2025/04/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にラッツィオさんが現れました。
ラッツィオ >   
「よお、今夜も繁盛してんな。俺にはいつものやつをくれよ」

船着き場の近く、行きつけの酒場に入っていった男は、カウンターに座るなり顔馴染みの店主に声をかけた。
半分は皮肉、半分は事実である。
店は確かに、寄港中の船員たちで賑わっていた。
だが船員以外の客は、男を含めて数えるほどしかいない。
つまり船が出ていってしまえば、閑古鳥が鳴くのも当然であり。

皮肉が通じたのか、店主は嫌そうな顔で笑いながら、栓を開けたビンを寄越してきたのだった。
受け取った男は半分ほどを一気に喉へ流し込んで一息ついてから、むさ苦しい店内を見回した。

ラッツィオ >   
「――さァて、ごちそうさん」

カラになった酒瓶と、そのお代をカウンターに残し、男は店を後にする。
まだ涼しい春先の夜風で体を冷ましながら、寝蔵である倉庫街に向かうのだった。

ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からラッツィオさんが去りました。