2023/09/23 のログ
バンスデット > その後生贄が運ばれてくる。目隠しの布を取り去るオークの巨漢。
赤褐色の巨体が人ではありえない咆哮を上げて目の前の生贄へ飛び掛かっていくのだった。
この夜、また1つダイラスにアケローン闘技場からの税が収められる事になるのだった。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場地下闘技場」からバンスデットさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン見世物闘技場」にバンスデットさんが現れました。
バンスデット > 闘技場でも純粋な討議を見世物とした、未だ健全な場所とは異なった闘技場。
地下にあるそこは、オークが対戦者をどう蹂躙するのか。蹂躙される女を楽しみにする客や、或いは高額な報酬で邪魔な密偵。傭兵。騎士といった力ある者を人知れず世の中から退場させる為の闘技場。
石床は固く、叩き付けられれば骨も砕けようと言う頑丈な物。
天上には現在のオッズとは別に様々な角度から対戦者を見る事が出来る様な魔導映像機器が並んでいた。

此処に送られてくるのは。
腕利きならば稼ぎ過ぎた者。知り過ぎた者。
或いは身内を人質に取られ、このオークに勝てば開放を約束されたものなど。
実際の対戦者が誰になるかは神。この闘技場の運営側の判断か、貴族の用命により決められていた。

「………。」

オークは眠りこけていた。相手が来るまで自分に与えられた命令が無いのだから何かをする理由がない。
だがその寝ている間でさえ馬の様な生殖器は勃起を続け、下品な貴族からはそれはそれで面白い見世物だという評判を得ていた。

バンスデット > 何かが近付いてくる足音が聞こえて来た。
足元の石床はその振動で自分の鼓膜を揺らすが、それでは起きない。
ただ目を覚ましたのは飼い主の命令。
ゆっくりと起き上がった。寝ているオークなど何も価値は無いのだから。

手にしたのは攻城兵器と呼ばれる破城槌。大の男が数人で押し込む様な造りのそれを、オークは軽々とした手付きで。
意外にも器用にジャグリングして見せていく。
その様な動きを想定されていない破城槌は当然、接続部分が破壊され、軋み、木材は割れ、部品の一つ一つが雨の様に空から降り注ぐ。

石床はそれらを浴びても壊れる事無く、オークは表皮だけが浅く傷つく程度。
次の相手へのハンデの意味も込めてなのか、オークには体の損傷が僅かにだが与えられたのだった。
豚の鼻からは退屈そうに溜息が長い時間をかけて漏れ出ていく。
何やら観戦席の人間が話をしているが理解はできない。

バンスデット > やがてその宴は幕を閉じた――
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン見世物闘技場」からバンスデットさんが去りました。