2024/08/16 のログ
影時 > 「他所の風習までは生憎詳しくなくてなぁ。
 だがまあ、雑草を払って、花を供えるだけでも……休まり易いとは思うんだが、ね」

別段死者に恩を売りたいわけでもないが、袖すり合うのも何とやら――だ。
膝上に放り出した布袋より、干し肉を一欠けら取り出し、齧りつつ嘯く。
冒険者の出自は色々だが、自分のような余所者、口減らしの体で故郷を離れた者の場合、誰がその死を覚えているものか。
最悪、冒険者ギルドの帳簿に残った記録がその生、その存在を辛うじて留めているということすら在り得る。
死して屍拾うものなしとは云うが、最初からその覚悟が決まっている人間が、どれだけ居るか。
否、流石に居るまい。そこまで悟っている人間が、一天地六の道理に左右されるような生き方に身を投じるものか。

「ただまぁ、あちらこちらに迷宮やら何やらの入口が散らばってると、巡るのも骨が折れるな……」

功徳を積むつもりでもないが、このような生活、生き方が続いていれば、多少なりとも縁起を担ぎたくなるものでもある。
死ぬ気はまだまだないが、万が一がない、とは言えない。思わぬ事態が想像を飛び越えて起こるのが冒険だ。
くいと呷れば喉を焼き、臓腑を刺激しながら胃に落ちる酒精に、ほ、と息を吐く。
そして獣除けも兼ねて焚く火の様子を確かめ、拾った枯れ枝を足す。

影時 > 「……この手のあれこれをすこぉしでも手厚く、とか云うと……煙たがれンだろうなあ」

この考え方は祟られる、墓穴から這い出てくるのを忌避するというのもある。
死体を焼却しているならいざ知らず、迷宮で死んだものが原形をきちんと残しているか、と云うとそうではない。
穴を掘って埋める段階で神官が居れば祈りの文句でも垂れてくれただろうが、生憎余所者だ。
その手に詳し――そうな知り合いはいるが、そうそう都合よく居るとも限らない。世の中そんなものだ。
嘆息と共に干し肉の端っこを咥えつつ、もう一杯。景気よく花火でも焚けばいいが、事前の持ち合わせはない。

「空けたら――帰るか」

足元に置いた酒瓶をこつんと叩き、空になった酒杯に酒を注ぐ。
度数は強いが、火の照り返しを受ける顔に赤みが余分に足されることはない。喉越しと酒精の強さを楽しみつつ、微かに生じる酩酊感を味わう。

顔を上げれば流れる川があり、生死も等しく流す清流に月が映る。
月はただ浮き世を見下ろすのみ。微かに鳴く虫の声に目を閉じつつ、独りの酒盛りを続け――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」から影時さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」にドリィさんが現れました。
ドリィ > 「ふぅ。これで───ヨぉシ。」

樹木を利用して縄を架けて張った即席の天幕を設置し終え、女は掌を払う。
あとは夜が来るのを待つだけだ。女はギルドより得た依頼に訪れていた。

報酬は高くない。だが、依頼内容に興が乗った。
今宵、何の因果かは知らぬけど、泉の蓄積魔力が高まるらしい。
月明かりを浴び凝固し、美しい結晶が育つという。

浄化作用、ひいては触媒的価値。
泉の効能を凝集したかの作用が見込まれるというけれど、

───何とも魅惑的ではないか。

単純に、輝石がうまれる神秘にお目に掛かりたい、なぞという好奇心だ。
女は、光りものに目がないがゆえ。

「あとはぁー…、暫し寝て待てってカンジ、かしら?」

んっ。 伸びヒトツに息を詰め、弛緩させながら。
女はその、紫桜と夜露の彩入り混じる、夕暮色の双眸を泉に侍らせた。
魔物除けの符を焼いた灰を天幕の隅に撒き、樹膚に背を預け、場に膝を折る。
少し早く着きすぎた。まあ、のんびりと過ごすもまた一興だろうと。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 茹だる暑さで涼をとりに、近くにある泉を思い出して男は立ち寄った。
妖精の泉、曰く不思議な力を宿すことがあるという話だが詳しくは知らない。
どちらかといえば眉唾物だと思っている。

