2023/08/07 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にアダンさんが現れました。
アダン > 奴隷市場都市バフート。
その名の通り奴隷を売買するための市場がそのまま都市となったような場所だ。
しかも主な商品が性奴隷とあり、ミレー族や戦争捕虜だけではなく王国内の王族や貴族さえ並ぶことがある。
まさにこの王国の悪徳を煮詰めたような場所で、王国の腐敗の象徴だと言えよう。
このような市場があるにも関わらず、表向き王国は直接対策に乗り出しておらず、それどころか自身の思惑のために利用する者たちが多いのだから。

アダンもこの奴隷市場都市をよく利用する腐敗貴族の一人だった。
政敵の妻や娘、それらを罠に嵌めてこの都市に送り込んだことも一度や二度ではない。
そういった自身の政治的な目的のためにこの場所を用いることも多いが、何より自分の欲望を満たすために使うことも多かった。
今アダンが歩いている屋内のエリアは、「元」王族や貴族など、社会的立場のある性奴隷が陳列されている場所だった。
極端に改造されたドレスや全裸の者もいるが、彼女たちが元々は高貴な身分であったということを示す方が顧客受けもいいのか、高貴な身分らしい服装をまとわされている者たちが多かった。

「ほう、あの家の娘も落ちてきたか」

きらびやかに飾られたおりの中の首輪をつけられた女性の奴隷たちの姿を眺めつつ、アダンはそう言葉を漏らした。
先日、魔族と通じているなどという告発を受けて、失脚させられた貴族家の娘もいた。
そんな彼女たちを眺めつつ、アダンはゆっくりと歩みを進める。
この奴隷たちを買うのもいいだろう。だが、この都市にやってくる女を狙うのもいい。
何にせよ、自分の政治的な目的にも利用でき、欲望も満たすことが出来る。
この都市のことならよく知っており、顔も効く。
自身の息のかかった店などもある。至れり尽くせりといったところだ。

アダン > 一人の奴隷にアダンは目をつけると、売り主へと交渉を始める。
その奴隷は、最近政争に敗れて没落した王族の元王女であった――

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からアダンさんが去りました。