2025/05/04 のログ
ご案内:「セレネルの海」にアードルフさんが現れました。
アードルフ > 星のカーテンが降り、月が照らす浜辺。勝色に似た波が静かに寄せては返す。
人気も無く星や月明かりが無ければ行く先すら見失いそうな浜辺の波打ち際に
エールの大瓶を片手に足を伸ばし座り寛ぐ男の姿が一つ。

「今日の店はここで開店。っと。」

気分が乗らない。だから店を開けずに一人酒瓶の蓋を開き、逆さに煽る。
勢いよく嚥下するも口角から溢れた液体が零れシャツの開いた胸元を濡らす。
日中は活気のあるこの場所も今はうっすらとした街明かりが照らす白髪と酒瓶、そして空を映し出す水面のスクリーンのみが肴として男の慰めに。

「常連にゃ、悪いが……」

明らかに悪びれていない一言が波に溶けて消えた。

アードルフ > 何度目かの煽り。ザッと音を立てて砂に底面が埋まる酒瓶。
アルコール特有の少しばかり熱を帯びた吐息と共に砂浜に身を横たえる。
眼前に広がる星の天井に双眸を細めながら耳を澄ませても
とりあえずこの静寂を邪魔する魔物の類の存在は感じられない。

「いっそ、釣り上げてそれを肴にってのも……」

食べられたものではないだろうけれど、そんな独り言を紡ぎ、
暇に任せて酒瓶を掌でバランスを取ってみたり、額の上にのせてみたりと……
その合間に口に含む分、時間と共に軽くなり、そして男の体温は上がり吐息も熱っぽく。それが心地よい酒飲みの鑑

アードルフ > 「っと……おしまいか」

手遊びをしては酒を飲み、とく返す事数刻。ついにひっくり返しても何も出なくなった瓶
大仰な溜息を一つついて身体を起こせば諸々についた砂を払いつつ
行と違い千鳥足染みた足跡を刻む。それは自らの根城へと……。

ご案内:「セレネルの海」からアードルフさんが去りました。