2024/08/18 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にソアエルさんが現れました。
■ソアエル > 夏の日も傾いてもうすぐ夕方になろうという時刻。
海辺の街路を女は一人で歩いていた。
周囲に人の気配はあまりない。
人目がないからと言って光輪や翼を見せびらかしているわけではなく人の姿をしている。
人を救済したいという望みはあるものの女はこの国の現実に打ちのめされていた。
淫らな欲望を隠そうともしない者たちが多く巣食っている国。
神が見捨て給うたのも無理はない。
どこかに救世主が現れでもしない限りは変わっていくこともないのだろう。
「……わたくしはどうすれば良いのでしょう…」
潮風で乱された長い金髪をそっと白い左手で押さえて女は海の方向へと振り向いた。
白い波が高く作られた岸壁へと打ち寄せてくるのを見下ろして女は小さくため息をつく。
■ソアエル > ドレスの裾を右手で押さえてそっとしゃがんでみる。
石畳に蓄積された夏の熱気と潮の匂いを強く感じた。
かすかに不快そうに眉根を寄せると左手の指先で額の汗を拭う。
今日はこれからどうしようか。
ハイブラゼールの方に行くとまた見たくないものを見てしまうだろう。
やはり静かな宿屋でも探そうか。
そんな事を考えつつ波が打ち寄せる音を聴いている。
「どこに行けば救い主が見つかるのでしょうか…」
呟いても答える者がいるはずもなかった。
■ソアエル > 一人でしゃがみこんでいるうちに日が落ちてきて夕方になった。
再び立ち上がって歩き始める。
かつこつっと石畳をヒールが打つ音がかすかに響く。
そろそろ今日の宿でも探しに行こうか。
ハイブラゼールではない方に足を向けよう。
白いドレスに染みた汗が肌に貼り付いて少し不快だ。
宿についたら早く水を浴びたい。
少しべとついてきたドレスの胸元を指でつまんだ。
「静かな宿屋はどこにありましたか…」
呟きつつだんだんと人の多い通りへと戻っていく。
■ソアエル > ──そして女は今夜の宿を見つけ、中へと消えていった。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からソアエルさんが去りました。