2025/03/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にノア = セシルさんが現れました。
■ノア = セシル > 「 ︎︎───── ── … ︎︎」
女が目を覚ました時、薄らと視界に捉えたのは見知らぬ天井だった。
自分の身に何が起きたのか、気を失う前の記憶も霧がかかったようにぼやけ何一つ思い出せない。
朦朧とした意識のまま、上体を起こし周囲を見渡すと…
どうやら牢のような鉄柵、その内側に女は放り込まれているらしい。
冷たい石床の上に横たわっていたせいか、酷く身体が痛む。
「 ︎︎何、これ…… ︎︎」
自身の肢体を見下ろすと、極端に面積の少ないビキニのような 頼りない白布でもって最低限のみ隠されいて。
こんな格好をした覚えはなく、つまりは気を失っている間に着せられたのだと気付けば
「 ︎︎何よ、ここ っ……… ︎︎」
ぞくりと背筋が凍えるような感覚に、朦朧としていた女も ようやく意識をハッキリと覚醒させ。
薄暗い部屋の中ガチャガチャと牢の戸を揺らすも、施錠されているのかビクともせず。
何か使える物はないか、どこか抜けられるような隙間はないか、出口もわからぬ場所からの脱出を試み始める。
女が囚われている ここは、港湾都市ダイラスの地下 ── “アケローン闘技場” の真下に位置する場所。
控室とは名ばかり、見世物を捕らえておく為の牢獄だった。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 牢の外側から、誰かが踵を鳴らして床板を叩く足音を立てていた。
目が覚めた女の牢の目の前で足を止め、フードの奥に顔を隠している。
どこか嘆息めいた吐息が響く。
男の手に持った鍵で牢の扉が開けられると、彼女を掴んで連れて行こうとする。
勿論、彼女は抵抗するだろうが――。
(大人しくしておけ)
彼女以外に聞こえない声で男が囁くと、ぐいと力強く彼女の身体を掴んだ。
(一つ、貸しにしておいてやる)
男が笑ったように口元を歪めて、彼女を牢の外へ連れていく。
■ノア = セシル > こちらに近付く足音に、女に緊張が走る。
無意識に身体は、扉から離れ 牢の隅に後退るけれど… 無情にもその足音は、女の牢の前で止まって。
「 ︎︎嫌、っ…… 離して ─── ─ ︎︎」
抗える力も武器もないまま、掴まれた手を思いっきり振り払おうと抵抗を見せるも… フードの奥から聞こえたのは、よく知る男の声で
「 ︎︎……………… ! ︎︎」
聞き覚えのある低音に、女は声を途切れさせ
それでもここが何処で、これから何処へ連れていかれるのか… 未だ何もわかっていない女の不安が、拭いきれた訳もなく。
手首を掴まれ引っ張られながら、頼りない足取りで地下牢を後にした ──
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からノア = セシルさんが去りました。