、外観こそは簡素だが──或いは人外の知覚能力ならば。
人と人とが身体を重ね愛の言葉を囁き合う、その気配も感じ取れてしまうのだろうか。
つまりは連れ込み宿の類い。……その内装や設備が、富裕層向けに、相当に充実しているという特色はあるが。
■シェティ > 差し出された掌に、僅かばかりの逡巡。
エスコートされる側の立場に立つのは不慣れで落ち着かないが、無碍にするのも不躾であろうと緩やかな所作でその手を取って――。
「レディ、などと呼び敬われる様な身分では御座いませんが、お言葉に甘えて。
名乗りが遅れました、レイン様。私の事はどうぞシェティ――とお呼びくださいませ。」
その手を取った侭、もう片方の手でスカートの裾を摘まんで深く頭を垂れながら、相手の名乗りに応える様に名乗りを告げる。
薄い表情の裏に秘められた邪な企てには終ぞ気付かずか、或いは気付きながらもいざとなれば如何にか出来るという油断か――。
その胸の内は定かでは無いが、案内に従い連れ立って進むのは人の波も疎らとなった外れの路地。
「――――……正直、抵抗が無いと言えば嘘になりますが………。
本日の目的はあくまで下見故、用が済みましたらすぐに暇をいただくつもりで御座います。」
知覚能力は常人と大差ない侍女風貌と女がその気配を感じ取る事までは叶わなかったが、
それでも周囲を歩く人々の様子や簡素な外観の裏に垣間見える様相から、其処が何であるかを理解出来ぬほど鈍くも無い。
相手の質問に答えると同時に、今宵はそうした遊興に興じる意思は無い旨を予め伝えてから、
長身の女に連れ立つように案内された施設――貴賓層向けの連れ込み宿と思しきその場所へと足を踏み入れた。
■レイン・レジネス > 果たして訪れたる先は、その推察の通りの施設──ではあるが、華やかな場所であった。
王侯貴族をも迎えられる絢爛たる作りの玄関口から、広い革張りのソファが並ぶホールへ。
ホールの左右に備わる階段からは、上階のテラス席。或いは地下の客室へ向かうことが出来る。
天井からつり下がるシャンデリア。蝋燭の火ではなく、なんらかの魔術的光源が用いられている。
従業員、客、いずれも中々の人数が見受けられる。服装の豪勢な事は言わずもがな、成る程立ち居振る舞いも富裕層のそれ。
その中にあって女はと言えば、場慣れした様子で貴女を先導しながら──
「へぇ、下見。……とすると、その格好……どなたか、偉いひとを案内するつもりかな……?
だとしたら、どうせなら客室まで見ておいた方が……と、その前に」
ぱちん、と指を鳴らす。忠実なる従業員が迅速に駆けつけると、その耳に何事か告げた。
すぐにも従業員はその場を離れ──さほど時間も掛からず、銀のトレイにグラスを二つ乗せて戻って来る。
女は片方のグラスを手に、もう片方は貴女へと差し出して、
「味も下見しておくといい。……弱くて甘いお酒だよ」
果実の香りが漂う桃色の酒──その中に当然のように、媚薬の類いを仕込ませてはいるのだが。
飲めばたちどころに身体が熱を帯び、心も情欲に駆り立てられる、平凡だがそれ故に強力な──
そういう薬を、〝どちらのグラスにも〟仕込むように。忠実に従業員は働いた。
■シェティ > この国に住まう者の身分や経済的な事情について侍女風貌の女は明るく無かったが、
それでも訪れたその場所が上流階級の者が足を運んでも遜色無い程に豪奢な造りをしているであろう事は一目で見て取れた。
その中を場慣れした様子で進んで行く長身の女の様を、内心僅かばかりの驚きを覚えた風に蒼銀の瞳が見つめ。
「案内―――の予定迄は今の所ありませんが、その様な所で御座います。
………有難う御座います。では、失礼して。」
長身の女の言付けを受け、その場を去ったかと思えば銀盆を手に戻って来た従業員の姿。
確かに、下見であれば其処で提供される品についても調べておくのが道理と、
長身の女に対する感謝と、銀盆を手にした従業員に対する目礼を投げ掛けてから差し出されたグラスを手に取る。
近付ければふわりと鼻腔を擽るのは甘い果実と仄かな酒気の香り。
されど彼女の言う通り酒精は然程強く無さそうだと判断すると、口へと運んだ其れをこくり――と白い喉が嚥下してゆく。
「――――……ッ………此れ、は………。」
その異変には、すぐに気付く事が出来た。
相手が手に取ったグラスの中身と差異は感じられず、自分のグラスに何かを盛られた様子は無いと踏んだのだったが――、
よもや『両方の』グラスに仕込まれていたとは侍女風貌の女にとって完全に予想の範囲外。
見る見るうちに熱を帯び、荒くなってゆく呼吸を抑え込みながら――企ての張本人であろう長身の女へと、蒼銀の瞳が向けられる。
■レイン・レジネス > 果実と砂糖の、菓子にも似た甘さ──に隠されたほんの僅かな薬物の味まで、気付ける者はそう多くも無いのだ。
そしてひとたび喉に通してしまえば、仕込まれていた媚薬はいとも容易く吸収され、血流に乗る。
体温が上がり始め、それを自覚する頃には、既に肉の疼きすらも覚えることだろう。
時間が過ぎれば、衣擦れさえ愛撫のように感じられる程の──
「……ね、君。騙し討ちみたいにしたのは悪いかな……って思ったけどさ。
でも、全くの嘘でもない。お酒は飲めるし……遊びだって、この世で一番愉しい遊びができるんだから……」
蒼銀の瞳を受け止めて、すうっと細められる碧の双眸。愛しむように伸びる手指が、貴女の頬を掠めるだろう。
その些細な刺激さえ或いは、背筋を震わせる程の心地よさへと変わる媚毒に──女自身も冒されて居る筈なのだが。
「……安心していいよ。君を傷つけたりはしない──傷つくのが好きな子なら、別だけど……。
気持ちよくしてあげるから……身を委ねて、楽しんでくれたら嬉しいな……」
刻一刻と熱くなる貴女の身体──その背に、肩に、脚に、触れるものがあった。
誰かに触れられたか? いいや、この女の他に誰も、貴女の傍にはいない。
とは言え、視線を向ければすぐにも正体は知れよう。……それは、女の衣服の隙間から這いだした触手であった。
袖口や裾から這いだした触手は、身に纏うぬらつく粘液を貴女の肌へ擦り付けながら、
両手首は纏めて掲げるようにして、
両脚は膝を持ち上げ左右に開くようにして、
人体から生えた部品とは思えぬほどの力強さで、容易に貴女の足を、床から浮かせてしまうことだろう。
粘液に塗れた軟体が肌を這う悍ましい感触も、媚毒に狂わされた身体にはきっと、望まぬ快楽を呼び起こすのやも──。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からレイン・レジネスさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からシェティさんが去りました。