2024/12/01 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にリーさんが現れました。
■リー > 突然に振り出した雨から逃げるように森の中を走り、目についた洞窟に飛び込む。
飛び込んだ直後は何かの巣やダンジョンではと警戒したが、奥は少し入れば直ぐに行き止まりという浅い洞窟、何かが住んでいるような様子もないので安堵の息を吐き。
「何かの巣じゃなくてよかった。けど、ついてないよな」
朝から天気が良かったので雨の対策をしないままにやって来たせいですっかりとずぶ濡れ。
日帰りで薬草を採取して戻るつもりだったので勿論着替えもない状況。
寒くなりだした今の季節では風邪を引いてしまう、それは困ると考え、浅い洞窟内を探り燃えそうなものを集める。
そして集めたそれらを纏めて火をつけ暖をとれるようにして。
「これでたぶん大丈夫。早く止んでくれないかな」
そう口にしては巣窟の中から雨が降る外、空を見上げて口にし。
上着を脱いで火のそばにおいて少しで乾くようにし、そしてそのそばに座って暖を取って。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からリーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 「ほんとやだー!!!」
半泣きで叫びながら枯れ木の森を駆け抜けてゆくヒーラーが一人。
尾を引く悲鳴に食い下がるようにその背後を吠えたてながら追跡してくるのは数頭の野犬。
そう、ただの犬。
魔物でもなんでもない森の動物である。
「いーやーああぁぁあぁぁあぁ!! ほんとやだ!ほんとやだ!ほんとやだあぁぁぁ!!」
しかしまるで、ヘルハウンドの群れにでも追われているかのように切迫した絶叫を森閑とした枯れ森に響き渡らせ、泣き濡れた必死の形相で、木の根を飛び越え大樹をよけ、時折枝に顔面から突っ込んでひっかき傷をこさえながら逃げ惑う、ジョブヒーラーな冒険者。
死ぬー死ぬー追いつかれたら死ぬー!と恐怖を強張った顔面に貼りつかせて、ばうばうと吠えながら追ってくる野犬、三頭にとても普段、オークであろうが殴りかかっていくような威勢は微塵もなく。
まるで気弱でか弱いただの街娘がごとく泣き叫びながら逃げの一手。
――極度の犬恐怖症。
犬に呪われし一族の娘。
……端的に云えば犬が怖い。とても怖い。異様に怖い。
磨きぬいたような雲の影もない、キンと冷えた夜空の下。
枯れた細木の木立を半ばパニック状態で野犬とデスレース。
こわいこわいこわいこわいこわい
たすけてたすけてたすけてたすけて!
「助けてー!!」
およそ助けなど望めるはずもない宵の枯れ森に大層無意味な悲鳴が響き渡り宵闇を真っすぐに劈いていた。
■ティアフェル > 「っきゃ……!?
あっ……きゃああぁあぁぁぁ!!!」
ひと際に大きく鳴り渡る悲鳴。
もともと二足歩行と四足歩行。機動力が大いに違う。
そこまで逃げおおせただけで大した奔走振りと云えたが。
二足歩行の人間は四足歩行の獣についに追いつかれ、枯れ木の合間に背後から跳びかかってきた一頭に引きずり倒され。
それを皮切りに外の二頭も一斉に襲い掛かり、
「っひ、あ゛!! いや! 痛い! 痛い…!
きゃああぁあぁ!! やめて! あ゛…!!」
前足で引き倒されて大きなマズルをばっくりと開け鋭く生えた凶悪な牙で肩口に嚙みつかれ、脹脛にも食いつかれ鮮血と悲鳴が枯れ森の一角へ飛び散った。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にゴーザさんが現れました。
■ゴーザ > 「♪~~」
森の中のちょっとした空き地。
辺りの藪を薙いで地面平らに均せば軽い野営なら出来るかもしれないが、
道から外れすぎている事から放置されている場所。
そんな事は知った事ではなく、たまたま捕った鹿を住処に運ぶのが面倒くさいので、
近場にあったこの地で火を起こして丸焼きなど作っていた白魔族。
唐突に響き渡った悲鳴にも焼けていくシカの方が気になって、
最初は無視していたが、続けての声に聞き覚えあると知ると、
声した方向に顔向けて、一つしか無い目を凝らす。
木々の発する精気に紛れて見にくいが、ヒト型の影が一つに
それを追う魔力弱めの獣らしいナニかが・・・3つ?
追われる対象が何であれ、更に聞こえてきた声が明らかに危機迫るものであったから、
こうしてはおれんと真っすぐにその方向へ向かって走り出す。
最近足音消して容易に居場所悟られない方法見つけてはいたが、
それを使うために集中するのが面倒くさいのと、
弱い奴と戦いたくないので追手がそれ聞きつけて逃げ去ってはくれないかと
淡い期待込めて、わざとズシンズシンと重い足音響かせて。
相手に対する若干の脅しの意味も込めて、自慢の板剣を背中の背負い袋から抜き放ち
右手に構えたまま突き進んで。
■ティアフェル > 「痛いってば…! 放して放して!! やめて……!
こ、っの…!!」
犬怖い犬怖い犬怖い!
全身全霊怖い!!
