2024/09/21 のログ
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マリーネ > やれ海中で足を攣るだの、準備運動を怠ったばかりに無様を晒す結果となった者は数知れず。
自身や誰かが救助できればいいが、不運が重なれば溺死も大袈裟な話ではない。

自己防衛をまともに行わない人間たちには学習能力がないなと呆れる事も多かったが、
このように海の危険を理解している者となればやはり放っておく気にもなれない。

そして何より自身が嫌う、女を下心に満ちた目で見つめる男どもでないならば。
そんな、際どくはあるが美しい水着姿で海へと歩みを進め、泳ぎ始めるのをじっと眺め続ける。

「……まあまあやるじゃん。……あっ」

目と目が合う。近くで見つめると、なるほどいい身体つきをしている。
向こうも恐らくは同じような事を考えてるのだろう。その場で無駄な力を使わずふよふよと浮いたまま

「チャオ♪ いいセンスしてるじゃん。波は大人しいけど水温高めでクラゲ多いからこの先は慣れた人でも結構死んでるよ」

軽いノリで挨拶すると、水泳の技量は申し分ないと拍手を送る。
一方で、海のことなら我が家同然に詳しい女の口からはさらっと脅しなんかでは済まない警告が。

「その水着、最近の王都の流行りってやつ?着るのも結構、勇気いるというか?度胸あるねお姉さん」

既に存在しているものの、あまりの過激さから好んで着る者は限られるであろうスリングショット水着。
可愛らしいデザインの水着は人間の子供がどこで買った など教えてくれるが、こんなものを実際に見た事はない。

青麗 > 笑いかけた後、さてもうひと泳ぎしようかと視線を逸らしたところで声をかけられ、再度視線を女に戻す。
そしてこちらも手を振りながら、挨拶を返す。

「你好♪」

祖国たるシェンヤンの挨拶。おそらく大半のマグメール国民に馴染みは無いだろう。
しばらく反応を伺った後、青麗はぷっ、と吹き出し。

「冗談冗談!マグメール語もちゃんとワカルネー。」

今度はわざとらしく訛った言葉遣いで声を掛けながら、女の方に泳ぎよる。
先ほどとは違い、ゆったりとした平泳ぎだ。

「心配ご無用、この水着は着てるだけでクラゲ除けサメ除け魔物除け…。
ま、そういう便利な水着ってこと。」

水着に刻まれた装飾が、一種の呪文となっているのだ。
快適な水泳の為に青麗は金も技術も惜しまない。

「それに、度胸って言ったら貴女のソレも中々じゃない?」

近寄ってみれば、水面下に見える彼女のビキニもかなり面積が狭いことが分かる。
こちらがデザインは大胆ながら、常識的な範囲で肌を覆っているのとは対照的だ。

マリーネ > 「に……はお?」

聞きなれない言葉にやや慌て気味で、ぎこちなく復唱する。
言葉での意思疎通が難しいならどうしよう と人並の感性で困る女だったが、その後に冗談と分かればふふ と鼻で笑う。

「色んな生まれの人がいるけど、言葉通じなかったらどうしよ って冷や冷やしちゃった」

ゆったりと近づくにつれ、青髪の女の姿はより鮮明に。
瑞々しくあたかも浮き輪やビーチボール代わりなのかと疑わしい程たわわに実った乳房が微かに上下し、谷間をこれでもかと言う程強調している。
艶のある肌の表面に浮かぶ水滴が、更に女体の美しさを際立たせることだろう。

「おまじない ってやつ?船に乗る人は、そういうので嵐とか魔物を遠ざけるらしいし」

海の仕事を生業とする者には漁師や航海士など、迷信を信じる者が多い気がする。
中には自分自身の事と思わしき、「海上の美女に悪さをすると引きずり込まれる」なんて話もあるぐらいだ。

ふと、己の水着姿を指摘されれば くい と紐を引っ張って「これ?」と返し。
その驚異的な大きさの乳房を留めておくには心許ない布面積のビキニだが、本人は平気そうに続ける。

「うーん?あたしの普段着みたいなものだし。でも、周りのお姉さん見てたら、確かにあたしは大きい方かもね~。
 よく泳ぐけど、邪魔にもならないしキツいと思った事もないかな」

