2025/03/25 のログ
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ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にドルエンムさんが現れました。
ドルエンム > 表に出せない取引と言う物は往々にしてある。
船着き場近くの倉庫――のそのさらに地下。脱出経路などもふんだんに用意された無法者の為にあるような地下室で、男は木の箱に腰を掛けていた。
取引相手が現れるかどうかは定かではない。が、指定されたものは確かに自分たちの領地でしか、もしくはもっと遠方で輸送コストもかかりそうな場所でのみ取引される代物。

取引の申し出が本物の可能性は低く見積もって4割。
――偽物の可能性がある、その懸念が払しょくできない以上は6割の罠を警戒しなくてはいけない。

「――後どれくらいだ。」

呟くと自分の護衛から返される答え。
生半可な相手なら十分対処できる護衛だが、罠かつ腕利きがくれば最悪の囮とする手筈は踏んでいる。
囮として切り捨てられる程度の関係性くらいで護衛と雇用主のバランスはとれている。
特にこういった悪党の類にとっては。

ドルエンム > 麻薬の原料の一種であり、媚薬の調合の際に素材としても有効なもの。
単体であればただの観葉植物の球根だが、乾燥して水に溶かしほかの植物の粉と混ぜると幻覚を引き起こしたり、被催眠状態に陥るもの。
幾分か花の香がするので淫魔の口付とも呼ばれるもの。
球根から育て花が咲いてもその後は続かない。
球根の数を増やすには特殊な土壌で特殊な栄養を与えて花を咲かせることで新たな球根を幾つか付ける。

高級な商品であると同時に厳格な連中からはかなり煙たい目で見られる植物だった。
ローブに掘られた透かし彫りの紫色の花はその花を表していた。

「煙草――いや、茶でいい。」

煙草を咥えるか悩んだが商品に匂いがついて変な言いがかりをつけられても困る。
茶の僅かな香気ならそこまで商品価値に難癖も付けられなかろう。
相手が来なければ速やかに引き払う方が良い。そもそも取引相手が誰なのかわからない。
地上がどうなっているかもわからない。――今頃包囲されていても、まぁまぁおかしくはないくらいに時間は経過している。