2024/01/16 のログ
■影時 > 耳に入るのはやれ、あれがお勧め、此れも最近のトレンドですぞ、といった売り文句。
それらを半分は聞き流しつつも、残り半分は意識を向けるのは昨今の市場の動きを捉えたいが故に。
精度を上げるには幾つかの店を巡るのが肝要だろうが、知れば他の動静の情報と組み合わせ、精度を上げられる。
何の精度か? 己が関わる仕事というのは、決して多くない。
戦いでもあり、戦うことで生じる人の空きを埋める売り買いでもあり、贈答品ともする市場の情報だ。
「ありがたーい話をどうも。また聞かせてくれや」
最終的な答え合わせを求めたい場合、最終目的地とする商店の扉を叩けば間違いはあるまい。
如何にも検討してそうとも言える笑顔を取り繕いつつ、会釈を返してテントの軒先を離れよう。
買ってくれることでも望んでいたのだろうか? 幾つもの目が背に向くのを感じつつ、歩き出すと吐息が勝手に漏れる。
「……――やれやれ」
実際、買った場合はどうするのか?置き場は?食料その他は?人出のメリットは多いけれどもデメリットも隣り合う。
奴隷でも買うとしたなら、それこそ今のような宿暮らしを続けている意味がなくなってしまう。
気ままな生活をし続けるには考えものだ。
そんな感慨と共に奴隷市場を進んでゆけば、倉庫街と露店の集まりが見えてくる。商店の類も多い。
ここならば、取り敢えず欲しいものも見つかるだろうか? そう考えながら、歩いてみようか――。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」から影時さんが去りました。