2024/04/06 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にベルナデッタさんが現れました。
■ベルナデッタ > 聖地らしく、壮麗な教会や神殿、修道院の立ち並ぶ神聖都市ヤルダバオート。
その中でも一際暗く、威圧的な雰囲気を放つ異端審問庁の庁舎から、ベルナデッタはふぅ、と一息つきながら歩み出る。
定期的な活動報告を終え、これからまた言い渡された任務に戻るのだ。
王国も主教も危機に晒されている今、異端審問官の仕事に終わりはない。
「しかし…報告作業が一番疲れますね、やはり。」
ベルナデッタはちまちまと報告書を纏めている時より、
実際に身体を動かしている時の方が気が楽なタイプであった。
己の仕事は神々が知っていればそれでいいのではとも思うのだが、
組織としてそういうわけにはいかないことも重々承知。
しかし、これでようやく書類仕事とも一旦おさらばだ。
次の仕事の段取りを考えながら、ベルナデッタは神聖都市を静かに歩く。
と、何かが聞こえてくる。
「あの新興教派、ですか。」
声は主神ヤルダバオートと指導者たる聖女を称え、入信を促す説教師の宣伝文句であった。
最近さらに勢いを増す、とある聖女を中心とした新興教派。そうはいっても設立からもう数十年は経っている。
独自の騎士修道会も所有し、その活躍はベルナデッタも耳にする。しかし…。
「何か……怪しいんですよねぇ。」
異端審問官の感だろうか?ベルナデッタはあまり好印象を持っていない。
とはいえ、ノーシス主教は多神教。
主神をヤルダバオートとする限り、多少教義に違いがあっても一つの教派として認められる。
例えば、主神以外の神々の地位であったり、祭祀のやり方であったり等だ。
異端認定されるのは余程のこと。事実異端審問庁も特に何も言っていない。
「考えすぎでしょうか…。」
それに、腐敗などであれば主教の内部にも蔓延っている。
腐敗と戦う者もいるが、王国がこの有様では堕落する聖職者も後を絶たない。
一つの教派だけを注視する時間など、異端審問官には無いのだ。