2023/10/29 のログ
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ご案内:「セレネルの海」にミア・コレットさんが現れました。
ミア・コレット >  
今日は依頼は一休み。
釣り竿を握って海と向き合う。

少し濁った海。でもこれがいい。ここがいい。
秋から冬にかけて、産卵期で味が落ちる魚は多い。
だけど私が狙うのは………
マグメール・クイーンフィッシュ。

魚なのに女王の名前を冠する不遜な魚。
だけど名前負けしないくらいにとにかく美味しい。

普通に買おうとするととんでもない値段になるけど。
釣って釣れないことはない。

餌(ワーム)をつけなおす。
餌を食う何かはいるみたい。なら…

ミア・コレット >  
再投。岩場、夕方、このシチュエーションで釣れなかったら。
私の負けだ。
釣り人としての敗北なんだ。

釣り竿に強い引きが来る。アタリだ!!
ぐっと引き、緩める。
緩急が。魚を。弱らせる。

魚影が見える、だけど、これは………
ごく普通のルービアだ。
なかなかビシッとした魚体だ。
白身魚、淡白な味わいだけど天然の香りが身肉を典雅にまとめる。
これはキープ。

でも狙いはあくまでクイーンフィッシュ。
これは釣果ゼロを避けるために保持しているに過ぎない。

ミア・コレット >  
その後はしばらく、餌を食われるだけの時間が続いた。
良くない潮目。
こういう時には………

心を研ぎ澄ますんだ。

殺意、欲望、闘志。野生に育まれた魚に気取られぬ道理無し。
心を研ぎ澄ます。
刃のように……いや、もっと細く。強く。
決して切れない糸のように。

……! 手応えがあった!!
これはデカい!!
引きの強さだけならクイーンフィッシュだ、どうなる!?

ご案内:「セレネルの海」にエルビー・カルネテルさんが現れました。
エルビー・カルネテル > セレネルの海。
余が以前巨大昆虫の調査に乗り出した海である。
と言っても、今いる場所は釣り人が糸を垂らす浅瀬である。

なんでもこの海ではマグメール・クイーンフィッシュなる凄い名前の魚がいるらしい。
余はいつもの大冒険…の前の下準備として一人で現場調査に来たわけである。

この辺りに頻繁に訪れている釣り人で、できれば声を掛けやすそうな人を見つけたい。

余の探検はいつも現地調査を先にしているのだ。

…と言っても、余に釣り人の知り合いはいない。
なのでとりあえず、声を掛けやすそうな人を探していたのだが…。

なんだか凄い気合を見せている人がいた。
余と同じ金髪の女性である。

どうやら釣竿を何かが引いている様子。
余は邪魔にならないよう、気持ち離れた位置から様子を伺う。

ミア・コレット >  
そんな感じで一意専心、少年が私の様子を見ていることに気づかず。
鬼気迫る表情、裂帛の気迫と氷の感情を武器に。

クイーンフィッシュに挑む!!

海面近くに白く輝く魚体が見えた!!
間違いない、クイーンだッ!!

決着は近い、勝つのは………私だぁぁぁぁ!!

