2023/11/09 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にユーゴさんが現れました。
■ユーゴ > 何時訪れても、昼夜を問わず狂乱染みた賑わいに満ちたこの場所。
右を見ても左を見ても、良い景色、とは言い難い情景ばかりが続いている。
それは、大通りを外れて路地裏に足を進めても変わらないのだろう。
人目に付きにくい分、治安の悪さで言えば酷さは増していそうではあるが――
「――――うん?」
不意、声を掛けられて歩みが止まる。
獲物と思われたのか、金づると思われたのか。もしくは、そのどちらもか。
奥を指で示しながら「良いのが入ってンだ、どうだい?」だなんて言われて、申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「ああ……悪いけれど、買う気はないんだ。ごめんね。」
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にムーチョさんが現れました。
■ムーチョ > バフートの奴隷市。
その路地裏をゆったりと歩く男の目的は泥中の華を探す事。
それはその華を題材に絵でも描こうか、それとも彫刻や彫像のモデルにするか…。
そんな心の琴線に触れる相手と出会えるかどうかも分からないながらも治安の悪さ等気にもせず男は足を進めている。
そんな中ふと男の目を引いたのはこの街に不釣り合いな存在。
声をかけられて申し訳なさそうな表情をこんな場所で浮かべる相手に興味が引かれる。
奴隷を買う気も無い様子の相手、いったい何を求めているのだろうか、等と気になり視線を男性に向け、観察し始める。
人形のようにも見える均整の取れた顔立ち。
青銀の髪に、目立つ長耳。
体のラインは見辛いが、撓やかな体付きであることが、靭帯の彫刻や彫像を手掛けた男には見て取れそれがまた男の興味を引き、ちらりと向けた視線がつい釘付けになってしまった。
■ユーゴ > 男から盛大な舌打ちを送られるが、困ったような表情を崩さぬ儘。
客引きだか商人だか、人攫いの類だかは不明だけれど、あからさまに殊更人目の付きにくい場所へと誘導されているのが分かっていて、着いていく程軽率にはなれない。
表情も、様子も変わらぬ己に焦れたのか、周囲の視線も注がれ始めたからか、最後に罵倒を響かせては、身を翻して路地の奥へと歩いていく男。
距離が離れるのを待って、ゆるりと呼気を逃がした。
面倒事にならずに済んだらしい。
それから、視線が緩やかに移ろって、此方へと向けられていた視線の元を辿る。
幾らか離れた位置――彼がまだ己の方を見ているのなら、緑眼がかち合うだろうか。
元の穏やかな表情を、困った色を仄かに滲ませた儘に、愛想の良い微笑みへと変え。
「――――お騒がせしてしまったかな?」
■ムーチョ > 何やら絡まれていた相手。
青年に絡んでいたガラの悪い男は、人目を引いてしまったことにイライラと怒りを発しながら路地の奥へと消えていく。
興味をひかれていた男はそんな消えていく男には興味は欠片も無く、
ゆるりと吐息を逃がす相手に向けたまま。
そんな折にかち合う視線。
向けられる愛想のいい微笑みを見れば男は僅かに愉し気に笑みを浮かべ、ゆるりと首を振る。
「いえ、この場所であれば先程のは騒ぎにもならないと思いますよ。」
そう答えながら、改めて相手を見る長身の男。
奴隷市の路地裏等には不釣り合いな相手。
一体何を求めてここにいるのだろうか─。
少なくとも奴隷を買いに来たわけでもない様だし、破滅的な願望に囚われていれば、先ほどの奴隷市の住人についていき闇に消えたであろう。
其れを想像するのもまた一興とばかりに、ついつい向けられた緑眼をじっと見つめる男の瞳。
「こちらこそ、不躾に見つめて申し訳ない。ただ、君のような人がどうしてここにいるのか、考える事が楽しくなってしまってね」
そう言葉を続け乍ら男はゆっくりと歩み寄っていく。
■ユーゴ > 問うた声に返されるのは、極々穏やかな返答。
相手の浮かべる表情に、多少、警戒心は抱いたものの、彼の服装や、己に向けられていた視線の色を思えば、立ち去っていった男の仲間ではないだろう事は、推測もつく。
どちらかと言えば、興味や好奇心、と言った類だろうか。
そんな事を思いめぐらせていれば、続けられた言葉が答えをくれて、思わず小さな笑い声を零してしまう。
「こう見えて冒険者をやっていてね。その一環だよ。」
この都市に足を運ぶ者の多くは、奴隷を求めて、なのだろうが、人が多く集まるからこそ、他にも様々な物や情報が集まる。
”何を欲してか”は暈した儘に、それが答えだと言わんばかりに言葉を繰りつつ、視線は不躾にならぬ程度に、相手の姿を上から下へと滑らせた。
服装から見るに、冒険者ではなさそうだが――
「そう言う貴方は、どんな御用で?」
■ムーチョ > 穏やかに答えた男。
相手の小さな笑い声を聞けば男も小さく笑い。
情報なり物なり、なにがしかを求めているとの言葉にフムフムと頷く男。
冒険者と言われればなるほどと、小さく頷きもう一度視線を滑らせる。
撓やかな体はどちらかと言えば魔術師寄りだろうか。
等と無為な思索を楽しんでいる男。
逆に問われれば小さく頷き、相手の視線を受け止めながら小さく頷く。
「私? あぁ、私はこう見えて絵や彫刻や彫像を嗜んでいてね。 そのモデル探しに来たんですよ。」
そうつぶやくと、ついつい相手をじっと見つめてしまう。
中性的でしなやかな体付きの相手。
絵にもなるし彫像にしても美しいだろう。
「うん。 私は貴方に興味が湧いてきました…。」
そう思えば、思ってしまえば相手に向けられる男の瞳は僅かに熱を帯び真っすぐに向けられ、ぽつりと低い声で呟きを漏らした。
■ユーゴ > 「なるほど、芸術家さん。」
漸く、彼の装いに納得がいったとばかりに繰り返し呟く。
確かに、ここであれば――それこそ好きなだけ、自分好みの、自分が欲しているモデルを探す事も、得る事も出来そうだ。
相手の立場を問わなければ、色々な意味で上から下まで選び放題でもある。
相槌混じり、幾度か頷きを繰り返していれば、再び注がれる視線。
相手から外していないものだから、じ、と薄青が真っすぐに見返して、次いだ言葉に双眸が瞬いた。
「うん? ――――ええと、」
思わぬ言葉に呆気に取られたような、理解に至り切っていないような。
向けられる眼に灯された仄かな熱には未だ気付かず、正しい答えを探して言葉尻を鈍らせ。