2024/07/27 のログ
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ご案内:「セレネルの海」にグァイ・シァさんが現れました。
グァイ・シァ > 真円の月光が白い砂を照らす月夜。

海風は穏やかで波音の間に海鳥の鳴く声が時折混じる。
砂浜に流れ着いた流木は白い木肌を曝して、横たわり影をおとすその姿は巨大な骨を連想させる。浜辺を上を動いているのは今は甲殻類の影と、朱い髪を風に靡かせる女の姿だけのようだ。

陸から盛り上がった砂丘を隔てて海辺に長く続く砂浜は、今見渡す限り白い砂と暗い海だけで色彩に乏しい。

人気のないこんなところに来た理由は女も解らない。
たまにある虫の知らせのような衝動は得るものが全くないことが多い。

(…飢えていないからいいものの)

何も得るものがない。納得するまでは帰れない。理由はない。
戦場に戻って構わない。そう納得するまではこの浜辺を辿ることにする。

グァイ・シァ > 考え込むことはあまりない。
只波音に耳を傾けながら、白い砂浜に点々と足跡を付けていく。

天に穿ったような白い月が中天を超えるころには、女の姿は浜辺から消えているだろう――――

ご案内:「セレネルの海」からグァイ・シァさんが去りました。