 
その時。
女王は。海面に向かう。跳んだ……いや、飛んだのだ。
そのままキラリと鱗を輝かせて私を嘲笑うと。

海面に落ちる衝撃で針を外して逃げていった。

「う………くっ…」

悔恨の表情。女王攻略戦は一筋縄ではいかない。

エルビー・カルネテル > 女性が凄まじい気迫を放つ。
どうやら掛かっているのは大物のようだ。

そして、釣り竿が勢いよく持ち上げられた瞬間。
輝く鱗の魚が宙を舞った。
その魚は日の光を反射し、一瞬眩い程に輝くと水面に消えていく。

「おぉぉぉ!」

余はそんな光景を目の当たりに、興奮していた。

「今のは噂に聞くマグメール・クイーンフィッシュか!?
綺麗な魚だとは聞いていたが、あれほどとは。
そなたはこの辺りの釣り人か?
餌は何を使っているのだ?」

余は興奮のあまり、矢継ぎ早に尋ねていた。
よくよく考えると失礼な話だが、この時はそんなことを考える余裕もなかった。

ミア・コレット >  
「うん?」

話しかけられて、こちらも意味深に頷いてみせた。

「そう、今のがこの辺の海の女王……」
「マグメール・クイーンフィッシュよ」

口の端を持ち上げて強者感を出した。
いや負けたばっかりだけど。

「魚体が綺麗だよね、食べたらすっごく美味しいんだ」
「私は冒険者、ミア・コレット」
「餌は普通のワーム、それであなたは?」

ふと、釣り竿を下ろして相手を見る。

蜂蜜を想起させる髪、それに連なるような双眸。
ファッションは足元からというけど。
ブーツからして貴族のような…仕立てがすごく良い格好。

既製品(プレタポルテ)の私が気後れしないのは。
なんとも人懐っこい雰囲気を感じたから。

エルビー・カルネテル > 「今のがマグメール・クイーンフィッシュ…!」

興奮冷めやらぬ余は、噛み締める様に口にしては瞳を輝かせる。
釣り人の表情からも底知れぬ雰囲気を感じた。

「うむ、まるで剣のような綺麗な身体であった。
おまけに体型もスリムで美しい。

余は学院の生徒をしているエルビーと言う。
今みたいな珍しいものを見つけるのが大好きでな。
たまに探検隊を作って冒険にでるくらいだ。

しかし、初日でクイーンの姿を拝めるとは。
ミアのおかげだな。
それも餌はワームとは。
ひとえにミアの腕前と言う事か。」

余はミアの視線に気づきながら、笑みを向ける。
テンションが高かったのもそうだが、ミアの可愛らしい感じが好みだったこともある。

家名はなんとなくだが、言うのを控えた。
初対面の相手にいきなり出すと警戒させてしまうこともある、とどこかで学んだからだ。

ミア・コレット >  
「でしょ? 漁港でもなかなか高値だから珍しい!」
「飼育できるならしたいくらい綺麗な魚だよね」

話がわかる人だった。

「エルビーくんか、よろしくね」
「って……あなたが貴族だったら喋り方が良くないか…ごめんなさい」

クスクス笑って餌をつけ直す。

「探検隊はすごいな……逆に言えば、腕前以外は問われない」
「クイーンと戦う時に必要な“特別”は『自分』と『気持ち』だけ」

再びキャスト。遠くでポチャ、と気の抜けた音を立てた。

「エルビーくんはクイーンフィッシュを見に来たんだ?」
「じゃあ釣って直接見せたいところだけど……」

エルビー・カルネテル > 「うん? 漁港で取れるのか?

うむ、余の屋敷で飼えるなら飼ってみたいぞ。」

余は魚の事はあまり詳しくなかった。
まさか流通しているとは。
と言っても高価なのだろうが。

「よろしくな、ミア。
いやいや、余は別にそういうつもりで声を掛けたわけではない。
気を使わなくていいぞ。」

餌を付け直している。
ワームが蠢いて、ちょっと余には難しそうだ。

「うむ、色々と面白いものを見つけられて楽しいぞ。
なんだか凄く格好いいな。
クイーンに挑むのにはそのような心構えが必要なのか。」

どうやら再挑戦するようだ。
余はミアの隣に近づく。

「できればクイーンフィッシュを見たい所だが、
今はミアにも興味が湧いたぞ。
待っている間、冷えないように温かい飲み物はどうだ?」

余は魔法を使い、両手にカップを一つずつ手にする。
中身は温かい紅茶である。

ミア・コレット >  
「魚だからね、腕の良い漁師が取ったら漁港で競りに出されるよ」
「一体どれだけゴルドが積まれるのかまでは知らないけど」

食べたいじゃなくて飼ってみたいか……
なかなか面白い会話相手を見つけたなぁ!

「そう? でも見たい人には見せてあげたいのも釣り人の人情…」
「釣り人に大人気みたいな? とにかく今の時期はクイーンフィッシュ釣りよー」

紅茶を出してもらう。
不思議と火も熾してないのに温かかった。

「ありがとう、いただく!」
「私なんて普通だよ、中流階級で生まれて冒険者やってるだけの普通の女の子」

紅茶を飲んで、海に向かった。
何より、人と一緒にいるのがあたたまるなぁ。

エルビー・カルネテル > 「競りか~。
興味はあるが行ったことはないな。
余のような素人が行くと邪魔になると聞いたことがあるな。
競り勝つと言う経験はしてみたい所ではあるが。」

知ってるけど、踏み込んだことのない話が出てくる。
その場の勢いであったが、声を掛けてみて良かった。

「ううん、見せてくれるのなら嬉しいが。
こういうのは当たり外れもあるだろうし。

ミアは釣れたらどうするつもりだったのだ?」

カップを渡し、紅茶を口にしつつぽつぽつと。
この時期に人気の魚らしい。
どうやら良いタイミングに来れた様だ。

「普通かどうかは知らんが、ミアは話していて楽しいぞ。
余は釣りは未経験だし、ミアのような可愛い子に話を聞けて嬉しい。」

秋とは言え、夜はなかなか冷える様だ。
温かい飲み物を事前に用意しておいたのは正解だった。

ミア・コレット >  
相手の言葉に思わず笑ってしまって。

「確かに素人が入ると邪魔しそうな感じするよねー」
「指の立て方で入札の値段が決まったりするのかな?」
「資格とか必要だったりもするのかなぁ?」

釣り竿を小刻みにしゃくりながら。

「うん、確実に見せられるわけじゃーないねー」
「釣れたらどうしよ? ムニエルかな……カルパッチョかな」

食べる気であることを伝えながら大きく伸びをする。
話してて楽しい人。温かい紅茶。穏やかな海。
今日は想定外に良い釣果を得てしまった。

「あら、お上手ねエルビー」
「でもエルビーより可愛い自信はないかも?」

一際大きく笑って。

「ごめん! 今の冗談はひどかった!」

身なりがよくて普段接点がないような相手なのに。
なんだろう、不思議と昔から知り合いみたい。

エルビー・カルネテル > 「なんだか忙しくて大変そうな気がするな。
何せ生ものだから、売れたらすぐに運ぶのだろうし。
指の立て方か~~~…覚えるだけで時間がかかりそうだ。」