あんまり意に介さない様子の女は呑気に語る。物理的に邪魔と言わざるを得ない大きさにもかかわらず、
全くそのハンデを感じさせないのは彼女の種族特性ゆえのもの。

その後にぽろっと

「……後はほら??替えの水着いっぱい海を漂ってるし?」

なんとなく彼女がどのようにして水着を調達したのか想像出来るかもしれない。

青麗 > 「おまじない?そんな原始的なものじゃないわ。
四千年の歴史を誇る天教道術がこの水着には組み込まれているのよ?」

王国の魔術と同様、帝国の道術も体系だった確かな魔導技術だ。
四千年は流石にハッタリだと青麗も思うが、そういうことに出来る程度には長い歴史も持っている。
しかし、彼女が最大の貿易港であるダイラスの住民であれば、もう少し国外の事に詳しくもありそうだが、そういう様子もない。
それに、どことなく雰囲気が人間離れしているように青麗には思えた。

「……あー、確かにね…。」

彼女の呟きを聞けば、青麗は遠い目で海原を見る。
今も、遠くに漂う水着らしきものと、必死で股間を抑えながら探している様子の男性観光客の姿が見える。
一体どういう泳ぎ方をしたら脱げるのだろうか?

「私が泳いでる時も、それっぽいの漂ってたものね…。」

勿論、彼女が着ているような女性向けのものも見かけた。
持ち主はさぞかし困っていることだろう。

「しっかし…私も大きい方だと思ってたけど、貴女ははるかに上ね…。」

正に爆乳といった大きさだが、泳ぐのには支障が無いらしい。
遠慮なく投げかけた視線には、揉みたいなぁという気持ちが含まれている。
とはいえ勿論顔には出さないし、心が読めでもしない限り勘付かれることは無いだろうが。

マリーネ > 四千年 そんな途方もない年月を口にされれば想像できずにぽかーんと口が開いたきり。
女は人間の社会や歴史に疎い。とはいえほとんどを海中・海底で過ごしている為魔族の社会にも疎い。

つまるところ……よく理解していなかった。

「あたし程ではなくても、泳ぐことはプロ! な人でも、波にさらわれたり魚とかに襲われたら
 水着なんてただの布。陸に帰れるなら、生きてるだけラッキーと思わなきゃね?」

何人もの水難事故被害者を見届け、実際に助けてきた女はウィンクしながら語る。
自身の言葉に賛同するしかなかった相手の反応を見れば、「高いでしょ。脱げないよーにね」と念押し。

「う~ん……そうだなぁ……」

女は晴れ渡る空を眺め、互いの胸を見比べる。
相手が小さいとは微塵も思わない。現に、男はおろか女でさえも圧倒されるぐらいなのだから。

実際はと言えば、やはり自身の方が勝ってるようにも見える。
何となく、相手の視線から何かしら察したのか、不意に近づいて自身の乳房と相手の乳房を押し付け

「うん、あたしの勝ち~♪たぶん、乳首も乳輪もあたしの方が大きいかも」

誇らしげに自らの乳房を当ててそのサイズ感を相手に知らしめればすみやかに離れ

「曇ってきたから、あたしそろそろ”潜る”かな。雨降ったら帰った方がいいよ。
 晴れた日はまたおいで♪あたしと競争しようよ。またね」

ばいばーい と両手を振って上機嫌そうに告げれば水しぶきを立てて海面から姿を消す。
女の姿はみるみる海中の暗い青へと溶け込んでいき、やがて潜水の技術云々では追い付けない程にまで……。

青麗 > 「ま、まぁそれはそうだけど……。」

溺れないようにする魔術や、この国なら魔導機械なんかもあるのかもしれないが、
それでも海は本来人の住む場所ではなく、何が起こるかわからない。
そして、そんな話をしていると、不意に彼女が泳ぎよってくる。
何事かと思っていれば…。

「んっ!?」

大胆にも胸に胸を押し付けてくる。
間近で見れば、彼女の言葉通り彼女が勝っているのは一目瞭然だ。

「な、なかなか大胆なことを…。
え?あ、確かに…いつの間にかこんなに曇ってる。
私も上がろうかしら。こちらこそ、また会えたら一緒に泳ぎましょう?
…………って、潜る?」

青麗が困惑の表情を見せた時には、彼女の姿は海の中。
ぽかんとした青麗だったが、もしや彼女は噂に聞く人魚とやらだったのだろうか?

「って……名前聞きそびれた。」

そういえば、こちらも名乗っていないしあちらの名前も知らない。
大胆に体を寄せてきた彼女の姿には、”同類”の気配を感じたのだが…。

「ま、またここで泳いでいたら会えるかしら?」

そう思い直すと、青麗は自身も浜辺に向かい泳いでいった…。

ご案内:「セレネルの海」からマリーネさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」から青麗さんが去りました。