2025/02/09 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 酒場」にシスター・パッサーさんが現れました。
■シスター・パッサー >
夜の教会を出て迷うことなく辿り着いた酒場。
修道女としては典型的な頭巾と衣である黒白の二色
その上から羽織る大振りなストールの防寒具姿。
白い吐息が途切れた店内。
悪びれもなく中に入ったところで驚く顔をするのは少数派
この都市に新しく足を踏み入れた冒険者や商人、といったところか。
逆に他の面々は、それが日常のように一瞬目をやるだけで終わる。
この都市この場所で、意外な誰かが入る、という事柄はもうないのだ。
いつもよりも人数が少し多いのは、この気温のせい。
寒い肌を温める為に酒を欲する面子、辛いことを忘れる面子。
中には、きっと稼ぎの悪い いや、お布施の悪さから衣を変えて夜の男に身売りをする同業者
それが、身に沁みついた男の温もりを忘れるように帰り際に杯を開けてもいるだろう。
神と救いではごまかし切れない感情を洗い流す素振り。
それをチラリと一瞥しただけで済ませ、カウンターの端寄り
空いている席へ座れば茶褐色の紙巻を一本咥え、修道女が持つには少し不相応に見える
金無垢に彫りこまれたセイレーンの模様が見えるZippoを切れの好い音を立てて開けた。
「こんばんは、マスター
キラー・ビーを 少し酒を強くしてくださいますか?」
ニコリと、光沢の無い桃色の瞳が笑む表情。
歯車を回し、火花を散らして軸に火が灯るそれが、先端を焦がす。
既に顔が見えた時点で混ぜていたのだろう。
ざっくりと蜂蜜と強めの酒精を混ぜた杯が目の前に幾分早く置かれた。
傾けると、暖炉の温もりとは違う酒で灼けつく度数が喉から胃へ染み渡る。
酒の甘い余韻が残るうちに煙草の煙を吐き出しながら、喫煙者の飲み方は手慣れたもの。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 酒場」からシスター・パッサーさんが去りました。