2024/08/17 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にメアリさんが現れました。
■メアリ > 倉庫街の近くで軽い用事を済ませ、まだ日が高い時間だというのにやることも無くなってしまい
どうしようかと適当にそのあたりを散策しながら考えている。
散策といっても女が通る場所は一般的に道と言える場所ではなく、塀の上や倉庫の屋根の上など
足元が危うい様なところまで気の向くままに軽々しい足取りと身のこなしで進む。
「……ん?あれは」
ふと、視界の端に映った金髪に足を止め、ひょいと屋根の上から地面へと飛び降りると
そこから、うとうとと船をこいでいる男の傍まで歩みを進める。
目の前で足を止めるとしゃがみ込み、膝を抱えながら顔を覗き込んだ。
その男が知人だと気が付けば、ぱぁと表情を明るくするも、随分気持ち良さそうに眠っている
ものだから、ここで起こしてしまうのは忍びないような気もして。
さてさてどうするか…と考えながら、しゃがみ込んだまま静かに男を見上げている。
時間が経てば起きるだろうかと思うも、気が付かないようであれば膝でもつついてみようかと。
■エレイ > 「……、……ン、むにゃ……」
接近する女の存在に気づくこともなく、男は居眠りを続けていた。
覗き込めば、無防備な男の寝顔を眺めることも容易いだろう。
言葉にならない寝言を小さく漏らしたりしつつ、口端からちょろっとよだれを垂らしている様は
無防備を通り越して間抜けかもしれない。
そんな顔を晒し、うつらうつらと船を漕ぎ続けていたが──
「……──ハッ!? ……ん、ンン? ああ、いかんいかん……いつの間にか
居眠りをぶっこいていた不具合が……ってゆーか……」
時間にして1分かそこら経過した後。
すんと軽く鼻を鳴らしてむずがるように眉を寄せてから、弾かれたように顔を上げて男は急に目を覚ました。
数度瞬きし、それから現状を確認するように独り言ちながら頭をかいて。
そしてゆっくりと顔を下の方に向け、いつの間にか自分の前にしゃがみこんでいた女の姿をようやく視界に入れた。
「──あれ。誰かと思えばメアリじゃねぇーか。おうッ、なんか久々じゃのぅ……くわわ……」
目を丸めてまた何度か瞬きし、見知った顔を認めればにへ、と笑って軽く片手を上げ挨拶した。
まだ少し眠気が残っているのか、くぁ、と欠伸を一つ漏らし。
■メアリ > 寝言を零しながら無防備に眠る顔を見れば、あらあら、と小さく穏やかな笑みを浮かべつつ
しばらくの間、声を掛けようか起きるまで待っているか考えていて。
「……あ、起きましたか?おはようございます、エレイさん。」
一分程度ならば女の指が男の膝を擽ることもないだろう。
急に目を覚まして何やらひとり言を零す様子を見上げては、ようやくこちらに気が付いた相手へ
にこやかな笑みと共に挨拶を添える。
「お久しぶりですねぇ。
こんなところで日向ぼっこですか?」
先程まで船をこいでいたこの相手が今ここで警備をしていたなど思わず、女は不思議そうに首を傾げる。
こんな人の多い場所でなく、裏通りに行けば落ち着いた場所もあるというのにと先ほど歩いてきた
道ならざる道を思い出しつつ、日当たりを重視した結果なのだろうかと考えたりもして。
■エレイ > 「ウム、妖精祭以来だっけかな。いや、どちかというと警備の仕事中なのだが……」
欠伸で目元に滲んだ涙を指で軽く拭ってから、カシカシと軽く頭を掻きつつ
彼女とこうして顔を合わせるのは春の祝祭以来だったか、と軽く回想し。
日向ぼっこか、との問には眉下げて笑って首を横に振り、仕事中だと告げて。
「まああ見ての通り居眠りとかかますぐらい平和(ヒマ)だったんだけどな。
そういうメアリはどうしてココに? てか、かなりリニューアルした格好ですな?」
そして、平和すぎて思わず居眠りしてしまって今に至ることも笑って言い添え。
それから彼女にも問いかけてゆく。過日の記憶にある彼女の装備から、だいぶ変化したその姿を
ジロジロと上から下まで無遠慮に眺めつつ。
■メアリ > 「えぇ、妖精祭以来かと。
そう考えるとしばらくお会いしていませんでしたね。」
こくりと頷きながら、ひーふーみー、と最後に顔を合わせた日から大雑把に月を数えた。
「あら、ごめんなさい。お仕事中だったのですね。
……そうねぇ、こんなに平和であれば眠たくもなってしまいますね。」