水面に浮く釣り針とミアの横顔を眺めつつ、カップを傾ける。
冷えた身体に温かい紅茶は最高だ。

「釣れたら、余に譲ってもらえないか?
勿論その分の対価はちゃんと支払おう。」

どうやら、今晩の晩御飯にするつもりのようだ。
先ほど一瞬見えたあの姿が忘れられず、余は無理なお願いに出る。
できることなら、水槽か何かで飼っておきたい。

「余!?」

思わず大きな声を出してしまう。

「いや構わんぞ。
ミアと親しくなりたいと思っているし。
楽しんでくれてるのなら余も嬉しい。」

人に好かれることが好きなので、こういうやり取りも大歓迎だ。

ミア・コレット >  
「だよねー……だったら…っと!」

強いアタリに戦慄。

「指の立て方より釣り竿の立て方覚えたほうが……早いッ!!」

冗談を言いながら魚と格闘する。
糸のテンションコントロールは精緻に。

「いいよ、これが釣れたらエルビーと知り合った記念に売っちゃう!!」

そのまま引き上げる。
勝った!! クイーンフィッシュだ!!

「はははー、やったぁ!」

すぐに魚籠に入れて。

「どうぞ、このままじゃ長持ちしないから…海水入れるかなぁ」

うーんと考える。それこそ魔法みたいな手段か、この場に水槽が必要だ。

「そう? 私もエルビーくんと仲良くなりたいな」
「仕事してると同年代……かなぁ…よくわかんないけど」

「こういう風に話せる知り合い、貴重だしね」

手を拭って笑顔を見せた。

エルビー・カルネテル > 「おぉぉ!?
さっき引いた所なのにもうきたのか。」

グイグイと竿が引き寄せられる。
魚の暴れっぷりが凄く、水面も急に騒がしく。

「そうだな、こっちの方が興奮するかもしれんな。」

と言っても、余は釣り人ではない。
ミアが奮闘する姿を近くで見守ることしかできんが。

「ほんとか!?」

言っている間に魚が吊り上がる。
クイーンフィッシュがとうとう釣れ、籠の中で静かに泳ぐ。

「そうだな。このままだと帰ったとたんに死んでるとかもありそうだ。」

余は魔法で水槽を取り出し、籠から移した。
急に取り出したものなのでサイズが小さいが、海水を入れたのでまずは一安心できるか。
…ちなみに紅茶もそうだが、屋敷の物を魔法で出している。

「え、ミアもそう思ってくれるのか。」

余は嬉しさのあまり、頬がにやけてしまう。

「余もこんな風に話せる相手はとても嬉しいぞ。
ところで、代金はいくらくらいだ?
競りに出すことを考えると、そこそこな金額になるような…。」

早速財布を取り出す。
可愛いミアに支払うのだ。
余としては格好をつけて多めに払っておきたい。

ミア・コレット >  
「うーわー、魔法で色んなもの出せるんだね?」
「水槽が出せるなら心配なしだ!」

そのまま水槽にクイーンフィッシュを入れる。
水槽の中で泳ぐ女王。
誰かの手を借りなければ生きられない彼女を、綺麗に感じた。

「これからも仲良くしてくれるなら……400ゴルド!」

魚一匹で400ゴルドはさすがにふっかけすぎだろうか。
でも相場がわからないなりにこう……いい感じの落とし所を探した。

「私、しばらくこの国にいるから」
「冒険者番号は0010659、ギルドで連絡してくれれば駆けつけるよ」

「また遊んでね」

そう言って撤収準備を始めた。
最初に釣れた魚(ルービア)もまぁまぁ大きい。
でも、エルビーくんという釣果には、クイーンフィッシュも顔負けだろう。

エルビー・カルネテル > 「うむ、まあ余は魔法が得意だからな。
折角釣ってくれたクイーンを死なせるのも嫌だろう。」

なんだか見せびらかすような感じになってしまいそうなので普段は控えているのだが。
今の状況においてはこれは仕方ない。
今日の機会を逃せば次はいつになるかわからないのだ。

「その程度でいいのか?
と言っても、余は相場があまりわかってないので何とも言えんが。」

ミアがふっかけてくるとも思ってないので、余はその場で400ゴルドを手渡す。
競りで落とすとなるともっと高そうだし、多分お得な気がする。

「うむ、余も今日は素晴らしい出会いと思わぬ収穫で大満足だ。
そのうち連絡をさせてもらうかもしれん。
余こそ、また遊んでくれ。」

撤収準備を始めるミア。
余もクイーンが入った水槽を持ち上げる。

「ではな。」

水槽を両手で抱えたまま、魚のお礼で会釈を。
その後、少し離れた所で魔法を発動。
持ち帰ったクイーンは余の屋敷で大切に飼うのであった。

ご案内:「セレネルの海」からミア・コレットさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からエルビー・カルネテルさんが去りました。