2025/03/21 のログ
:: [一覧へ] :: :: ::

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」に幻燈の亡霊さんが現れました。
幻燈の亡霊 > 春の陽気が王都に訪れ始めた頃。未だ森林地帯は残冬の冷気が残る。
そして夕暮れ時となれば尚のこと日も陰り、人の領域から外れた様相になっていく。

だが、それでも自然地帯の、生物の領域のはずだった。

「……ァアアアアアア……」

森の中に、靄が立ち込めていく。少し先も見えないほどの白い世界。

森の中を、裸足で歩む一人の女性。
ぼやけた輪郭を伴い踏みしめる茂みを押し潰していく。
体を揺らしながら一歩ずつ進んでいくその姿は明確に幽鬼の類と分かるもの。
だがそれは樹木に触れ、花を踏み散らしながら歩みを進めており、明確に物品へ接触できることを示していた。

幽鬼は時折周囲を見渡し、そしてまた歩み出す。
その姿が不意に掻き消え、しばらくして数歩先に姿を現す。

その度に少女へ、大人へ、妙齢へ、スレンダーへ、豊満へ姿を変えていく。

やがて、その身にまとう着衣が靄に濡れて、みちりと、体に張り付いていく。
獲物に求める精気を欲するように、その精気を得る手管がなんであるか示すように
その隆起を衣服に表して。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」に幻魔マーチヘアさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」から幻燈の亡霊さんが去りました。
幻魔マーチヘア > 大きな樫の木の枝の上からふらふらと目的なく歩むその姿を見やる女の姿があった。今まさに蠢く幽鬼や小鬼、場合によっては飢えた狼の群れトロルなどの魔族すら時折姿を見せるこの森に分け入るのは、よっぽど山野なれした猟師、薬草摘み、あるいは依頼を受けた冒険者の類が大半だが女はまるで王都の富裕地区のクラブやカジノで姿を見られるような、淫靡なディーラー衣装。あきらかに森に分け入る装束ではないし、その頭にはミレー族の希少種に似たウサギの耳が生えていた。

「ふぅん、あれがねぇ……低俗な色情霊にしか見えないけどねぇ……」

幻魔マーチヘア。サーペント・カバルなるマグメール王国転覆を狙う魔族や不穏分子による組織の一員にして高貴な身分の人間を狙いそれを堕落させることを愉しみとする魔族。

「だからこそ、それが莫大な魔力を持ってふらついてるなんてなんで誰も狙わないのか不思議だね。それほど賢そうにも見えないし……だれもいらないっていうなら、この僕がその魔力を一切合切、いただいてしまうとしよう」

そう、女の狙いは亡霊そのもの。魔王級とも言われる莫大な魔力が知性もなくただふらついている。これほどおいしい『獲物』はない。取り込んでしまえば、一気に力を増すことができるのだから。このときばかりは、マーチヘアはそう考えていた。『美味しい獲物』だと。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」に幻燈の亡霊さんが現れました。
幻燈の亡霊 > 数々の魂を圧縮した流動的な罠。
亡霊の性質を利用した、ただ獲物を襲い、嬲り、辱め、犯す。
行動そのものが製造目的と言う悪趣味な被造物。

その情報、目撃談は逃げおおせた者から伝わる口伝。
だからこそ、伝わらぬ性質。危険性が潜む。

「……ァアアアアアア……。」

見つめられていると気づかず、地上を進んでいく亡霊はまた姿を消し、別の姿になる。
その亡霊が群れであり、その魔力を検知できる範囲内に無数に潜んでいる。

それまで歩いていた亡霊は、別の亡霊と位置が入れ替わり、そして貴女のすぐ背後に浮遊していた。

「……ァハァアアアアアア……♡」

獲物を見つけ、嗤う。粘りつくような淫猥な唇の歪めようと共に、獲物の嗜好、感情、意識を汚染していく。
それは背後からだけではなく、一体が見つけた獲物へ周囲から大小さまざま、長短それぞれに送り込み、
焦点たる獲物に至る頃には複合していく。

その結果、秒単位で対魔力防御の波長が変化し、相手が抵抗を試みても乗り越えてなだれ込んできて脳を揺さぶってきて。

幻燈の亡霊 > 【部屋移動します】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」から幻燈の亡霊さんが去りました。
幻魔マーチヘア > 「っ……!?」

幻惑の名を持つ魔である僕が気付けない?そんなことすら考える余裕すら無く、粘りつく悪意に絡め取られた三月兎は——。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」から幻魔マーチヘアさんが去りました。