2025/03/23 のログ
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ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 王都近郊の喜びヶ原の森林を縦断する川の畔。
水道は勿論、水遊場にも水をもたらす川は王都民や近隣村落の住民の重要な水源で憩いの場ともなる。
水を求めるのは生物として必要不可欠な事であり、そして、何も人間の専売特許ではない。
森に住まう動物達や生き物も飲み水を求めて集まり、その中には人間に害するものも存在する。

「――――……、そんな魔物を退治してくれ、とは、何とも業腹な事だなぁ」

水辺から少し離れた繁みの中、川からは見えぬ場所に張られた天幕にて、
中年冒険者の男性が、独り言ちて、嘆息めいた吐息を吐き洩らす。
ギルドに寄せられた依頼は、近隣住民が水浴びや飲み水に利用する川にて、
魔物が現れて遭遇したために退治して欲しいとの事。

だったら、場所を変えれば良いのでは、と思うものの、未だ実質的な被害は蒙っていないらしい。
その為、この場所を利用する者達は後を絶たず、要するに安心が買いたいとの話で。
魔物と言っても水場で周囲を害さないという生物の暗黙の了解を貫いている中、
自分勝手な人間のエゴに辟易しながら、天幕の中で川辺の様子を窺い覗き見る。
はてさて、川に現れるのは咽喉を乾かした魔物か、それとも、涼を求める人間か、と。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にリリスさんが現れました。
リリス > 「うぅん、意外と無いわねぇ……。
暖かくなってきたところだしあるとおもったのだけれど、まだ早かったかしらぁ」

黒のローブを身にまとい、フードを深くまでかぶっている不審者は困った様子でうなりつつ、こっちでうろうろあっちでうろうろ、
その手に持つ籠の中には採集してきたであろう薬草類が少量入っている。

「あら……?」

ふと、リリスは凝視していた地面から顔を上げて森林内の何もない方向をみつめる。
数秒後現れたのは巨大な巻き角と牙を持った魔獣で、魔獣は少し遅れてリリスの姿を捉えるや否や猪突猛進の勢い
と言わんばかりに襲い掛かってきた。

「あらまぁ、困った子ねぇ。」

そう呟きながらリリスは頬に手を当て、焦る様子もなくその場から動こうともしない。
魔獣との距離は詰められていく一方であって…

リリス > にこにこと魔獣を微笑みで見つめるリリス。

衝突まであと少し、といったところで距離を詰めていた魔獣が、砂埃が大きく立つほどに急激に勢いを減らし、
最後にはゆっくりとした歩みでリリスの前にまでやってくる。

「――そう、いい子ね……♡」

リリスの前にやってきた魔獣は先ほどまで襲い掛かろうとしていたのが嘘のように、リリスの前で頭を垂れる。
その角が生えた魔獣の頭をリリスは優しく撫でて、一言「行きなさい」と告げると、魔獣はゆっくりと頭を上げてその場から立ち去って行った。

「さてと、少し早いけれどそろそろお店に帰ろうかしら。
お客さんを待たせたらいけないものねぇ……♡」

そう言って指先をパチンッと鳴らすと、ローブの端からゆっくりとリリスの姿が夜闇に溶けて消えてゆく。
数秒もすれば、その場からは人影がなくなり、静かな森の静寂が再び訪れることとなって……。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からリリスさんが去りました。