別に対入り禁止になっているような場所でもないし、片隅で汗でも流そうと。
泉の片隅で水を浴びて、一息ついて半裸でぐるりと泉を巡ると野営をするための天幕を引いた場所が目に入った。
興味を持って覗いてみると、随分な美人が寝転がっている。

「おや、こんなとこで美人が一人で野営かい?」

美人を見たら声を掛けずにいられない、というか下心が隠せない男は、声を掛けていた。
半裸の恰好は警戒されるかもしれないが、汗臭いよりは水浴びあとの方が良かっただろう。
あとは変なものを隠し持っていない程度の証明にはなるかななどと思い。

「俺はグスタフっていう……ちょっと水浴びに寄っただけなんだがね。君は?」

上から下まで舐めるように見ながら自己紹介する男は、
値踏みするより彼女の服の上からでもわかるプロポーションに感心して顎を擦った。

ドリィ > 泉縁であり、緑蔭も深い。翳りにいれば些か涼しい風も吹く。
寛ぎながらにカンテラに先日洞窟で拾った氷馬の鬣をくべれば、即席の冷房だ。
さてこれからどうしようか。読書とでも洒落込むもいいし、昼寝も捨てがたい。
一先ずに荷に括ったスキットルの蓋を捻って軽く一杯──‥

などと思っていたところ。どうやら客人の模様で。
樹に背を凭れさせ、むっちりと肉付き良好な長い脚を優雅に放り出した女は、
スキットルを開ける中途の手許をそのままに、双眸、驚いたよに丸めてみせ。


「───…? あら。どぉも?」

小頚を傾ぎ気味に戯けてみせた。

「ひょっとしたらバカンスかもしれなくてよ?
 水浴び場所はあちらですけれどぉー…… 迷子かしら?」

顎で示すは男の真後ろにあるだろう、迷いようもなく堂々と存在する泉だ。
目の前の人物が肢体に視線を這わせる意味などわかるし、
其処で初心を気取るおぼこでもないがゆえ、
女はこれ見よがしにゆったりと投げ出した脚を組み替えて。

グスタフ > 「水浴びは先に、済ませてるんだ。
 バカンスだったら、他を案内するよ。ここはちょっとね長居するには……」

水も滴る、というほどでもないが濡れた髪を掻き上げて、肩をすくめると、
目線を合わせるように目の前に顔を寄せると囁いた。

「……妖精の泉ってことくらい知ってるんだろ?」

目線を引かれるのは組み替える脚や、豊満な胸の谷間だ。
近付いた時に、女の香りを嗅いで、内心舌なめずりをする。

「もしかしてその妖精狙いなのかな? そう簡単には会えないと思うけど……。
 ああ、邪魔をしようってことじゃないんだ。それなら暇つぶしに俺と遊ばない?」

言いながら、彼女の脚の上に手を優しく置こうとする。
言葉は続く、吟遊詩人が謡うような言葉を低い声で吟じる。

「嘘か誠か、妖精に会う時は男女ペアでいた時のほうが会えるらしい」

ドリィ > 男の容貌が近付く。
屈め腰に陰翳を刻む体躯は、随分と鍛え抜かれているように見え。
男の忠告めいた物言いを面白がるように、女は笑って続きを促した。

わざとらしく、男の眼差しに長い睫毛に縁取られた視線を据えながら。

「妖精との逢い引き狙いなら、貴男と遊ぶのはぁー…どうかしら?

 ッぁ、は。…それ、嘘?誠? 得策じゃあないように思うけれどぉー…」

適当にいなして遊んで帰すか、なんて思っていたところ、
──男女ペア云々、に思わず形良い唇が吹き出した。
隠す気もなさそうな下心というか口説き文句というか、に少しばかり可笑しくなってしまったのだ。
脚に置かれた掌の、甲を人差し指の爪先で、つぅ、となぞる。

「───貴男と過ごしたら、どれくらい逢える確率があがる?」

瞳細め、男の鼻先に囁き問うた。
妖精に逢うのが目的じゃないけども、まあいい。
どうせ日が沈む迄は暇なのだし。

グスタフ > 「妖精との逢引き狙いだって?」

彼女の言葉に、本当かい? といった響きを返して。
口ごもるような仕草から馬鹿みたいに真剣な口調で言い切る。

「それなら100%だな」

大きな瞳に吸い寄せられるように、視線を交わす。
男の瞳はまっすぐで、嘘をつくときの動揺は見せていなかった。
更に顔が近づいて、声を潜ませる。秘密の会話をするように。

