王国の主な宗教である「ノーシス主教」の総本山。
一種の宗教都市であり、都市の中にはいくつもの教会や寺院、宗教施設が立ち並んでいる。
一種の聖地であり、その住民のほとんどが聖職者、宗教者である。中でも修道女が多い。
戦乱の時勢、少しでも安全な場所へという思いで修道院に入れられることは少なくない。
しかし、この神聖な都市も決して理想のままの都市ではない。
なんと、この街の地下には修道女たちによる売春施設のようなものが存在している。
この街を存続させるために仕方なく行う者もいれば、無理矢理させられる者もいる。
僧侶なども腐敗しはじめ、修道女などに手を出す者さえ出てきている。
戦地が近いため、傭兵なども街に来るようになり、街の中でも安全とはいえない。
それでも、この都市は、表面上、今でも神聖都市のままである。
ほとんどの人間は知らないことであり街の記録にも残されていないが、かつては神聖都市「アイオーン」という名前であった。
200年前のナルラート朝においてノーシス主教の主神の名が「ヤルダバオート」に変えられる前は、この街は「アイオーン」を祀る街であった。
※教会、売春施設、地下街など様々なシチュエーションでどうぞ。
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Time:02:23:28 更新
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からレフェーリアさんが去りました。
■レフェーリア > 「はい、どうぞ…ヤルダバオートの加護あらん事を…」
立ち並ぶ修道女達に混ざって、ローブを纏っている一人の治癒師。
目の前で掻き混ぜている大鍋の中身は普段精製している薬剤ではなく、良い匂いを立ち昇らせるスープ。
都市の慈悲深さを主張するかの如き、と誰かが謳った炊き出しとその手伝い、という形であり。
日中に金を出さなくとも食事にありつけるという事もあってか行列は割と多く、取ってつけた様な言葉にも感謝の言葉が返って来るもの。
飢え死にを少しばかり延ばしただけであったとしても、国教にも相応しき善行なのだろう。
「……ふぅ…ぅ……」
やがてスープの追加の具材も無くなり、鍋底に集まった最後の一すくいまで残さず配り終えて日も沈みかかった頃。
後片付けを済ませたならば修道女たちは教会へ、部外者の彼女は少しの心付を貰って戻るだけになったのかもしれないが。
周辺から漂って来る雰囲気が、それだけでは教えない事を伝えてくれる。
配る食事が無くなったとしても、残っているのは修道女、そして女性達なのだから。
昼間の温かな食事を配るばかりだった時間も終わり、月が登り始めた頃。
足音を露骨に響き渡らせ、彼女も巻き込まれる様に―または、最初から受け入れていた様に、食事目当てではない者達と相対して。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にレフェーリアさんが現れました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 酒場」からシスター・パッサーさんが去りました。
■シスター・パッサー >
神聖都市ヤルダバオート
とは名ばかりにも見える夜の退廃した空気
地下と言わず、酒場に行けば冒険者目当てを装うオールフリーな娼婦
懺悔室を“グローリー・ホール”に変える教会
金に負けた神が居わす舞台は一律同じになる。
酒場に訪れたシスターもまた、通常のシスターとは違う空気を纏って訪れる。
足取りは慣れたもので、中央よりも壁際に近い落ち着いたカウンター側
頭巾をつけたそのまま修道服姿で堂々とシガレットケースを取り出すのなら、軽くシェイク。
一本だけ突き出た茶褐色の紙巻を歯列で咥え、手元のセイレーンが彫刻された金無垢のZippoで火をつける。
キンッと鋭い音と、歯車で迸る火花
軸から燃え上がる一条の火は、煙好きがスリたくなるくらいには見栄えがいい。
ジジッと燃える先端と、甘ったるい紫煙がフゥッと吐き出されたところで肩の力を抜いたシスター。
手元に何も言わずに蜂蜜が落とされた琥珀酒が出されると、ざっくり混ざっているだけの濃淡ばらける味
躊躇いなく口をつける素振りは、酒場のマスターにとって無言で いつもの を出すほどには通っているという証拠。
まだ残暑が厳しく思える環境で、涼しい貌でその姿のまま煙草と酒精を楽しむ修道女に無駄に絡む者はまだいない。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 酒場」にシスター・パッサーさんが現れました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」から幻燈蝶さんが去りました。
■幻燈蝶 >
神聖都市にいくつもある聖堂のひとつ。
月明かりが差し込む礼拝堂。
昼間ならばいざ知らず、夜も更けたこの時間ともなれば信徒の姿もあるまい。
閉め忘れたのか、あるいは深夜に訪れる者のために神の扉は開かれているのか。
半開きとなった扉から、暑気の名残を含んだ空気が流れ込む。
それに混じるのは、赤紫色の光の鱗片。
ふわり、ふわりと舞うように躍る薄片。
それを零しながら、夜に溶け込むような黒い蝶が、礼拝堂に迷い込んで来た。
音の礼拝堂を、音もなく舞う翅。
信徒席の狭間に、光の雪を降らしながらゆっくりと舞う。
祈りなど、人ならざる、あるいは生命なざらる者に理解できる筈もない。
祈りは知性ある者の、生命ある者の、魂ある者だけの者なのだから。
だから、きっと黒い蝶のその行為には意味などある筈もない。
ひらひらと、風に舞う紙片のように
ふわふわと、夜気の中に火の粉の雪のように光を撒き散らしながら
祭壇の手前、司祭が説教する台の上に、翅を休めても。
それは、まるでその場に宿る温かな光のようでもあり
あるいは、人を奈落に引き摺り込む人魂のようでもあった。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」に幻燈蝶さんが現れました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からヴァーゲストさんが去りました。
■ヴァーゲスト > 仕方なし、ああ仕方なし、仕方なし。
都市の中で野垂れ死ぬ事はないとはいえ、情けない姿を色々とみられて広められてしまうと商売に影響が出るだろう。
ならば苦渋の決断として近くにある教会の門を叩く事にした。
格好悪いが背に腹は代えられないと、少し自嘲気味の笑みを浮かべたのちに、男は適当な教会を見つけて、其方の方へと歩いていくのであった。
■ヴァーゲスト > 夕暮れ時が過ぎて、今はまさに夜の帳が下りた時間帯。
王都やバフート…あとはダイラスとまた違った空気に包まれた神聖都市ヤルダバオートを一人歩く。
パトロンである富豪の男は目的の人物を仲睦まじく過ごすために「オマエも一人二人捕まえてきたらどうだ?」と今夜「も」金を握らされて、空調も何もかもがしっかり整った宿を追い出されて、今こうして一人で途方に暮れている。
酒を飲むにはここは綺麗過ぎる。
下層に下りれば……まあ……そうだな…うん。
いや行きたいのは山々だし軍資金はあるが、迷子になりそうで、あまり……行きたく…はない。
「……適当な酒場に入るか。」
ボヤキ、当然この結果に帰結する。
神聖都市とはいえ人が暮らす街である。
極々普通の酒場も当然あるわけであるが、どういう事か、その、見当たらない。
そもそもここはどこだろうか。
見覚えのない教会、見たことがない家々、これはやってしまったか。
人差し指の腹を眉間に押し付けてぐりぐりとマッサージ。
――…本当に途方に暮れそうになりそうだな、と。
最悪の最悪は教会の扉をノックして、道を尋ねる、しかないだろう。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にヴァーゲストさんが現れました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からナランさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からヴァーゲストさんが去りました。