首を横に振って仕事中と聞けば謝罪の言葉を口にしつつ周囲をざっと見渡して、穏やかなその周辺の
環境や特に小さな騒ぎすらもなさそうな様子に小さく笑みを浮かべながら言葉を返す。
女自身も警備の仕事で似たような経験があるものだから、気持ちはよく分かると。
「私は先ほどまで近くで用事があったのですよね。
それももう終わってしまって、どうしようかとお散歩していたところで
たまたまエレイさんを見かけたものですからこちらに。
……恰好?あぁ、これですか?」
此処にいる経緯を順番に話してから、服装について言及されると立ち上がって見せる。
「エレイさんとお会いしてから少し後くらいでしょうか……
しばらくの間、王都の外で長期間お仕事をしていたのです。
その時に装備のアレコレが結構ボロボロになってしまったので、
王都に戻ってきた際に思い切って装備一式を新調したのですよ。」
無遠慮な視線を気にも留めず、自身の胸元をさすりと撫でながら語る。
変わりないのは腰に提げている女の愛刀くらいだろう。
■エレイ > 「だよなぁ。……なんでかそんな感じがせんのは気のせいかねぇ」
大雑把な数え方に軽く笑いながら、彼女との記憶の一致を確認して頷く。
だが、何故だかそんなに間を開けていた気がしない──そんなふうに感じてしまうことに、腕組みして首を傾げ。
「そういうことです。まああ警備の出番なんて無いに越したこたーないんだがな」
二人が話している間も、周囲では相変わらず荷物を運ぶ人足が倉庫を行き来しており、
また先程到着した客船から降りてきた乗客も、思い思いに倉庫街の通りを歩き、多くは街中の方へと足を向けている。
そこに現状トラブルの気配は一切なく、特有の賑わいはあれど平和と言って良かった。
「──ほう、なるほど通りすがりということか。でもおかげでメアリの顔が見れたので
俺様としては僥倖といったところかな」
経緯の説明を受ければ頷いて、偶然の巡り合わせで彼女と再開できたことは喜ばしいと表情を緩め。
彼女が立ち上がると、改めてその服装をじっくりと眺めてゆき。
「ほうほうなるほど。まああそういうこともあるわな、装備ってのは一部の例外を除けば消耗品だし。
新装備についても詳しく訊かせてほしいところだが──ちょいとココじゃあ人の邪魔になるな。
メアリさえ良ければ、俺の仕事も兼ねてちょいと屯所の方まで来てもらいたいが……大丈夫かな?」
仕事中に装備が損傷した、と聞けば、戦闘がメインの仕事ならそうなってしまうこともあるだろうと頷きつつ。
自分もゆっくりと木箱から立ち上がれば、この場で話し込むのは通行人の妨げになると考え、彼女に笑顔で同行を促す。
■メアリ > 「そうですね、久々という感覚はございますが、月日を考えると
そんなに長い間お顔を見ていなかったようにも思えます。なんだか不思議ですねぇ。」
男の言葉には同意しながら、時間というものは過ぎるのが早いですねとしみじみ呟く。
港の客船から人が降りてきて少し賑やかになればそちらをちらりと見るも、トラブルらしい騒ぎは特にないようで
すぐに港方面から目を離した。
「――私もエレイさんのお顔を久しぶりに見る事が出来て良かったです。
えぇ、勿論。お邪魔にならないようでしたら是非お供させてください。
今日はもう特にやることもございませんし、必要があれば荷物運びでもなんでもお手伝いいたしますよ。」
一部の例外、と聞いて思い当たるものがあり、男の方へちらりと目線を向けつつ
木箱から立ち上がった男の誘いにはすんなりと頷いて嬉し気な笑みを零す。
知っての通り力仕事は大の得意、どんとこいという意気込みで居ながら、共にその場を後にして。
■エレイ > 「ワハハ、屯所っつっても休憩所みたいなモンだからそんなに力仕事とかはないんだがな。じゃ、行こーか。ついて来たまへ」
ちらりと見やった彼女の視線の先、男の上半身には彼女もよく見覚えのある
赤の差し色の入った銀色のジャケットが陽光を照り返している。
誘いに乗ってもらえば嬉々としてそう言いつつ、己の後に注いてくるよう促すと、
ゆっくりと一緒にその場を後にし──。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からエレイさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からメアリさんが去りました。