2023/11/18 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にグァイ・シァさんが現れました。
■グァイ・シァ > しんと冷えた夜。
深夜の船着き場は点々と街頭が灯るのみで、たまに過ぎるのは猫か野良犬だ。
もう寄港するような船もないのだろう。水主のひとりも見当たらず閑散とした場所は潮騒と舫われた船のきしむ音が響くばかり。
そんな場所に、町側から足を踏み入れる女が一人。
街灯の灯りの届かないところまでくると足を止め、朱い髪を風に嬲られながら闇に光るような翠の瞳であたりを見回した。
空気が冷えてくると戦は減る。
そうなってくると、あるいはそうでなくても、時折勘の働く方へとあらわれる、女の姿をした魔物。
(…はずれか)
街中の方がヒトは多いもの。
知ってはいるが時折気の惹かれる方向というものがある。
■グァイ・シァ > 冬が深まるにつれ戦はさらに減るだろう。
それまでに、退屈ではあるが飢えることのない『餌場』へもぐりこむか
…あるいはもっと面白いものを探すか
「決め時かもしれないな」
女の唇から漏れた言葉は潮風が攫って行く。
そのあと、踵を返した姿は闇に溶けた。
その姿がまた現れたのは町中か、或いは戦場か
どちらであろうと、混沌を抱えたヒトの世は変わらず過ぎていくことだろう。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からグァイ・シァさんが去りました。