2024/04/11 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にサウロさんが現れました。
■サウロ > (王都から西にさほど離れていない場所にあるのは、国が掲げる宗教の総本山たる神聖都市。
古くからある寺院や修道院など歴史的価値の高い建造物が多く、その身を俗世から離して生活する人がほとんどの都市。
で、ありながら。
ここより北のハテグの戦場で、隣国との小競り合いが続き、稼ぎに来ている傭兵たちが宿場として利用するのもここだ。
宗教的な建造物のほかに宿屋も多く、神聖な都市でありながら宿酒場もある。
主神の名を冠した神聖都市でありながら、マグメール王国の腐敗が地下から感じるのは、気のせいではないはずだ。
――――今回、とある修道院にいた。
そこで潜入調査を行っている自由騎士団の団員から、ヤルダバオートに関する情報をまとめた手紙を受け取る仕事。
ここを拠点で活動している他の団員ではなくサウロがその任をこなすのも、
この都市に訪れる機会が少なく、顔を覚えられていないことからだ。
相変わらず相棒たるミレー族の青年はこの都市が嫌いなので、今回も一人。
活動範囲が広く、身軽になったからこそ、こうした伝達の橋渡し役は率先してこなしている。
依頼という体で、修道院の院長にいくらか必要物資を納品した後、
案内人に扮した団員と接触して、故郷への手紙、という体で依頼を受け、報告書類をまとめた封筒を貴重品の中へしまい込む。)
「それでは、これで失礼致します」
(胸に手を当てる自由騎士の敬礼をし、修道院を出る。
腰に帯剣したまま、所定の宿まで戻るため舗装された石造りの道を歩くころには、とっぷりと陽も暮れて。
見上げれば川のような美しい星空が広がっていた。
薄暗がりの道に、行き交う人の質もどこか王都とは異なる雰囲気を感じながら、少し冷える春の夜の風に息を吐く。)
■サウロ > (何事もなく、誰に追われる気配もなく、宿へと帰り着く。
王都に手紙を届け帰るまでが任務。気を引き締めながら、パタンと部屋の扉を閉める。
質素な宿だが、寝台が大きいことが不思議な感じがする。
ジャケットを脱ぎ、ブーツの紐を緩めて足を軽くしたら、そのまま寝台へと横になった。
朝一の王都行の辻馬車に乗って、詰所に寄って、それから――――。
考えているうちに訪れる眠気に髪と同じ金色の長い睫毛が、数度瞬いて、伏せられた。
まるで何かに誘われるように眠りに落ちていく。)
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からサウロさんが去りました。