2024/11/30 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にレフェーリアさんが現れました。
レフェーリア > 「はい、どうぞ…ヤルダバオートの加護あらん事を…」

立ち並ぶ修道女達に混ざって、ローブを纏っている一人の治癒師。
目の前で掻き混ぜている大鍋の中身は普段精製している薬剤ではなく、良い匂いを立ち昇らせるスープ。
都市の慈悲深さを主張するかの如き、と誰かが謳った炊き出しとその手伝い、という形であり。
日中に金を出さなくとも食事にありつけるという事もあってか行列は割と多く、取ってつけた様な言葉にも感謝の言葉が返って来るもの。
飢え死にを少しばかり延ばしただけであったとしても、国教にも相応しき善行なのだろう。

「……ふぅ…ぅ……」

やがてスープの追加の具材も無くなり、鍋底に集まった最後の一すくいまで残さず配り終えて日も沈みかかった頃。
後片付けを済ませたならば修道女たちは教会へ、部外者の彼女は少しの心付を貰って戻るだけになったのかもしれないが。
周辺から漂って来る雰囲気が、それだけでは教えない事を伝えてくれる。
配る食事が無くなったとしても、残っているのは修道女、そして女性達なのだから。

昼間の温かな食事を配るばかりだった時間も終わり、月が登り始めた頃。
足音を露骨に響き渡らせ、彼女も巻き込まれる様に―または、最初から受け入れていた様に、食事目当てではない者達と相対して。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からレフェーリアさんが去りました。