2025/04/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にハーラさんが現れました。
ハーラ > 【待ち合わせ中です】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にティアリスさんが現れました。
ハーラ > 「あれが依頼の洞窟かぁ…」

メグメールの自然地帯。
そこは魔物も多く危険であるが、その分冒険者にとっては仕事の場となる。
特に、街道や近隣の村落等を脅かすような魔物の群れは、高額の報酬と共に冒険者に討伐依頼が行く。
そしてそのような魔物の群れは洞窟などに定住していることが多く、
ハーラが茂みに隠れながら覗く先にも、そのような洞窟があった。

「情報通りゴブリン。見張りを立てる知恵はあるらしいね?」

ハーラ達が受けた依頼の内容は、近隣の輸送路を襲ったゴブリンの群れの討伐。
それ故、今のハーラは故郷の戦装束にラメラーアーマーを着用した、完全武装状態だ。
そして、視線の先の洞窟の入口には、粗雑な槍を持ったゴブリンが二匹、周囲に視線を向けながら立っていた。

「どうする?どうせ全滅させるんだし堂々と攻撃する?
それともこっそりと仕留める?」

ハーラは、同行した馴染みの冒険者に問う。

ティアリス > 「いっちょ前に頭使ってるのは面倒くさいな」

一匹二匹ならともかく、群れを成すと中々侮れない勢力となるゴブリン達。
武器を使いこなすだけならまだしも、連携を取りつつ攻めてくることもある。
初心の冒険者程度であればやられることもあろう。

ティアリスはいつもの服装に加え、急所を守る簡素な防具を身に着けていた。
とはいえ、あまり重々しいものは身動きがとりづらくなるので程々。

「そうだなぁ……気づかれる前にできるだけ頭数を減らしておきたいね」

まずはこっそりと。
バレるか、ある程度減らすことが出来たならばそこで攻撃を仕掛ければ楽じゃないかと問う。

ハーラ > ゴブリンのような亜人系の魔物は、動物型等の魔物に比べれば個々の身体能力は大したことが無い。
その分知能は高いがそれもたかが知れており、単体同士の戦いであれば人間に勝てる部分は何も無いだろう。
しかし、彼らは数が多く、油断した人間をだまし討ちする程度の知恵はある。

「もっと他の冒険者を呼ぶべきだったかな?」

冗談めかしてハーラはティアリスに訊ねる。
それでも、事前の情報を見る限り自分達二人であれば依頼をこなすのに支障は無いだろう。

「じゃあ、なるべくこっそり行ける所まで行こうか。
まず私が右を殺るから、騒がれる前に左をお願いね?」

そう言うと、ハーラはターバンの布を顔に巻き付ける。肌の出ている部分は目元だけだ。
そして、音もなく茂みに潜り込むと、しばらくの後にゴブリンの片方の背後に再度姿を現す。

『ギャピッ!?』

そして、ゴブリンが反応する間もなく愛用する故郷のナイフでその喉を切り裂き、一瞬で絶命させた。

ティアリス > 「まぁ数多けりゃ対処も楽だろうけどな」

船頭多くして船山に上るというべきか、あまり多すぎてもよくない。
少し面倒かもしれないが、ここにいる2人で今回の依頼は十分だろう。

「オッケー」

ハーラに短く了承の言葉を返すと、ティアリスもまた茂みにその身を隠す。
向かって右側のゴブリンの喉元が切り裂かれるとほぼ同時、左側のゴブリンの喉からも静かに血が噴き出した。
断末魔もなく倒れ伏したゴブリンを一瞥し、ハーラに視線を戻す。

行こうか、と洞窟の方へ顎をしゃくり、魔物の棲み処と化した奥へ息を潜め足を踏み入れていく。

ハーラ > ゴブリンの死骸を近くの茂みに投げ入れ、二人は洞窟内に足を踏み入れる。
内部は暗いが、点々と炎が灯っている。ゴブリンが灯したものだ。
彼らは魔物ゆえに魔力を持ち、群れには大抵シャーマンと呼ばれる魔術師役の者がいる。
この炎も、そのようなゴブリンが魔術で灯したものだろう。

「罠は大して無いみたい。住み着いて間もない群だろうね」

ハーラは先に進み、罠の有無を調べながら言う。
それでも、皆無ではない。足元に縄が張ってあったり、落とし穴が仕掛けてあったり。
それらを時にはナイフで解除し、時にはかからぬよう避けながら、二人は進む。

「……シッ」

ハーラはハンドサインで、道を避け壁際に身を潜めるよう伝える。
しばらく待っていると、前方から松明の光としわがれた声。
ゴブリンが、今度は三匹。それぞれ手斧を持っている。

「…………」

ハーラは壁際のくぼみに隠れ、ゴブリン達が通り過ぎるのを待つと、
背後から接近し、一番後ろにいた者の首をシミターで刎ね飛ばした。