2024/07/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  ――昼下がりの川辺。
 森林の間を割って流れるそこそこ幅のある川の中流辺り。午後の眩しい日差しをきらきらと照り返し、水辺ということもありまだまだ残暑厳しい中でも付近はひんやりとした風が吹いている。
 せせらぎの音も涼し気な清流には川魚などの小さな生き物や水辺に生える植物の葉や実、花などが静かに流れていた。

 そして、異物も。
 どんぶらこ、と流れるのは革袋、小瓶、櫛………

「――――………」

       人間。
 
 川の流れ、水のまにまに漂っているのは意識不明のヒーラーが一人。
 上流で足を滑らせ水中に転落し、川底に頭をぶつけて気絶。そのまま運よく仰向けにぷかーと浮いて川流れ。

 頭にたんこぶをくっつけてどんぶらこ、どんぶらこ。一見長閑に水流に乗って漂っていた。
 荷物も落ちた弾みで一緒に流されて辺りに浮いていて、完全に意識を失っている姿は水死体のようにも見えた。

ティアフェル >  うつ伏せに気絶していたら速やかに溺死していただろうが、仰向けになったのが不幸中の幸い。
 まあ、それでもこのまま平和にいつまでも漂ってられるかは定かではない。事実、もうしばらく流れていくと流れが急になり吸い込むような勢いで滝壺が待ち構えている。

 早めに意識を取り戻すべきだろうが、まだ目はしっかり閉じていて覚醒の兆しは窺えない。

「~~~~……」

 どんぶらこっこ……

 今のところ、浮力に極自然に乗り漂流物として浮かんでいたが……。
 さすがに急流に差し掛かってくると、がたがたと全身が水流に揺れて時折川辺の岩にぶつかって川面でばしゃんと跳ね――

「~~~…っ?!」

 ごち、とすでにできていたタンコブが岩にぶつかり。いー加減、目が覚めた。

 ごぼごぼ!と気泡を口から零しながら水中でもがき。さすがに寝覚めでコレではスムーズな泳ぎなど見せられるハズもなく、じたばたと溺れかける溺死予備軍な漂流者。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にゴーザさんが現れました。
ゴーザ > この魔族の行動基準は・・・まあその時々の気分で決まる。
無論最優先は「価値のある戦闘」に他ならないのだが、それが叶わなかった場合は
適当に鍛錬をするか、次点の楽しみである「食」を満足させようとするのだ。
そして今日の気分は何故か魚を食べるのに決めたらしい。
辺りに人その他影がないのを確認してから、普段通りに派手な地響き響かせ
川べりに近づいて行ったが、ようやく到着して『さてどの辺で獲物を狩ろうか』と
回り見回していると、この辺では普段あまり見かけない大型の動物・・・つまりはヒトが
川中を流れていくのが見え。

どこぞの死体でも流れてきたかとなにげなくぼんやり眺めていると、どうやら意識戻ったらしく
じたばたと水の中で大暴れし始め。
その風体・・・というか顔に見覚えあるのを確認すると、手に持っていた料理用具(薪や串代わりの小枝)を
放り出して、ざぶん、と川を横切る勢いで近づいていく。
だが、白魔族の歩行速度はあまりに遅く、このままでは女性が滝つぼから紐無しバンジー敢行してしまう方が
先だろう。
それを悟った魔族は歩みを止め、その場で『むううん・・・』と力を込めるような姿勢をとる。
そして・・・

「すまん、ティア!あと少しだけ、何とか落ちんようにもがいててくれ!!」

今まさに生きるのに必死な女性にかけるには、あまりにデリカシーに欠ける一言を。

ティアフェル >  げぼごぼがぼ!

