2025/01/11 のログ
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ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  ――冒険者は今日も世界中を闊歩する。
 秘境に廃墟に暗渠、平和な街にも過疎化した村にだって。
 彼らはどこにでもいるし、ここにもいる。

 そんな世界中に散らばる冒険者の一人。
 血の気の多く特攻型なヒーラーという周囲に迷惑かけがちな冒険者女子19歳は森の奥で苦境に喘ぎ……というか叫んでいた。

「まーよったああぁぁぁぁ!」

 シンプルに道に迷いました。地図を見間違ってしまい。コンパスも狂っています。方角も凡そにしか分かりません。
 安くはない価格の正確で分かりやすい地図、これがあればこれをきちんと読んでいればまず迷うことはない――それが油断に繋がったと思う。
 最初は順調に目的地を目指して進めていたし、目印も逐一確認できた。
 よしよし、ばっちりだ。思ったより早く目的地に着けそう。
 そんな油断が命取り。
 少し入り組んだ分岐で方向をたった一度間違えてから総ての歯車は狂いだした。
 気づいて戻ろうとした頃には手遅れで、現在地が分からなくなってしまって。当方に暮れる…哀しい今ココ。

「どー……しよう……こんな時に限ってソロだよ……変に存在アピって山賊とこんにちはするのも困るし……かと云ってこのまま遭難してロストはもっと御免だ……うぅ~ん……」

 こうなったら最悪、山賊にでもいいから出くわして云うこと聞くふりをして場所を把握してから隙を見て逃げて……と大分場当たり的かつ短絡的思考を巡らせ。

 もしも運が良ければ気のいい冒険者とか行軍中の騎士団とか善性の高い旅団に出逢って助けてもらえるかも知れない。
 だから、肚を決めて救難信号を発射することにした。

「誰かッ……気づいてください……!!」

 非常用に持っていた魔道具。救助を請う狼煙を焚ける細い木製のスティックを足元の地表に差して少し離れ。もくもくと上がる救難を知らせる赤い狼煙を祈るように両手を組み合わせて見守り、一か八かで救援を待つ、どきどきはらならなひと時。
 ひしめき合うように生える森の木々の間から細く目立つ狼煙が真っ直ぐに天へと上がっていた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からティアフェルさんが去りました。