2024/01/29 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にゴットフリートさんが現れました。
ゴットフリート >  
この街の熱気は夜になっても収まることはない。
否、夜になれば尚更、その狂熱は昂りを増していくのだろう。
路上に並ぶ露店の取引の声、宿の窓には絡み合う影が映りそうな程に。
否、そんな場所を覗く必要なんてない。
中央に目を向ければ奴隷市場では今日も誰かが売られているし
早速、“商品のお試し”を楽しんでいる輩の周りには人だかりができている。
悪徳の都市、その露店が並ぶ通りを、供も連れずに初老の貴族は歩いていた。

「収穫はそれなり、ってとこだな。」

奴隷商売に手を染めることはあまりしないが
例えば今日のように“使い古し”を処分しに来ることは時々ある。
今回売り払ったのは何人いただろうか。
壊れている者もいれば、飽きただけの者もいた。
もう顔も、素性も碌に覚えていない者達。
ただ、売り払った分の金はまずまず満足できる額だった。

例えば、新しい奴隷を一人購入する。
珍しい錬金術の素材を買う。
贅沢に、その辺りの娼館で娼婦を買う。
この悪徳の街の夜を愉しむのには、充分な程度の泡のような金銭。

それを思案するように、あるいはただ悪徳の熱を味わうように。
大柄な身体は、誰にも遠慮することなく露店通りを歩いて
奴隷市場へと足を運んでいる。
時折、灰色の目で物見遊山のように街の景色を愉しみながら。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からゴットフリートさんが去りました。