 到底声と云えないようなものを発しながら水中で文字通りに藻掻く、マジで溺死ぬ五秒前。
 食道にも気管にも水が入って苦し気に呼気を吐きながらばちゃばちゃ水を叩いて、死ぬー!となかなかやば気な状態を晒していたものだが。
 藻掻いている最中に川辺の方で何か声が聞こえた気がした。
 あっぷあっぷと浮き沈みし、水中と地上が交互に移るブレた視界になにか真白い大きなもの映った。

 名前を呼ばれた気がして咄嗟に片手を挙げ、その手が偶然付近の岩をつかみ。
 そのまま流れにさらわれかけた身体が半分流されそうになりながらなんとか留まる。
 
「たす、助け……っ……!」

 その悲愴な声は碌に声になっていなかったし、川辺にいるその人に届いたかどうかも不明だが、溺れかけてなんとか必死に岩石につかまりながら滝つぼに向かって激しくなる流れにさらわれまいとどうにか堪えていた。

ゴーザ > 安心していい、この白魔族頭は悪いが戦闘に必要な身体能力は割と優秀で、
女性の溺れながらの必死の訴えも、その優れた聴覚にきっちり届いていた。
目測ながら狙い定めて、何とか流れに逆らっている女性と滝つぼの間目掛けて・・・

「どぉぉりゃあああぁぁぁぁぁっ!!」

飛んだ。
いや正確には体の中に溜めた空気を圧縮し、身体後部の排気口から勢い良く噴き出して
斜め上に『跳んだ』のだが、結果として女性を踏み潰すことなく滝つぼぎりぎりに着水出来た。
どぼぉんと派手な水音立てて女性に背を向ける形で無事に降り立った白魔族は、
そのまま上流側・・・つまりは女性の方に体の向き変えながら、あたりに漂っていた
荷物らしい物品を出来る限りひょいひょいと両手の爪に引っ掛けて。

「久しいの、ティアフェル。元気・・ではなさそうだが、もう安心していいぞ。
ほら、手を放せ。いい加減疲れただろう、よく頑張ったな」

・・・字面は優しい言葉に聞こえるだろうが、実際のところは生き残った事への
素直すぎる賞賛に他ならず、故にずぶ濡れの女性を引き上げて
体の冷えを防ごうなどの気づかいはなく、とりあえず女性が落ちなくなった事だけに満足していて。

ティアフェル >  岩に取り縋るようにしてなんとか流されそうになりながら踏み留まっていたものの、つるつると濡れた岩の表面はつかまりにくくいつ手が滑ってもおかしくない状態。
 身体が吸い込まれるように流れに持って行かれそうになる。
 そう長くは持たないと自覚して、お願い早く…!と切に願っていたその時。

「―――!?」

 威勢のような声と何か風切り音に似た空気の噴射する音、そうかと思えば次の瞬間には大きく跳躍した巨躯が激しく水柱を立てながら背後に飛び込んできて着水した。

 こ、この何が何やら一瞬訳が分からない感覚は――…!
 
 薄っすら覚えのあるような…なんていうか既視感。
 咄嗟に何事が起ったのか把握できない。思いがけず地雷でも踏み抜いたかと思ったような心臓によろしくない感覚。

「……っ、わっ……!? ふ、――っ…!! っは……く……ふぁ……」

 岩にぎりぎりつかまっていた指先が外れてしまって一瞬焦ったが、急流に流された身体はすぐにその巨躯に阻まれて止まった。
 そしてかけられる声はなんとなく聞き覚えが……ていうか声の前にその姿のインパクトがえぐいので相手については察しがついた。

「けほっ……ぇ、ぇ、っと……主さん……じゃなくって、えっと、えっと……」

 咄嗟に出てこない。勝手に綽名のように読んでいた方だけ出てきた。
 混乱もあるだろうか、うぬぬぬ…と眉根を寄せつつ。落ち着いて想起させている場合でもなく。

「あ、あり、がと……でも、と、とにかく……岸に……」

 引き揚げてもらった状態でとにかく沈まなくはなったが、一刻も早く川岸に落ち着きたい。
 あっち、あっち、とお礼もそこそこに川辺を指さして。

ゴーザ > 「はっはっはっは!そっちの方が覚えやすかったか、まあ好きに呼べといったし
別に気にせんがな?
それよりもあんなところで何をやっていた?
吾輩が言うのも何だが、いくら暑いからと言って服を着たままの泳ぎはお勧めせんぞ、泳ぎにくいらしいし」

