2024/05/03 のログ
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ご案内:「セレネルの海」にドリィさんが現れました。
ドリィ > 大海を征く船上──…甲板に張られた船員用だろうハンモックを勝手気儘に借用して寝転び、
黒いパンツに包まれた長く肉感豊か、かつしなやかな御足をゆったりと組み替えながら、
女は──片手を、月夜に翳す。

その繊指に挟まれて、青く石が一粒。とろりと鈍く月光を透くそれは先日、
バザールで見掛けた道具商から買ったものだ。

「ンッふふ……っ♡ 大枚叩いたけどぉ…イイ買い物じゃなぁい?」

それは女が長く探していたものだった。
───“海食みの石”。
口に含んで潜れば海中での呼吸が叶うという。流通の少ない海竜の胆石が結晶化した奇石だ。
飲み込み肚に蓄えたなら、数週間。その場合は融けて失われてしまうらしいが。

以前、とある酒場でポーカーで勝ってせしめた海底洞窟の地図が、漸く日の目を見る時がきたわけだ。
予感がする。この地図は多分───…“クる”。この手の勘は、外さない自信がある。
なんせ、女の第六感は、呪いの腕輪のお墨付きだ。

そんなわけで女は──御満悦であった。

ドリィ > 勿論、単独で海神のはらからに呑み込まれにゆく無謀なぞしない。
酒場にて、エールを片手にコミュニケーションスキルを遺憾なく発揮し
これまた勘で口説き落とした、手練れの“共連れ”も船に同乗している。

とはいえ、まあ。同室という訳でも無し、仲良く過ごすでも無し。
きっと船内の何処かに居るだろう。
女は、一人でこうして波の音と石の輝きとを肴に、
酒を傾けている時間が単純に、好きなのだ。

「─────… ふぅ。」

船は翌朝には目的地近海に着くだろう。其処で小舟を降ろしてもらう手筈はつけてある。
それまでは、今を謳歌するだけだ。

石に、ふれるだけの口づけをして、スキットルの中身を小さく呷る。
暫く悠々と過ごし──。

ご案内:「セレネルの海」からドリィさんが去りました。