2023/07/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” ストリップ・バー」にエレン・ローズマリーさんが現れました。
エレン・ローズマリー >  
 湿気も失せた快晴のハイブラゼール
 肌に感じるじっとりとした感覚は失せ、夜は土の匂いはむせ返るようでも海風が良く消してくれる。
 夏場の夜 春や冬よりも活気に満ち溢れ、行き交う人口の多さはイコール、金の多さを示すようだ。
 利権を求め、店を、分け前を掠めようと奪い合う半グレや組織めいた者ら
 夏場で海を渡る商人らを襲い、懐を温めた海賊
 冒険者らから酒と女と食料で金を吸っていく商人

 夏のハイブラは金と混乱の坩堝


   「笑いが止まらないわね。」


 両手をポンと合わせ、目の前で女童のような体格では見合わない笑みを浮かべる翼持ち
 黒くたくましい張りと爪を持つ翼をはやしたエレンは、白基調の姿でそう呟いた。
 目の前にはいくつもの金が革袋に入って詰みあがる。
 ストリップ・バーのアケローン経由の録画機能を用いたbgmが鳴るやかましい店内
 細い水着 あられもない肌 エルフや貴族の娘が豊満な体 無毛地帯を示す最後の部位だけ見えない身なり
 屈辱や泣きながら踊る敗北者の舞台というストリップバーの店内で、実に気持ちよさげ。
 目の前の“氷”を浮かべた杯の中 マナー違反な甘い甘い白桃ワインを傾けていく。


  「莫大な借金持ち 店の女と逃げる いくつもの負いがあると魔術師もこんなにも金になる。」


 そう言って氷の詰め込まれたバケツケースをつつく。
 そう、夏の今の時期 何が一番儲かるか
 それは“氷”だろう。
 冷たさは贅沢で、室温操作から保存 冷水まで金を惜しむ者はいない。

 蛆の集るビスケットを食べる船乗りがいるというのに
 皮のはじけたトマトのありがたみがこれの前では無価値になる。
 氷属性の魔術師というものは、今やどこでも引っ張りダコ
 高給 引き抜き 奪い騙し 相手より強ければ言いなりだって夢じゃない。


   「赤ちゃんがいる王族貴族だってそう
    室温管理欲しさに元は水の氷一山 氷室持ち以外が高額で買っていく。」


 まぁ大抵は、夏季限定の雇われもいそうなものながら
 今の時期 氷を操れるものは金も女も、酒も困らないのだ。


   「冷たくておいしい。」


 井戸水で冷やした程度では得られない、雪のような冷たさだ。
 ほかの客らと共に、エレンは氷入りの杯で楽し気である。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” ストリップ・バー」からエレン・ローズマリーさんが去りました。