だから、抵抗するのも必死でもう本当、命からがらな状況。
首元に噛り付かれでもしたらお終いだ。
うつぶせに犬に押さえつけられ食いつかれながらも懸命にもがき、肩口に食いついてくる野犬を撥ね退けようと反転し、その反動でスタッフを握った腕をスイングさせた、その時。
仲間二頭が襲い掛かっているのに加勢しようとしていた一頭が、近づいてくる足音にいち早く気づいて耳をぴんと立てた。
ウル…と喉奥で戸惑たような喉声を洩らしては抜剣し近づいてくる気配を察知したか、身を低くしてあからさまに警戒したように低く啼き。
襲い掛かっている二頭と襲われている一人は攻防に必死でまだ気づかないが、枯れ木立の向こうから迫りくる不穏な白い影に気づいた一頭は本能的に危険を察知したか、尻尾を巻いて仲間を放って一目散に逆方向に駆け出してゆき。
残された連中はくんずほぐれず、悲鳴と啼き声を絡み合わせ揉みあっていた。
■ゴーザ > 「むう・・・やはりか。
おうい、ティアフェル! もうすぐ行くからもう少しふんばれぃ!!」
走り続けるうちに見えてきた獲物と狩猟物・・・獲物の方が何度か顔合わせた
剛毅なくせにイヌ科の動物苦手とする娘と理解すると、大声張り上げて
助けが来たぞと知らせる意味も込めて叫び。
3頭の内一匹逃げたのには一瞬視線向けただけにとどめ、
未だに娘の体に噛り付く2頭に狙い定め、近くで足止めると同時に
ぶぅんと板剣を横なぎに振るう。
久しぶりの肉の感触に夢中で白魔族の接近にも気づかなかった狼共の背中に
まともに当たったのなら、いかに頑丈な野生の獣といえど吹き飛ばされるのは
必然と言ったところで「ギャイン!」と悲鳴めいた鳴き声あげ。
娘の体から狼が離れたのを確認してその間に体割り込ませ、
白い甲殻に包まれた巨体で仁王立ちして
「おぬし等・・・今立ち去るなら、吾輩の誇りにかけて
今日の所はこれ以上の事はせん。
・・・だが、どうしてもこの娘を食いたいというのなら
その前に吾輩が相手になるぞ。
どっちでも好きにせい、だがここから先は一切情けはかけんぞ、どうする?」
・・・いかにも親切めいて話しかけているように見えるが、白魔族の口から
放たれているのは王国共通語。
つまり獣たる彼ら狼に理解できるはずもなく、また理解させるつもりも無い様。
しかしその巨体と迫力、そして明らかに自分たちに向けられている武器を見れば
言葉通じずとも言いたい事は判るだろう。
実際、狼共は不満げに「グルルル・・・」とうなり声あげたものの、
不意打ちでの打撲は相当の痛手だったらしく、仁王立ちの白魔族と
傷の痛みに顔顰める娘に一瞥くれると、若干ふらつきながら森の奥へと
歩み去っていき。
狼たちが木立の間に消えていくのを見届けると、ふう、と一息つきながら
背後の手負いの娘に振り返り。
「久しぶりと言いたいところだが、それどころではないな。
傷が痛むならしゃべるな、頷くか首を振るだけでいい。
吾輩用の傷薬なら手持ちがあるが、使ってみるか?
自分でどうにかなりそうならそれでも構わんが、落とした荷物などが気になるなら
背負ってやるから拾いに行くか?
それとも・・・近くで火を起こしておるからとりあえずそこまで運ぼうか?
どうする?」
別にこの場でティアフェルが落ち着くまで待っていても
さほど問題はないのだが、ただでさえ暗い森の中に留まっているというのも
何だろうととりあえずの提案してみたり。
■ティアフェル > やはりです! わたしめです! 犬ヘタレです!!
……と、元気に返事する余裕もへったくれもないので。
ただ痛くて怖くて半泣きで我武者羅に滅法やたらと暴れ藻掻いて。二頭がかりで蹂躙しようと食らいつき圧し掛かる野犬と悪戦苦闘していたが。
やがて仲間意識の薄い賢しい一頭がいち早く去り、窮地に駆け付けた相手が犬どころか人間どころか竜ほども一刀で斬り伏せそうなほどの板剣を大きく薙いだかと思えば、足にしつこく食らいついていた一頭が紙のように吹っ飛ばされ。
「―――!? なっ、あ…!? えっ……!?
ご、ゴーザ……さ……?」
噛みつかれてなっさけなく動転していた犬恐怖症ヒーラーでしたが、犬を引き剝がしてくれたはいいが、およそ人語など解さぬであろう連中相手に言葉以上の威圧で凄む真白く大きなその人。
大きく目を見張って、犬に引き倒されてへたり込んだままぽかんと見上げ。
「~~~~っ」
圧しているのは犬に対してだが、その重苦しいまでの威圧感にぞくりと身震いし。
こちらですらそうなのだから、当事たる犬としたら到底敵うはずもなく戦わずして敗走するしかない。
呆気にとられてその人の出現であっという間に落着した一連の光景にただただ腰を抜かしたまま目を見開くばかりであったが。
窮状を力技で打開してくれたそちらから振り返っての言葉をかけられると、数秒遅れてはっと我に返って反応し。
「ぇぁ、あー……だ……、大丈夫……、じゃないけど……大丈、夫……? ってか、まあ、おかげさまでなんとか……?
ぇと、あと、う、と……や、優しすぎか……! おとんか! 見かけを裏切り倒した世話好きか…!
すげーありがてえわ! めっちゃありがとう!」
あれこれと親切に気を回して言葉を次々に賜って、ちょっと動転した気持ちが抜けない脳では即座に処理しきれずにいたが。
ともかく――とんでもなくお世話をおかけしているのは間違いないので、ありがとう!!と体育会系のお辞儀!
ぺこり!と頭を下げた後は、あは、と汚れて血塗れて髪も衣服も乱れて散々な有様のまま笑って。
「へーきへーき、これしき……わたし、自分で、どう、に、か……~~~……」
どうにかする、と返事をしかけたが気が抜けてどっと脱力してしまったか、緊張の糸が切れて意識の糸も切れて、ふー…と笑ったまま横に倒れた。