水の流れに押されて、自分の体に凭れかかる形になった女性から
明らかに名前より長いあだ名で呼ばれるが、特に訂正する様子もなく。
それよりあんな状況になった理由の方が気になるらしく、
白一色の外殻に包まれた3mほどの巨大な魔族が、らしくなく小首傾げて。

「うん、岸?・・・ああ、そうだな。では・・・しっかり掴まっていろよ?
むうぅ・・・」

岸に連れて行ってほしいとの実に切実にして当然の願いには、別に反対することなく応じ、
全てではなかっただろうが、拾えるだけ拾えた荷物の一部を手渡してから、
女性の体をひょいと抱き上げお姫様だっこ・・・なのだが、
どうやらさっきの跳躍もう一度繰り返すつもりらしく、体に力込め始め。
このままでは先程まで溺れかけていた女性は、今度は恐らく人生初体験であろう川岸まで高さ5m・幅7m(推定)の
大幅跳びに付き合わされる羽目になるだろう。
これ以上妙な事につき合わせるなとか、制止の声など入ってしまえばその限りではないだろうが。

ティアフェル > 「いやまあ、うん……てか、今……出てこない……
 あの……いや、えっと……その話……もうちょっと落ち着いてからじゃダメ……?」

 急流の途中、下手すればもう少しで滝壺という水中で呑気に世間話に興じられる程、ごん太な神経はしていなかった。
 図太い方ではあるが、白い巨体で流されずに踏み留まっているというどうにも落ち着かない状況。
 ごうごう流れる水音に掻き消されて声も良く届かないし、大きく張らないときちんと聴こえなさそうだし。
 それなのにマイペースに話しを始める辺り、天然だなと思う。

「ぅ? え。え……えぁっ…?! ひっ…きゃああぁぁぁぁ!?」

 一緒に流れて来た荷物の一部を拾って手渡してもらえば、ありがと…と受け取ったものの。
 横抱きにされ、なんかむうぅ云い出したかと思えば、抱えられた腕から白い巨躯に力が籠るのを感じ目を丸くした、次の瞬間には突如大跳躍。
 せめて何をどうするのか先に教えて欲しい!!と切実に思いながら、確実に絶叫アトラクションと化した大ジャンプを体感して一瞬重力を無視したようにふわっと感じた浮遊感と直後に覚えるずしんと川辺の地面に着地する重い感覚に手にした荷物を抱え込みながら悲鳴を上げた。

ゴーザ > 「構わん構わん、ここには吾輩とティアの二人しかおらんのだし
互いに誰の事を言ってるのか判るのなら、何の問題もあるまいよ。
それもそうだな、確かに死にかけたおぬしに、その原因を聞くには少し早すぎたか」

先程の逆再生であるかのように綺麗に元の位置に着地した魔族は、
女性降ろしながらそんな事言っていたが、不意に何かに気づいたように。

「さてと・・・おお!
確か人間というのは、体が濡れたままだと体調を崩しやすくなるらしいな、
早く脱がんと風邪をひくぞ・・・?」

そう言いながら女性に近づいて無造作に服に手をかけ・・・るかと思われたが、
そのまま横を素通りして近くに落としていた薪を拾い集め、まずは火を起こそうと
適当に木を組み上げながら。

「こっちの準備が出来たら、服を脱いで・・・そうだな、これでもかぶっておけ。
吾輩は一向に気にせんが、普通のヒトの女は裸を無暗に見せるのを嫌うのだろう?」

流石にこの辺りは自分の体に合わせたのか、
焚火というよりキャンプファイヤーじみた火などおこしながら、
またどこからともなく明らかに夏向きではない分厚さの毛布を一枚
ぽいと放り投げて。
ただし、特に気使って視線外すとかはしないため、
このまま着替えるとじっくり鑑賞させてしまうだろうが。