「俺が妖精だっていうことを信じてくれればだけど」

彼女のなぞる指を追って指を絡ませ手を取ると、耳朶に唇を寄せて、そう嘯いた。
この瞬間に目の前の女を口説くことに刹那をかけているだけではあろうが。
唇が触れそうな距離を狭めていく。

ドリィ > 「100パーセント?」

男の放った口調を模倣するように、
信じ難さをふんだんに調子に交えて問い返したなら。

男から再度返るだろう言葉に、女が思わずに瞠目した。
夕暮空のグラデーションを宿す双眸が、瞬きに睫毛を揺らし、
予想外の「秘密事」に囁かれる低音に、にんまりと口元が弧を刻む。

「貴男が? 妖精??
 ─────…ふっ、 クク…あはは! 想像してた妖精とだいぶ違うわ。」

もしも男が真実妖精であったら大分失礼な笑いになるだろうか。
くつくつと堪えきれぬに肩を揺らし。
詭弁弄弁の類としても、随分と酔狂で堂に入っているし、
これはちょっと、男の言い草が気に入ってしまった。

「貴男が妖精だっていうならぁ、─… くくっ… キスくらい、してみちゃってもイイかもぉー。」

握られる手を厭わず、そのままにさせたなら。
女の唇が舌先をチラリと覗かせ、己が唇を舐め濡らすことをして。

グスタフ > 「よく言われる。想像と違うってね」

肩をすくめて、笑い合う。彼女が笑ったのが嬉しかったし
その笑い声が心地よく、どこか緊張していたやりとりが和らぐ。
一息ついて、低く腹に響くような声で言った男の言葉は力強かった。

「だから、君の想像している妖精とはちょっと違うかもしれないけど――」

彼女の想像と違う”妖精”は、そのまま誘われるように舌先を見せた唇に
その舌先を絡めとろうと、唇を押し当て自らの舌を伸ばす。
空いた手を彼女の胸元に寄せて押し当てて、その柔らかい感触を味わいながら谷間にまで伸びていく。
男を前面に見せて、彼女を逃がさぬように求める様は、喉の渇きをいやすように彼女を求めた。

「”妖精”と愉しむならキスだけじゃ、勿体ないと思わないかい?」

握った手を男は自らの股間に押し当てて、むくりと擡げさせたその巨根をなぞらせた。
初心な娘なら怖がるかもしれない大きさではあるが、彼女を愉しませることができると誇示した。

ドリィ > 「よく言われるの? あは…ふっ…クク…。人前に姿を現すのが好きな妖精さんなのかしら?」

嘘か誠か。───最早、どうでもいい。
伝聞にある妖精と掛け離れた容姿の妙齢の男の弁舌の豊かさは、誘われるに足りる愉快を齎す。
だから、女もノるのだ。退屈凌ぎにはもってこいだというように、実に楽しげに。
酒も入っていないのに、まるで酒席での戯言めく男の文句を瞳細めて聞き。

「違うかも、しれないけど───…? ン…っ…」

押しつけられた唇と、ぬめる舌の感触では、男が泉の妖かなんて知れない。
ただ、水の滴る屈強な半身は、抱かれる相手としては好ましい。
反して女の肉体は、衣装を纏っていてもはちきれんばかりに豊満で柔らかで。
露わな胸元の谷間は深くむっちりと肉を盛り上げて、
片手が玩べば、その柔い白肉はたゆたゆと揺れ動くことだろう。

指先が、充分過ぎる質量を湛えた巨根の膨らみに触れる。
女の指が、掌が、むにゅりとその膨らみを柔く揉みしだき。

「ン、は…ぁ…。愉しんでる間に、泉に引き摺り込まれるのは、やぁー…よ?」

囁く。“妖精”の誘いをどこまでも、面白がるように。

グスタフ > 「人前に出るのは、もう少し控えた方がいいかな?」


絡めた舌を解いて、悪戯っぽく返しながら、もう一度と唇に触れるようなキスを繰り返して。

「でも君に呼ばれたら、隠れてられないな。泉から妖精を引っ張り出すなんて、悪い娘だね――」

”妖精”が彼女に覆いかぶさると同時に霧がたちこめ、何も見えなくなっていった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」からドリィさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 「妖精の泉」」からグスタフさんが去りました。