2024/08/27 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にレンさんが現れました。
レン > 「はぁ~……やっぱ自然の中は安心すっぺなあ」

王都よりほど近い森林地帯。木々が鬱蒼と生い茂り、辺りは薄暗く辛うじてまだ日は落ちていない事が察せられる程度。
そんな場所にあって、安堵の溜息を吐く少年がひとり。
学院の課題で郊外での薬草摘みへとやって来た少年は、心地良さげに深呼吸して近くの倒木に腰を下ろした。

王都から遠く離れた辺境の田舎の出身なだけあって、野外活動は慣れたもの。
王都の市街を歩くよりも断然歩きやすく、鼻歌交じりに薬草を探していたのだが、

「う~ん、これで迷子さなってながったら、言う事ねぇんだけんど」

久々の故郷に似た風景にテンションが上がり過ぎてしまった事が災いし。
気付いた時には自分がどちらから来たのか、王都はどちらなのか、さっぱり分からなくなってしまっていた。
まだ本人的に深刻そうで無いのは、迷子初日であるからだろう。
これがあと3日も経てば、いよいよ泣き言の一つも漏れ始めるのは想像に難くない。

レン > 「進むか、戻るか……こういう時はあんま動かね方がええはんげ、じっとしてた方が……」

倒木に腰掛けたまま天を仰ぐ。
頭上には空が窺えない程枝葉が広がり、太陽の位置さえ掴み辛い。
まだ日は沈んでいないものの、夜になってしまえば月の光も届きにくい事だろう。
そうなると厄介ではある。
獣に野盗、魔物が現れないとも限らないし、もし現れたところで対処する術がない。

「野営の準備も持って来てねんではげ、そったら樹さ登って枝の上で夜を明かさねば分かんねなあ……」

木登りは得意ではあるが、一番近い枝でもレンの身長の倍の高さにある。
これは少し骨が折れそうだ、とうんざり気味に首を振った。
とすれば、少しでも登りやすそうな木か、一晩明かせそうな洞窟などを探さなければならない。

レン > 「真っ暗になってまう前に、夜を明かせる場所さ探すとすっかね」

よいしょ、と腰掛けていた倒木から立ち上がり、再度頭上を仰ぐ。
遠くからどこか奇妙な鳥の声が聞こえ、いよいよ日没が近いことを察すれば、
自らの体より二回り以上も大きめに誂えられた制服を藪に引っ掛けない様にと気を付けながら木々の合間に消えていった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からレンさんが去りました。