2024/11/29 のログ
:: [一覧へ] :: :: ::

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 秋から冬にささかかる自然地帯の川辺
水が凍るでもないがこの時期は流石に冬といってもいいぐらいに寒い。
草木も葉を落とし草原も先端を黄色から茶色へと変えていくこの冬の川辺に少年が立っている。
まだ幼い、という表現が合いそうな少年だ。 白いローブを身にまとって、めずらしくフードをかぶり震えている

「うーーさぶさぶさぶ」

本当はこんな寒いとこじゃなく王国の街や学園でやりたかったけど、自分が全力を出すと周囲が危ないことぐらいは理解してる少年は、ぺちぺち、とほっぺたを自分で叩いて

「よーし、とっくんだ!」

ふんす!とほっぺたを膨らます。
魔法の練習――少年は人間ではあまりに高難度の奇跡とよべるようなものはいくつも扱える。
たとえば、空中を「踏んで」「蹴って」駆け上がったり
たとえば、浮遊、飛行ができたり
たとえば、武器の巨大な大剣を虚空に「しまう」ことができたり
たとえば、抱っこしてもらいやすいように体重を猫やぬいぐるみのように感じるように重力をよわくしたり

トンデモなことは出来るが少年にとっては理屈ではない自然な行為。 呼吸は誰にでも出来るけどそのメカニズムなど考えたことがないようなもの。
だから、少年は魔法らしい魔法があまり使えない。 唯一重力で相手を遅くするものだが、それもバレバレの予備動作ととんでもない時間で見え見えのモーションで行うことが殆どなので全然実践的でない。

「まほーのや!まほーのや!」

両手を広げて、自分の前に。
矢をイメージして魔法を組み立てる――そして
――どーなつたべたい

ぽむっ

と、魔法でできた輪っかが生まれる。光る輪っかはそのままぽてんっと地面に落ち、霧散する。

「……むーーーーーー!!!」

シャルティア > 「えいっ! えいっ!」

両手を広げたまま上から下に勢いよく振り下ろす
魔法の矢の一本もうまくできない。 人間の魔術師でも何本も同時に放ったりする基本的な攻撃魔法の一つであるが少年が生むのは光のちっちゃなボールだったり輪っかだったり

「むーー、えい!」

ぽむ

ようやく大きな魔法の矢が一本、ふよふよと眼の前に発生する。少年は顔をきらきら輝かし

「おおお、やったやったやったー♪
よーし、今度は発射だ! ……ごー!」

…………

「?? んと、んー、ごー!」

…………
その場に浮いた魔法の矢はうんともすんともしない。 空中に浮いてるだけ立派なものだが、少年の魔法に全く反応しないのだ

「むー……! むむむむむむ」

少年はほっぺたをぷぅぅう!とふくらませる。
とうとう怒ったのか、魔法の矢をむんずとつかみ

「えいっ!」

振りかぶって手で投げてしまう。
ごぅっ!と豪快な風切り音を唸らせた魔法の矢はまっすぐ正面の小さな樹木を貫いて消えて

「むー、投げたほうがはやいじゃん!」

少年には得意な能力がある。 シンプルな怪力だ。
人間と比較して、ではなくオーガや魔族や、それこそ魔獣と比較してもとんでもないパワーがある。
戦い方も技術とかではなく巨大な武器を力任せに振り回すという戦いというより武器を持って暴れまわるというものだ。
脳筋というか難しいことに頭が沸騰するタイプなので結局魔法の矢が出来ても投げたほうがはやいんじゃね?となってしまう

シャルティア > 「やっぱ、武器で叩くほうがはやい!」

少年が右手をかかげると、なにもない虚空からしゅるんと巨大な大剣が現れる。
両刃の左右対称の剣、ただしその長さは少年の身長の倍はある。 人間の戦士にすら扱え無さそうな、オーガですら両手で持つ必要がありそうな巨大な剣。
それを少年はまるでおもちゃのようにぶんぶんと右手だけでふってから両手で握り直す。
小柄な少年の二倍以上の長さの刀身は幅も広く、その重量だけで大体のものは潰せそう。

「スーパー、すぺしゃる、すらーっしゅ!」

どすんっ!
軽々とふりまわされる大剣。 それは地面を割るように突き刺さる。それを軽々と持ち上げ直して担いで。

「ふっふーん、魔法なんかできなくても強いから平気!」

魔法の勉強はどこへやら、ぶんぶんと元気よくその場で剣を振り回し始めて

シャルティア > 「さいきょー! どっかん! どっかん!」

元々人懐っこいし、決して暴力的な性格ではない。
むしろ街では困ってる人の手伝いをするし、褒められるという一点の理由だけで忙しい酒場の手伝いをしたりもする。
とはいえ戦闘用ゆえに教育はうけてるのか、こういうときだけはド派手に剣を振り回す。
大ぶりで雑だが、その膂力故にとんでもない速度で重量感のある大剣が振るわれる。岩の塊すら粉砕しそうなその剣撃を虚空にふりまわす。
やってることは太めの木の枝を剣に見立てたごっこ遊びだが持ってる獲物も振り回す力もとんでもない。

「よし、訓練おわり!」

魔法の練習にきたのを忘れ、剣を散々振り回してそれに飽きたのか大剣を放り投げると、大剣は虚空にしゅるんとしまわれる。
少年は街の方へと飛び去っていき

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」からシャルティアさんが去りました。