2024/09/21 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル > 「あぁあぁ!もうー!!」

 冒険者が狩場にしているとある洞窟の奥深くで、魔物の脳天をスタッフで勝ち割りながら焦燥と苛立ちを混じらせた声を上げるヒーラーが一人。
 ただいま所属する固定パーティもなく、冒険者ギルドで簡易パーティのメンバー募集を行っていたため、試しに参加してみれば寄せ集めも甚だしいぐだぐだなパーティで連携もまったく取れず――魔物に襲われてあっさり散開してしまい、はぐれて迷って今に至る。

「一応!これでも!後衛職!なんで!これは……きついって…!!」

ヒーラーの癖に多少の体術は心得ており、雑魚くらいなら何とかなるが。それにしても囲まれればやばい。

「ぎゃーっ湧いてきたー!!」

 気付けばどん詰まりでコボルトの群れに包囲されていた。
 本格的にやばい。

ティアフェル >  とにかく死にたくなければ手当たり次第、間合いに入って来るのを叩きまくるしかない。
 問題は体力が持つかどうか。
 細腕の割に意外な馬力でガンガン殴り倒していくが、やがては肩で息をし出してスタッフを握る手も痺れてくる。

「結構……やったのに……まっだ……いるの……?」

 もう勘弁してくれと吐きたくなる弱音を飲み込んで、

「せい!!」

 横合いから殴りかかってくる一匹をスタッフで薙ぎ倒し、その隙に正面から飛びかかって来る一匹の顔面を蹴飛ばした直後に斜めから新手に引き倒されて首筋に咬みつかれ、悲鳴が上がった。

「っあぁ!!」

 瞬間、血飛沫がぱっと紅く散って斑に染まりながらも、ぐっと牙を埋めようとしてくる子ども程度の体躯のコボルトの頭をつかんで引き離そうと抵抗しじたばたと悶え踠き、

「いや…! 痛い!! 痛…っ、やだ!! 放…して! や! いやあ!!」

 血生臭く焦燥に満ちた悲鳴が洞窟に反響して鳴り渡っていた。

ティアフェル >  もー…だめかぁ……

 肉に喰い込み動脈まで達して噴き出す血飛沫に視界は紅く霞み、悲鳴も嗄れて気が遠く――
 死相が浮かび瞳から光が失せて来て走馬灯が走り、ここで終わりかと己の最期を思いかけたが。

 今一歩遅ければ鬼籍に入っていた、というところでギリギリ駆けつけてきたパーティメンバーに救助され。

「……間に、合った……
           ほんと今日もう……帰ろ……」

 命あっての物種。こんなところでうっかり落としてられるかと。
 からがらに命を拾い上げて大事に抱えて回れ右、慌てず騒がず急いで帰路に。道を引き返していくのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からティアフェルさんが去りました。