2023/09/11 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にロレンツォさんが現れました。
ロレンツォ > 神聖都市ヤルダバオート。
住民の大半が聖職者、宗教者を占めるその都市を歩けばすれ違うのは修道服や法衣を身に纏った者が多い。
反面、巡礼者や旅人に向けて一部の教会や神殿を仮宿として開放している影響もあってか、冒険者や旅商人といった姿も疎らに見掛ける事が出来た。

月明かりと手許のランタンだけが頼りの宵の中では遭遇する人の影も極稀だが、それでも決して皆無ではない。
暫く歩いていると、前方から徐々に大きくなって来るランタンの明かり――それを手にした修道女の姿を認めると。

「今晩は、シスター。お勤めの帰りですか?
 ――――そうですか。ええ、ではお気を付けて。」

にこやかな笑顔で挨拶を交わし、他愛の無い立ち話を二言三言。
「引き留めてしまいすみません。」と挨拶の後に謝罪の句を付け足して、一礼を残し去って行く修道女のランタンの明かりが徐々に小さくなってゆくのを見送らん。
それが宵闇の向こうへと完全に溶けてゆくのと見届けてから、男は再び前方へと視線を向けて歩みを再開する。

ロレンツォ > そこから先の道中でも、顔見知りの聖職者と出会えば挨拶の後に他愛の無い会話を短く交わし、道に迷った旅人と出会えば仮宿として開放されている付近の神殿まで案内する。
そうした寄り道を繰り返す内に、司祭の男が自身の教会に辿り着いたのは既に真夜中を過ぎた時間帯。

教会に帰還してからも数々の雑務や書類仕事を片付け、気が付いた頃には東の空はとうに白み始めていたのだが、男は疲れた様子も無く教会を後にする。
そうして今度は朝方の道中で、また同じような寄り道を繰り返すのであろう―――。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からロレンツォさんが去りました。